災害の備えはできていますか? 地震や台風、集中豪雨など、わたしたちはいつどんな災害にあうかわかりません。いざというときに備えて防災グッズを揃え、防災対策を行いましょう。この記事では、防災グッズとして本当に必要なものと、普段から心掛けるべき防災対策について解説します。
防災グッズとして本当に必要なもの
被災生活を想像すると、あれもこれもと準備しておきたくなります。しかしながら、大荷物になってしまって、いざというときに持ち出せないようでは役に立ちません。防災グッズとして本当に必要なもの・量を見直してみましょう。
食料・飲料
最も大切なのは食料と飲料です。食料は最低でも「家族の人数×3食×3日分」を確保しておくようにしてください。7日分あればより安心です。パックごはんやカップ麺、レトルト食品、缶詰、ビスケット、チョコレートなどのほか、乾燥野菜や個包装の梅干しを準備しましょう。飲料水は飲むだけではなく調理にも使用します。1人1日3リットルを目安にして、最低でも3日分は準備しておきたいところです。
食料や飲料水は定期的に賞味期限・消費期限を確認してください。期限が近いものから消費し、新たに買い足すことを「ローリングストック」といいます。切らしてしまったタイミングで被災することのないように、消費したぶんは翌日にでも補充するようにしましょう。
防災食の備蓄については、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
関連記事:【暮らしになじむ防災】今すぐ実践できる備蓄アイデア! 整理収納アドバイザーが解説
生活用水
大規模災害で避難した場合、手洗いや歯磨きなどに使う水にも不自由するおそれがあります。ポリタンクなどに水道水をためておくほか、ウェットティッシュ、マウスウォッシュ、水がいらないドライシャンプーなどの衛生用品を準備しておくとよいでしょう。
生活用水の備蓄は、普段の生活にも役立ちます。災害だけでなく、近隣での工事や給水設備の点検などでも一時的に断水することがあるためです。浴槽やポリタンクなどに水をためておけば、トイレを流したり手を洗ったりするときに困らずに済みます。ただし、地震の際は排水管が壊れている可能性があるため、トイレに水を流すのはNGです。生活用水のほかに携帯トイレを準備してください。
紙類
防災グッズとして、1週間分ほどの新聞紙を確保しておきましょう。新聞紙はさまざまな用途で活躍します。屋外では敷物にできるほか、からだに巻き付ければ防寒に、複数枚を硬めに丸めれば骨折時の添え木にもなります。箱形に折ってラップをかぶせれば簡易的な食器として使え、とても便利です。
トイレットペーパーやティッシュペーパーは常に予備がある家庭がほとんどだと思います。災害時は物資が不足しがちなため、在庫を切らさないようにしましょう。また、2~3個は持ち出し用として別途保管することをおすすめします。
停電対策のための防災グッズ
停電への備えに必要な防災グッズは次のとおりです。
・懐中電灯
・携帯ラジオ
・モバイルバッテリー
・予備電池
・ろうそく、マッチ、使い捨てライター
・カセットコンロ、専用ボンベ
懐中電灯や携帯ラジオは、ハンドルを回して使う「手動充電式」がおすすめです。情報収集や家族との連絡には、スマートフォンが欠かせません。スマートフォンを充電するモバイルバッテリーは、なるべく電池容量の大きいものを用意して、定期的に充電しておきましょう。
非常用持ち出しバッグ
非常用持ち出しバッグは家族の人数分を用意し、いざというときに取り出しやすい場所に保管しましょう。バッグの中身はここまでに紹介した食料・飲料や停電対策グッズのほか、次のリストを参考に必要なものを詰めるようにしてください。
・貴重品:預金通帳、印鑑、現金、健康保険証
・救急用品:ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬
・衛生用品:マスク、洗面用具、ウェットティッシュ、携帯トイレ
・衣類:下着、タオル
・寒さ対策:使い捨てカイロ、毛布
・安全対策:ヘルメット、防災ずきん、軍手
赤ちゃんがいる家庭のための備え
赤ちゃんのいる家庭では、上記の非常用グッズのほかに赤ちゃんが使うものをまとめておきましょう。
