1人暮らしにかかる生活費を節約しようとしたとき、真っ先に思い浮かぶのは食費の節約でしょう。食費は生活費のなかでもかなりのウエイトを占め、やりくり次第では大きな節約が見込める項目です。
食費を節約するには具体的にどうすればいいのでしょうか。統計から食費の平均値を知り、自分の食費と照らし合わせてみましょう。さらに、この記事では賢い食費の節約方法もご紹介します。
1人暮らしの平均食費はいくら?
食費が削れるかどうかを判断する目安の一つとして、食費の平均値を知ることが大切です。自分の食費が平均よりも高いなら、今よりもっと節約できる部分があるかもしれません。統計から、1人暮らしの食費の平均値をみていきましょう。
1人暮らしの平均食費(年別)
生活費の統計として最も代表的な総務省の「家計調査」から、食費の平均値を知ることができます。この平均値と毎月の自分の食費と比較してみましょう。平均値よりも上回っていたら、知らず知らずのうちにムダ遣いをしている可能性があります。
平成30年(2018年)から令和2年(2020年)の1人暮らし(単身世帯)における、1ヶ月あたりの食費の推移をみていきましょう。
1ヶ月あたりの飲食費は約4万円が平均値だとわかります。ただ、2020年は例年より食費が2,000円近く減少しました。それ以上に外食費が3,000円以上減っていることから、コロナ禍で外食自体が大幅に少なくなったものと考えられます。
1人暮らしの平均食費(男女別)
次に、1人暮らしの平均的な食費について男女別にまとめました。統計は令和2年(2020年)のものです。
飲食費を総合的にみて、男性のほうが約7,300円高い結果です。特に男性の外食費は女性のほぼ倍であり、外食費の高さがそのまま食費の高さに反映されていることがわかります。
節約ポイント1…自炊する
1人暮らしの食費の平均値がわかったところで、次にその食費の節約方法について紹介していきましょう。
節約ポイントの第1は、自炊をすることです。統計からもわかるように、外食費は食費を押し上げる最大の要因です。そのため、節約には何よりも自炊がおすすめです。具体的にどんなことから取り組めばいいか、節約のコツをご紹介します。
まずは白米を炊くところから
いきなり自炊といっても、普段あまり料理をしない人にとってはハードルが高いものです。最初から手の込んだ料理を作ろうとすると挫折してしまうことが多いので、まずは白米を炊くところからスタートしてみましょう。お米をといで水と一緒に炊飯器に入れ、スイッチを押せばあとは待つだけです。「お米をとぐのも嫌」という人は、無洗米を買いましょう。
そして、スーパーなどでお惣菜を買えば、外食するよりも食費が安くすみます。手間のかからない料理を少しずつ覚えていきましょう。
冷凍保存・電子レンジを活用する
スーパーの特売日はまとめ買いがお得です。しかし、1人暮らしだとたくさん買ってもなかなか消費できません。腐らせてしまうとせっかく買った食材がムダになってしまうので、食べきれないときは冷凍保存を活用しましょう。
料理を多めに作って冷凍したり、下処理した食材を小分けにして冷凍したり。肉は下味をつけてから冷凍すれば味が染み込み、より一層おいしくなります。電子レンジで温めるだけで一品ができるので、節約だけでなく時短にもつながるでしょう。
なるべく安く、日持ちの良い食材を選ぶ
食費を削ろうとして無理に買う量を減らしてしまうと、常にお腹が空いてしまい食事の楽しみがなくなってしまいます。そんなときは、似たような食材でもなるべく安くて、日持ちするものを選びましょう。
たとえば、牛肉より鶏肉のほうが安く、レタスよりキャベツのほうが日持ちします。日持ちするものなら、腐らせて食材をムダにしてしまうことも少なくなります。値段も安く栄養価の高い卵はすぐれもの。日持ちするので、冷蔵庫に常備しておきましょう。
節約ポイント2…コンビニを控え、格安スーパーを利用する
節約ポイントの第2は、コンビニを控え、格安スーパーを利用することです。24時間営業で仕事帰りにもさっと寄れるコンビニはとても便利ですが、スーパーなどと比べると割高です。コンビニの利用を控え、食料品はなるべく格安スーパーなどで購入しましょう。
スーパーではPB(プライベートブランド)商品も多く、通常のメーカー品よりも安く買えます。PB商品の種類も増えているので、一度試してみてもいいかもしれません。
また、スーパーへ買い物に行く頻度も減らすと、ムダな買い物が減らせます。たとえば、「買い物は週2回」と決めておくと、持ち帰れる量に限度があるため、つい余計なものを買ってしまう機会も少なくなります。
節約ポイント3…キャッシュレス決済にする
現金を使わずに、キャッシュレス決済で買い物をするのが節約ポイントの3点目です。キャッシュレス決済には、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどがあり、利用額に応じてポイントがつくのでお得です。また、電子決済ならいつ何にいくら使ったのかを、あとからスマホで確認することができます。
使いすぎが心配なら、1ヶ月に使える金額をあらかじめチャージしておくのもおすすめです。クレジットカードのなかには、アプリやwebで利用明細を確認できるものも多いので設定してみましょう。
節約ポイント4…家計簿をつけて支出を「見える化」する
節約ポイントの第4は、家計簿をつけることです。
1人暮らしだと自分で自由にお金が使えるので、月々どのぐらい使っているのかわからないという人も多いのではないでしょうか。気がついたら給料日前はお金がなくてピンチ…ということがないように、家計簿をつけるのがおすすめです。家計簿によって支出を明確にし、グラフにすれば支出を「見える化」できます。見える化すると、具体的なお金の流れがわかるのでむだムダな出費を抑えられます。
しかし、「家計簿の重要性はわかるけれど、面倒くさくてとてもできない」という人もいるかもしれません。最近は、クラウドを利用した家計簿サービス・アプリも充実しています。スマートフォンでレシートを撮影するだけで、簡単に家計簿に反映できるものもあるので、活用してみましょう。
まとめ
食費を節約するには自炊が効果的です。ただ、節約はダイエットと同じで無理をすると「リバウンド」してしまいます。まずは白米を炊いたり惣菜を買ってみたり、自炊を楽しむ感覚で取り組みましょう。キャッシュレス決済を活用すれば、自炊が難しい場合でもポイントを使って節約をすることができます。
(最終更新日:2022.03.07)