『ARUHIマガジン』では2021年も毎日さまざまな記事を配信してきました。2021年に配信した1,000を超える記事の中から、特に反響が大きかった記事をジャンル別に紹介していきます。今回は「住宅購入」に関する人気記事をピックアップしてお届けします。
タワマンは「高層階」と「低層階」どちらを選ぶ?
高さ60メートル以上、階数にすると20階建て以上のマンションを一般的に「タワーマンション(タワマン)」と呼びます。上記の表は、一般的なタワマンのメリットとデメリットで、駅近で便利な立地や共用部分の充実、キッチンのディスポーザーや各階のゴミ捨て場など部屋にゴミをためずに過ごせる環境、立地や建物の管理がよければ資産価値が下がりづらく、時価との差から相続税対策としても魅力です。
一方、エレベーターで移動するため、通勤・通学時の待ち時間や災害時に使えなくなるリスクがあります。戸建てのように自由に窓を開けることができない、洗濯物を外に干せない、共用施設やサービスが充実しているほど管理費が高くなるといった点に注意が必要です。
高層階と低層階どちらが暮らしやすいかは家族構成やライフスタイルによって異なり、大人だけで静かに暮らしたい人や、通勤や通学の時間帯が決まっていない人は高層階、子育て世代などファミリーで暮らす人、会社員で通勤時間が決まっている人は低層階が向いているでしょう。
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タワマンは「高層階」と「低層階」どちらが良い? 選ぶポイントをFPが解説
騒音トラブルを防ぐマンションを選択するには?
マンションに住むということは基本的に、上下左右に他人が暮らしているということです。コロナ禍の生活で在宅時間が増えた今、騒音トラブルにはより気をつけたいところです。
鉄筋コンクリート造の中でも防音性の高いマンションに住みたければ「戸境壁(こざかいかべ)の厚さが180ミリメートル以上」で「床スラブの厚みが200ミリメートル以上」であることを条件に選ぶと良いでしょう。
空気音の伝わり方は、隣の住戸との間にある壁「戸境壁」の構造で決まり、厚みがあるほど遮音性能が高まります。一般的なマンションの壁厚は150ミリメートル程度で、180ミリメートル以上であれば遮音性が高いマンションと言えます。戸境壁の構造が乾式壁であれば、遮音等級D-50以上がおすすめです。
重量衝撃音を防止するには、建物の構造体である床スラブ(鉄筋コンクリートの床)の厚みが通常で180ミリメートル、子どもが走り回るなら200ミリメートル以上のものを選ぶと良いでしょう。軽量衝撃音は「二重床工法」(浮床工法)のマンションを選ぶことである程度の効果が期待できます。
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隣の音が聞こえない部屋を見極めるには? 騒音トラブルを防ぐマンション選択
間取り図に記載された略語を読み取る
住宅購入を考えている人であれば、間取り図を見ながら購入を検討したり、どこにどの家具を置くか考えたりした経験があるでしょう。間取り図にはさまざまな略語が表記されています。たとえば、間取りを示す記号としては、Lがリビング、Dがダイニング、Kがキッチン、Sがサービスルームです。
また、UBがユニットバス、DENが書斎、Stoが倉庫、CLがクローゼット、WICがウォークインクローゼット、WTCが通り抜けできるウォークスルークローゼット、SBがシューズボックス、SICがシューズインクローゼット、RFがロフト、WCもしくはTがトイレ、DRがドレッシングルームです。
さらに、冷蔵庫置き場をR、洗濯機置き場をWと表記することも。給水管や排水管が通るパイプスペースはPSもしくは換気や空調のダクト管を意味するDS、電気やガス、水道のメーターが納められているメーターボックスはMBと表記します。記号の意味を知ることで、間取り図を正しく読み取れます。
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マンションの間取り図にある「MB」「PS」とは? 図面記号の意味や不動産用語を解説
都内の戸建てを購入できる年収は?
「東京23区内の戸建てに住みたい」と考えているものの、金額的に難しいのではないかと躊躇している人は少なくないでしょう。実際のところ、どの程度の年収があれば、現実的にマイホームを手に入れることができるのでしょうか。
上記の表は、LIFULL HOME‘Sの価格相場情報をもとにした東京23区の新築戸建ての価格です。区によって1,680万円から3億6,900万円までと、大きな差があることがわかります。文京区を筆頭に、港区、渋谷区、新宿区、品川区の順で住宅価格が高い一方、練馬区、目黒区、江戸川区、足立区、葛飾区、墨田区であれば、2,000万円代~と抑えた価格で新築戸建てを購入できるかもしれません。
住宅金融支援機構の2019年の調査によると、年収に対する住宅購入の所要資金の割合は「年収の5.5倍~7.3倍」です。年収が600万円以上あれば、エリアにより東京23区内で戸建てを購入しやすく、年収800~1,000万円ほどあれば、対象エリアを広げることができるでしょう。
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年収いくらで都内の戸建て購入できる? 年収別に購入できるエリアを検証
中古住宅なら、新築住宅よりも安く・広い家が買える?
国土交通省「令和2年度住宅市場動向調査」によると、三大都市圏で住宅を取得した人たちの購入価格と年収倍率は、土地を買って注文住宅を建てた人が5,359万円(年収倍率6.67倍)と最も高く、次いで分譲マンションが4,639万円(5.28倍)で続いています。
一方、「既存(中古)戸建住宅」は2,894万円(3.81倍)です。2001年度の調査開始以来、過去最高に上昇しているものの、それでも注文住宅や分譲マンションに比べると格段に安いことがわかります。
同じ戸建てでも「分譲戸建住宅」つまり建売住宅は3,826万円(5.31倍)です。中古戸建てなら、新築戸建てに比べて24%ほど安く、注文住宅と比べれば46%も安いということになります。
公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」によると、新築住宅と中古住宅で新規登録物件の土地面積を比較したところ、2020年度の土地面積は「中古戸建住宅」のほうが57.92平方メートル広く、中古住宅であれば、新築住宅に比べて抑えた価格で、広い住まいを手に入れることができます。
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国の調査で改めて「中古の戸建て」ブームが浮き彫りに、価格や広さに注目
コンテナハウスを住まいとする選択
最後は、戸建ての少し変わった選択肢として「コンテナハウス」を紹介します。「コンテナ」といえば、貨物を輸送するために使用する鉄製の大きな箱状容器です。コンテナを使った建物を「コンテナハウス」といい、いわゆる海上コンテナを利用して建てるものですが、日本では建築基準法の条件を満たすため、輸送用ではなくJIS規格を満たした建築用コンテナを使用するケースが一般的です。
コンテナハウスは独創的で目を引く外観に加え、工事期間の短さ、移設がしやすくカスタマイズ性も高く、アイデア次第で大きな可能性を秘めた住まいです。ただし、錆びやすいリスクや運搬経路の確保という課題がありますし、建築確認申請が必要で、使用中は固定資産税が発生します。通常の住宅とは異なる楽しさがある反面、断熱性能や天井高など、通常の住宅では当たり前の快適性が得られない可能性もあることを念頭に検討しましょう。
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まとめ
マンションか戸建てか、新築か中古かといった選択は自身や家族の状況や年収などにより、ベストな答えが変わります。コロナ禍の生活で住まいに求めることが変化した人もいると思いますが、この記事を参考にあらゆる可能性を考慮し、住宅購入を検討してみてはいかがでしょうか。
(最終更新日:2022.01.04)