空き巣に入られると、お金や貴重品など大切なものを失うだけでなく、知らない犯罪者が侵入したことに、精神的なダメージも負ってしまいます。そのため、「空き巣の防犯対策があったら知りたい」「何とかして空き巣の侵入を防ぎたい」と思っている人も多いでしょう。
この記事では空き巣の下見とわかる前兆と、空き巣の侵入対策などについて解説します。
空き巣に入られる前兆
空き巣は、危険を冒して一か八かで侵入するのではありません。犯行前には入念な下見と準備をするケースがほとんどです。その準備を事前に察知できれば、犯行による被害を防ぐこともできるでしょう。以下に、空き巣に入られる前兆を解説します。
見慣れない車が長時間止まっている
空き巣は、入りやすい家かどうかを見極めるために、ターゲットの家の不在時間などを調査します。そのため、家の付近に車を停め、長時間観察することもあります。自宅付近に見慣れない車が長時間止まっている場合は、空き巣の下見かもしれません。
その際、空き巣はひと目でそれとわかる姿はしていない点にも注意しましょう。スーツやジョギング姿、作業着など、あらゆる服装で下見に来るため、一見普通の人に見えても警戒するようにしてください。下見をしているような不審な動きがあれば、迷わず警察に相談しましょう。
玄関やポストにマーキングがしてある
空き巣は、下見をした家の不在時間や家族構成などを、シールやマーカーでマーキングしておくことがあります。ドアやポスト、インターホン、電気メーターなどの玄関周りに、今まで気づかなかった文字や印が書かれていたら要注意です。
もし、こういったマーキングがあった場合、すぐに消すか取り除いておきましょう。残しておくと、その情報をもとに空き巣が侵入する可能性があります。
留守かどうか確認する人が来た
留守か在宅かを確認するために、インターホンを押して家人の反応をチェックする手口があります。ただ、近年はモニター付きインターホンも増えているため、たとえ在宅中でも見知らぬ人には応答しないことも増えてきました。
そのため、事前に郵便ポストから郵便物を引き抜いておき、「郵便物が誤配された」「通りに郵便物が落ちていた」などと届け出る空き巣もいます。モニターに自分宛ての郵便物が映れば対応する人も多く、本当に不在かどうかを確かめられます。
見知らぬ人がインターホンを押したときは、空き巣の下見かもしれないと用心してください。少しでもおかしいと感じたら、警察に相談しましょう。
空き巣に狙われにくくするための対策
「自分は空き巣被害に遭うわけがない」と考えている人もいるでしょうが、空き巣は非常に身近な犯罪です。令和2年(2020年)における空き巣等の侵入犯罪は、2万1,030件にも及び、いつどこで空き巣に遭遇してもおかしくはありません。そのため、空き巣に狙われやすくするための対策は、誰しも必要といえます。
空き巣は狙いやすい家をターゲットにするといわれています。そのため、空き巣にとって都合のよい環境を作り出さないよう、防犯対策には力を入れなければなりません。ここでは、空き巣に狙われにくくするための対策について解説します。
ドアや窓に補助錠をつける
侵入までに時間がかかると外から発見されるリスクが高まるため、空き巣は解錠に5分以上かかるような家には侵入しない、といわれています。そのため、空き巣対策にはドアや窓に鍵が複数つけ、解錠までに時間がかかるようにすると効果的でしょう。
ドアや窓に鍵が1つしかない場合は、補助錠をつけることがおすすめです。補助錠はあとから取りつけ可能で、外側につけるタイプなどさまざまな種類があります。自宅のドアや窓の形状に合わせたものを探してみてください。
開口部にCP部品を取りつける
開口部にはCP部品を使用して防犯対策を強化しましょう。CP部品とは、「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」が認定する、防犯効果が高い部品のことです。ちなみに、CPとは「Crime Prevention」の略で、犯罪予防を意味します。
