新年を気持ちよく迎えるため、年末になると家族総出で大掃除をしているご家庭も多いかもしれません。しかし、12月は仕事に追われるだけでなく、クリスマスパーティーやお正月の準備で慌ただしい時期。1年の間に積もった汚れを、そのような状況でまとめてなんとかしようとするのは大きな負担です。
だからこそ、掃除は日々の積み重ねが重要です。季節によっては年末の寒い時期よりも楽に汚れが落とせる、洗ったものが乾きやすい、といったメリットもあります。
今回は、大掃除の負担を軽減する、知っておきたい季節に応じた掃除の方法を紹介します。
大掃除を楽にするヒントは「季節」
1年の中で気温や生活リズムに合った掃除を心がけることで、年末の大掃除はぐっと楽になります。また、日常的な掃除で家がきれいになれば、毎日を快適に過ごすこともできます。では、季節ごとに適した掃除を見てみましょう。
春に行いたい掃除
春は進学や就職など、新生活が始まる時期。これを機にクローゼットの中を断捨離し、不要なものを思い切って処分したり、フリマアプリを活用して手放すのにも良い季節です。
掃除中に舞った埃を溜めないようにするには換気が必須ですが、春は花粉が多く飛ぶため、花粉症の人には難しい季節でもあります。花粉症の人は、掃除中はゴーグルやマスクで対策をするほか、窓を少しだけ開けるだけでも換気の効果は期待できます。
夏に行いたい掃除
1年の中でも特に暑い夏は、高い気温によって頑固な油汚れが浮きやすく、キッチンやレンジフードの汚れを落とすのに最適なタイミングです。特に汚れが気になる部分には、洗剤を染み込ませたキッチンペーパーを被せ、その上からさらにラップを重ねてパックをしましょう。しつこい汚れもきれいに落とせます。
また、寒い冬に水回りの掃除をするのは辛いですが、暑い夏ならば負担になりません。夏に浴室をしっかり掃除しておけば、壁や隅などにカビが発生することも防止できます。
そして気温の高い夏は、カーテンやラグといった大きいものを洗濯しても、カラッと乾きます。特に梅雨を過ぎた後のカーテンは埃やカビを含んでいる可能性も高いため、夏の間に洗って清潔にしておきましょう。
秋に行いたい掃除
夏に活躍したエアコンのフィルターは、秋のうちに掃除すると同時に、エアコンの稼働に問題がないかチェックしておきましょう。早い段階で修理業者に依頼しておけば、暖房を使う家庭が増えて修理の予約が難しくなる状況を防ぐことができます。また、夏に蓄積したエアコンの汚れを取り除くことで、暖かい風が部屋に行き届くようになると同時に、電気代の節約にもつながります。
そして、秋は窓の掃除に適した季節でもあります。秋は夏に比べて日光も落ち着くため、窓の汚れが目視しやすくなります。加えて冬に比べて気温も高く、水拭きした後も乾きやすいといったメリットも。ご家庭によってはお子さまが窓ガラスに触ったり、ペットが舐めてしまったりした跡が、タバコを吸う方がいればヤニの汚れが付着します。窓ガラスの汚れを確認しやすい秋に、きれいに落としておきましょう。
冬に行いたい掃除
冬は冷蔵庫の掃除に最適な季節です。気温が下がるため、冷蔵庫の中のものを一旦外に出して掃除をしても、食べ物が傷みにくいといったメリットがあります。ジャムや調味料などは賞味期限切れに気づきにくいため、これを機に確認して処分しましょう。冷蔵庫の中をきれいに拭いたり、霜取りをしておけば気持ちよく冷蔵庫を使用できます。
また、12月は大掃除をする家庭も多く、粗大ゴミ回収の予約がすぐに埋まることも考えられます。「せっかくまとめておいたのに、粗大ゴミ回収の予約が取れない」なんて失敗の無いよう、早めに回収の申込や回収に必要なシールの購入を済ませておきましょう。
【場所別】日常的にできる時短掃除のポイント
普段行う掃除以外にも、少しずつ掃除を習慣化させることも重要。家族全員が「使ったらキレイにする」を当たり前にすると、年末大掃除がとても楽になりますよ。
リビング
リビングは1日の大半を過ごすことから、汚れやすく、散らかりやすい場所でもあります。フローリングや机の上に食べこぼしがあれば、すぐにウェットティッシュやふきんで取り除くようにしましょう。汚れは時間の経過により落としにくくなってしまいます。
リビングなどのリラックススペースにソファーやラグを置いているご家庭も多いですが、ダニの温床になりやすいというリスクもあります。ダニはフケや食べこぼし、埃を餌に繁殖するため、ダニの駆除スプレーを吹きかけた後に掃除機をかけることや、ソファーカバーの洗濯を定期的に行うことを心がけましょう。
浴室
