クレジットカードや電子マネー、スマートフォンを使ったQRコード決済など、日常の買い物ではキャッシュレス決済の普及が進んでいます。その一方で、パスポート発給の申請手数料や、車検登録時の自動車重量税と印紙税(法定費用)など、原則として現金で支払わなければならないお金もあり「もっと簡単に支払えたらいいのに」と思ったことがある人もいるのではないでしょうか。そうした常識が今、変わろうとしています。
2022年度以降、パスポートや車検の手数料はクレジット払いが可能に
自動車検査登録(車検)の検査登録手数料と自動車重量税について、国土交通省がキャッシュレス化に向けて進める方針を発表。また、外務省はパスポート(旅券)の申請について、オンラインで申請できるようにするとともに、手数料はクレジットカード決済などによる納付を可能とする計画を発表しています。
そうした背景から、これらの国に納める手数料について、行政機関の窓口へ足を運ばなくても、キャッシュレス決済やコンビニ決済による納付を可能とする「行政キャッシュレス化法案(情報通信技術を利用する方法による国の歳入等の納付に関する法律案)」が通常国会に提出されることになりました。
車検の登録手数料は2022年度中に、パスポートの発給手数料は2022年度以降に実施される予定で、交通違反の際に納める反則金に関しても、2024年度末以降にキャッシュレス決済が可能となる見込みです。
確定申告時の納税や警察手数料は、既にキャッシュレス決済が可能
行政手続きをデジタル化する取り組みとして、キャッシュレス化はかねてから進められてきました。国税クレジットカードお支払サイトからは、所得税や法人税、相続税、贈与税といった各種税金のクレジットカード払いが可能です。
警視庁の警察手数料等窓口では2021年7月からは、自動車運転免許の試験や更新にかかる手数料をはじめ、道路使用許可や古物営業許可など15種類の手数料の支払いがクレジットカードや電子マネーで行えるようになりました。全警察署窓口や運転免許試験場窓口、運転免許更新センター窓口、指定警察署(運転免許)窓口で導入しています。
キャッシュレス決済が普及することで、お金の支払いがスピーディかつスムーズになるだけでなく、人との接触を減らして新型コロナウイルスの感染リスクを軽減することにも繋がります。行政手続きも今後、より便利になりそうですね。