CP部品は、ピッキングや鍵の破壊などを始めてから侵入するまでに、5分以上かかるような製品に認められています。鍵だけでなく、防犯性の高いドアやサッシ、窓ガラス、ウィンドウフィルムなどが対象です。
ドアにガードプレートをつける
ドアとドア枠の間にちょっとしたすき間があると、バールなどの工具が差し込みやすくこじ開けやすくなってしまいます。このような侵入方法を予防するためには、ガードプレートを取りつける方法がおすすめです。
ドアのすき間を金属製のガードプレートで塞ぐことにより、バール等を差し込むすき間をなくせます。
家の死角や開口部にセンサーライトを設置する
センサーライトとは、人の動きを感知したときに光るライトです。通常は電気がつかないようになっているため、電気代を節約するメリットもありますが、空き巣対策としても有効です。
センサーライトは空き巣に対して威嚇的な役割を果たすほか、空き巣の存在をアピールするため、空き巣は嫌がる傾向にあります。センサーライトの設置場所は、玄関や窓などの開口部、外から見えにくい家の死角等にすると効果的です。
監視カメラやカメラつきインターホンを設置する
空き巣は在宅かどうかを確認するためにインターホンを鳴らすことがあります。このようなときに備えて、監視カメラや録画機能つきのインターホンがあると便利です。あとから録画を見返せば、知らない人が訪ねてきたかどうかがわかります。
カメラつきインターホンは、工事業者を通さずに自分で設置可能な製品もあります。また、監視カメラは本物でなくダミーでも、不審者や空き巣対策、強引な勧誘やセールスの抑止にも効果的です。
敷地内の見通しをよくする
表通りから敷地内の様子が見えないと、空き巣にとって侵入しやすい環境になってしまいます。目線よりも高い塀や生け垣では、外から中の様子はわかりません。外の通行人からも空き巣の侵入がわかるよう、メッシュタイプのフェンスにするなど、敷地内の見通しをよくするとよいでしょう。
そのほうが、空き巣は侵入を躊躇しますし、異変があれば周囲から察知してもらいやすくなります。
家の周囲に砂利を敷く
敷地内に砂利を敷くのは雑草対策として知られていますが、防犯対策としても有効です。砂利の上を歩くと、砂利が擦れ合うため音が発生します。そのため、家の周りを歩く人がいれば、いち早く気づけます。
防犯目的に砂利を敷くのであれば、普通の砂利よりも発音性に特化した「防犯砂利」がおすすめです。侵入者が軽々と飛び越えられないよう、全面に敷きましょう。開口部周辺に砂利が敷き詰められている家は、防犯意識が高いとアピールできるという効果も期待できます。
戸締まりを厳重に行う
空き巣の侵入手口として最も多いものが、鍵を閉めていない家に侵入する「無締り」です。空き巣は、たとえば近所のゴミ集積所に往復するほんのわずかな時間を狙って侵入することもあります。
短時間の外出やゴミ出しのときでも、鍵をかけて出かけるように気をつけましょう。また、侵入盗の被害の約3割が、家人の在宅中だったという報告もあります。在宅時にもしっかりと戸締まりをするなど、基本的な防犯対策を心がけましょう。
参考:警視庁住まいる防犯110番「手口で見る侵入犯罪の脅威」
声掛けやあいさつは積極的に行う
地域の住民が街の美化に力を入れ、積極的に挨拶を交わし合う活気のある街は、犯罪も起きにくいものです。散歩や近所の人との立ち話などで、常に周囲からの目があれば、空き巣は侵入を諦める可能性も高いでしょう
また、お互い顔見知りの住人が多いなかで、知らない人に出会えば印象に残りやすく、犯人発見の手がかりになる可能性もあります。挨拶で声を掛けられたことで、犯行を断念したという事例もあるそうです。街ぐるみで美化活動や声掛けは、防犯にも大きな効果があるといえるでしょう。
まとめ
空き巣は人が油断したすきを狙って侵入します。逆にいうと、万全に防犯対策してあることがわかれば、侵入を諦める可能性が高いでしょう。空き巣予防のためには、ここで紹介した空き巣対策を行うようにしてください。
空き巣は下見などの準備をするため、空き巣の前兆が分かることもあります。不審に感じたときは、すぐに警察や自治体などに相談することをおすすめします。