・食事:ミルク、使い捨て哺乳瓶、離乳食、携帯カトラリー
・衛生:紙オムツ、おしりふき
・その他:抱っこひも、子どもの靴、ネックライト
肌が弱く荒れがちな赤ちゃんがいる場合には、普段使用している保湿クリームなども忘れずにバッグに入れてください。よちよち歩きを始めた赤ちゃんはガラスなどを踏んでケガをするおそれがあります。しかしながら、とっさに避難する際には靴を履かせている時間はないため、バッグに予備の靴を入れておくことをおすすめします。
赤ちゃんのオムツについては、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:【災害時の備え】オムツの平均備蓄量は約5日分? 子どものための防災対策を調査
女性のための備え
2011年3月に発生した東日本大震災では、生理用品の数量不足が物議を醸しました。また、避難所で性暴力を受けた女性もいたといいます。自分自身を守るために、女性専用の衛生用品や防犯グッズなどを準備しておきましょう。
・生理用品:ナプキン、タンポン、サニタリーショーツ
・衛生用品:おりものシート、中身の見えないゴミ袋
・犯罪対策:防犯ブザー、ホイッスル
防犯ブザーやホイッスルは犯罪防止だけでなく、自分自身がケガをして動けないときや要救助者がいるときなど、周囲に居場所を知らせるためにも必要です。すぐに取り出せるよう、避難時に首にかけるかポケットに入れるようにしましょう。
高齢者のための備え
高齢者に必要な備えには次のものがあげられます。
・生活用品:杖、老眼鏡、補聴器、入れ歯、入れ歯洗浄剤
・衛生用品:大人用紙パンツ、尿漏れパッド、おしりふきなど
・医療用品:持病の薬、保険証やおくすり手帳のコピー
健康状態によっては不要なものもあるでしょう。しかしながら、環境が変わることのストレスから体調を崩す可能性もあります。不要と思っても紙パンツや尿漏れパッドを2~3枚用意しておくとよいかもしれません。また、老眼鏡や補聴器など普段使いのものは、巾着袋などにひとまとめにして枕元に置いて寝るといった習慣をつけることをおすすめします。
普段からしておくべき防災対策
ここからは、日常生活のなかで心掛けたい防災対策について解説します。
家具や家電の固定
これまでに発生した大規模地震では、家具や家電の下敷きになって大ケガをしたケースや、倒れた家具に出入り口をふさがれて逃げ遅れたケースなどがありました。家具や家電の転倒防止に、次のような工夫を行いましょう。
・家具を壁に固定する
・背の高い家具は転倒防止用突っ張り棒で天井に固定する
・背の低い家具を選ぶ
・家具が倒れても出入り口をふさがないような配置を考える
・食器棚の扉に飛び出し防止グッズをとりつける
家族の安否確認方法を決めておく
家族の安否確認方法や集合場所を決めておきましょう。大規模災害時には電話が不通になる可能性があります。その場合は、「災害用伝言ダイヤル」や「災害用伝言板」が便利です。安否をスムーズに確認するために、家族全員で利用方法を共有してください。
・災害用伝言ダイヤル(171)|NTT東日本・NTT西日本
・災害用伝言板(web171)
ハザードマップの入手
ハザードマップを入手して、災害が起きやすい場所、避難場所、避難経路などを確認しましょう。地図ではわかりにくいこともあるため、家族で散歩がてら歩いてみるのがおすすめです。ハザードマップは住所地の市区町村役場で配布されています。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」でも確認できますので、利用してみてください。
防災関連サイトをチェックする
災害はいつやってくるかわかりません。日頃から積極的に防災関連の情報を集めましょう。
・防災情報のページ|内閣府
・TEAM防災ジャパン|内閣府政策統括官(防災担当)
まとめ
地震大国ともいわれる日本では、日頃から災害の備えが欠かせません。近年は台風や豪雨による被害も増えています。いざというときに後悔しないためにも、本当に必要な防災グッズは何かを確認し、しっかりと準備しておきましょう。
(最終更新日:2022.04.04)