毎年春が近くなると、労働組合と経営側に賃金の引上げなど労働条件の改善を要求する交渉「春闘」に関するニュースを目にします。そこで気になるのが「毎年どのくらい昇給しているのか」ではないでしょうか。
「昇給率」とは? 日本の昇給率は?
昇給率はとは、昇給前の給料と比べて何パーセント昇給したのかを示す割合です。手当や賞与(ボーナス)は含まずに計算します。
日本の昇給率はどのくらいなのか気になるところですが、昇給率は企業規模などにより異なります。日本経済団体連合会(経団連)が2021年に発表した「2021年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)」によると、2021年の大手企業の総平均昇給率は1.84%でした。平均昇給率が2%を下回ったのは8年ぶりとのことです。中小企業の昇給率は、経団連の「2021年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)」によると、2021年の中小企業の総平均昇給率は1.68%で、大企業の方がやや昇給率が高いことが分かります。
また、東京商工リサーチが2021年4月に実施したアンケート結果によると、2021年は大企業の74.1%、中小企業での64.8%が「賃上げを実施する」と回答しています。
海外と比較した、日本の昇給率
日本の昇給率は海外と比べて、どのようになっているのでしょうか。「GLOBAL REWARDS PULSE SURVEY 」で主要な国の平均昇給率の予測を見ると、中国が5.9%、韓国が4.0%など、アジア諸国の中で日本の平均昇給率は低めと予測されています。世界的に見ても、アメリカが3.5%、オーストラリアやイギリスが3.0%など、日本の平均昇給率はやや低いと言えそうです。
年度始めの給与は一般的に、年齢や勤続年数による「定期昇給」や、社員一律の「ベースアップ」による昇給が行われることが多いでしょう。給与を確認のうえ、家計の管理に努めましょう。