浴室は入浴後のちょっとした掃除で、キレイをキープできます。たとえば最後に入浴した人が、お湯を抜いた後に浴槽内をシャワーでさっと流すだけで皮脂汚れや石けんカスを洗い流せます。排水口にたまった髪の毛も、お風呂上がりに取り除いておけば、後々の掃除がとても楽になります。こうすることで翌日のお風呂掃除もスムーズに終わるため、家族の中で事前に共有しておくのがおすすめです。
また、1日の最後にお風呂から上がる人は、スクイージーなどで鏡に付着した水を切っておくことで水垢を防止でき、後々水垢がとれなくて苦労することも少なくなります。
さらに、浴室のカビを防ぐために浴室全体を50度程度の熱いシャワーで流し、壁や床もスクイージーなどで水切りをしておきましょう。浴室乾燥を入れ、手早く浴室の湿気を無くすのも有効です。
キッチン
揚げ物をした後のガスコンロと壁は、なるべくすぐに早く拭き取るようにしましょう。その際はキッチンペーパーを使うと、捨てるだけなのでスムーズに掃除が終わります。エコが気になる人はもちろんふきんを使ってくださいね。
また、キッチン掃除でネックとなるのが、三角コーナーのヌメリです。三角コーナーは使い捨ての袋タイプにすれば、嫌な汚れに悩まされることも少なくなります。
トイレ
トイレ用洗剤の中には、トイレットペーパーに吹きかけてさっと拭いた後にそのまま流せるものや、水を流すたびに洗剤が便器内を洗浄してくれるタイプのものがあります。そのほかにも、トイレタンクの上やトイレットペーパーホルダーなど、目についた場所の埃をさっと拭き取るように意識するだけでも、トイレを清潔に保つことができます。
便器や床も汚れやすいので、1週間に1度はきれいに汚れを拭き取っておきましょう。放置すると取れなくなり、シミ汚れの原因になります。
楽に掃除を終わらせるためのヒントやグッズ
ホームセンターやドラッグストアでは、1年を通して簡単に汚れを落とす掃除グッズや洗剤などが販売されています。掃除を楽に終わらせるためには、効果的なグッズや洗剤を使い分けると良いでしょう。
重曹ペースト
掃除の定番アイテムである重曹は、ガスコンロのしつこい汚れにも効果的ですが、そのままでは汚れている箇所を集中的に掃除することは困難です。掃除を手早く終わらせるためには、重曹と水を2:1の割合で混ぜてペースト状にするのがおすすめです。
紙コップなどに大さじ2杯程度の重曹と大さじ1杯程度の水を入れ、割り箸やスプーンでダマにならないようしっかりと混ぜます。ペースト状になった重曹をガスコンロのしつこい汚れに乗せ、10分程度放置した後に歯ブラシで軽くこすれば、簡単に汚れが落とせます。
なお、重曹ペーストの注意点は、「使う場所を選ぶこと」と、「直接手で触らないこと」です。アルカリ剤である重曹は、アルミや大理石素材の場所に使うとはがれたり、シミになってしまう可能性があります。事前に使っていい場所か確認しておきましょう。加えて、使用時は手袋を装着すると手荒れを防止できます。
メラミンスポンジ
100円ショップでも販売されているメラミンスポンジは、洗剤を使わずにキッチンや洗面台、浴室やトイレの水垢汚れを落とせる優れものです。カット済で販売されているタイプもありますが、大きいサイズのものを買って、場所に合わせてカッターでカットすると使いやすくなります。
メラミンスポンジは、ゴシゴシこすらずに、水分を適度に含ませた状態でこするだけで汚れがきれいに落とせます。
手袋型モップ
ランプシェードや棚の上は、知らず知らずのうちに埃が溜まっている箇所です。脚立が必要な高い箇所は手元も見えず、隅々まで埃を取り除けたのか不安になるかもしれません。
そこで便利なのが、手にはめて使う手袋型のモップです。マイクロファイバーでできているものもあり、指先部分で隅々まで埃をきれいに取り除けます。
まとめ
日常的に、また季節に応じた掃除をしておけば、忙しい年末も楽に大掃除を終えることができます。そうすれば家族とゆっくり年末を過ごす時間ができると同時に、すっきりとした気持ちで新年を迎えられるでしょう。
ぜひ、毎日できることから掃除を行い、きれいな家で快適に過ごせるように気を付けてみてはいかがでしょうか。
【監修者】
yokoさん
1990年生まれ、東京女子大学卒業。企業勤めをしながら、第1子育休中に第2の仕事として整理収納アドバイザーの活動を開始。普段はIT企業に人事としてフルタイム勤務しながら、週末に個人宅向けの整理収納コンサルティングを行っている。「部屋を片付けた先にあるその人らしい人生に繋がるサポートをすること」がモットー。東日本大震災の際、福島県に住む家族が被災した経験から「片付けは防災」だと実感し、防災備蓄収納を取り入れた整理収納プランニングを行っている。https://yokohome1.mystrikingly.com/