会社員として働いていると、同じ企業に所属する同年代の人とは年収がそれほど大きく変わらないでしょう。そのようななか、世間一般からすると自分は収入が多いほうなのか、少ないほうなのか、気になる人もいるのではないでしょうか。そこで、この記事では会社員の平均年収について調査してみました。
会社員の平均年収
会社員(給与取得者)の2015年から2020年までの平均年収は以下のとおりです。
国税庁の調査によると2020年の会社員の平均年収は433万1,000円でした。2019年は436万4,000円ですから、平均年収はやや下がっていることがわかります。
男女別の平均年収
会社員の男女別の平均年収は、以下のようになります。
男女の平均年収に200万円以上もの開きがあるのが、わが国の現状です。男女共同参画局によると2020年の非正規雇用率は、女性は54.4%、男性は22.2%と女性のほうが高く、男女間で大きな賃金格差がある理由の一つになっていることがわかります。
※参考:男女共同参画局「男女共同参画白書 令和3年版・第1節 就業をめぐる状況」
正規・非正規別の平均年収
正規雇用者と非正規雇用者の平均年収は、以下のとおりです。
上記の表からは、正規雇用者と非正規雇用者の平均年収にも大きな差があることがわかります。国は「同一労働同一賃金」を掲げて不合理な待遇差の解消を目指していますが、実際にはなかなか進んでいないようです。
非正規で働く理由としては、「自分の都合のよい時間に働きたいから」を挙げている人が多くいます。一方で「正規の職員・従業員の仕事がないから」理由から非正規雇用を選ぶ人が一定数いることも事実です。非正規雇用者の中には、年収よりも働き方などを重視する人もいるようです。
※参考:男女共同参画局「I-特-12図 非正規の職員・従業員が現職の雇用形態についた主な理由(女性・年齢階級別)」
企業規模別の平均年収
所属する企業の規模(資本金)別の平均年収は以下のとおりです。
資本金が多く、企業の規模が大きくなるほど平均年収も上がっている状況です。特に資本金10億円以上の株式会社になると平均年収は600万円を超え、全体平均の433万1,000円や正規雇用者の平均年収495万7,000円を大幅に上回っています。
業種別の平均年収
業種別の平均年収は以下のグラフのとおりです。
平均年収は業種によっても大きく変わることがわかります。なかでも電気・ガス・熱供給・水道業の平均年収はかなり高く、715万円です。これは、資本金10億円以上の株式会社における平均年収よりも高い結果となっています。次いで、金融業・保険業、情報通信業の年収が高いという状況です。
年齢階層別の平均年収
会社員の平均年収を年齢階層別・男女別に紹介します。
年齢階層別での平均年収を見ると、年齢を重ねるにつれて平均年収が変化していくことがわかります。一般的な定年退職をむかえる60歳まで平均年収はのびていきますが、その後は下がります。ただし、女性の場合は25~29歳から55~59歳までほぼ横ばいの状況です。
会社員の平均年収に関する今後の展望
会社員の平均年収が今後どのようになるのかを、確実に予測することはできません。また、新型コロナウイルス感染症の拡大がどの程度影響するのか、今後収束するのかどうかも不透明で、さらに状況を予測しにくい状況です。
少子高齢化により、社会保険料の負担が増え、年金受給額が減少する可能性もあります。順調に昇給する会社員ばかりではないため、計画的に資金を管理することが大切です。
まとめ
会社員の平均年収は433万1,000円です。ただし、性別や雇用形態、年齢、業種によって平均年収は大きく変わります。そのため、自分の年収と平均年収を比べたいときには、自分と同じような属性の平均年収を参照してみてください。