1人暮らしの水道代は月いくら? 普段の生活で心がけたい節水方法も解説!

1人暮らしをして、はじめて水道代などを意識するようになった人も多いでしょう。今回は、公的なデータをもとに1人暮らしの平均的な水道代を紹介します。平均と比べて「高い」と感じたら節水を心がけることが大切です。効果的な節水方法もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

毎月の水道代はどのように決まる?

水道代は全国一律ではなく自治体ごとに違います。請求は2ヶ月に1度、使用した水道料金と下水道料金の合算となっていることがほとんどです。ただし、同じ自治体でも地域によっては下水道料金が含まれないこともあります。まずは水道代の請求明細を確認し、不明な点があれば契約している水道局に問い合わせてみてください。ここでは、一例として東京都の水道代の内訳を紹介します。

上水道の基本料金

上水道の基本料金は、水の使用量に関係なく、契約している間は毎月発生する料金です。水道メーターの口径(呼び径)の大きさを基準とし、口径が大きくなるほど料金も上がります。家庭用で多く用いられているのは13mm・20mm・25mmで、東京都水道局ではそれぞれ次のように基本料金を定めています(2021年11月時点)。

・13mm:860円
・20mm:1,170円
・25mm:1,460円
出典:水道料金・下水道料金の計算方法(23区)|東京都水道局

口径は、水道メーターの蓋や水道局から送られてくる検針票に記載されています。一度確認してみるとよいでしょう。

従量料金

従量料金とは、水道の使用量に応じて加算される料金のことをいいます。単価や使用量区分は自治体によって異なりますが、段階的に単価が上がる累進制になっているのが一般的です。

東京都水道局の場合、口径13~25mmでは同じ単価が設定されています。使用量5立方メートルまでは基本料金に含まれているため、従量料金は発生しません。それ以降は、6~10立方メートルまでは1立方メートルあたり22円、11~20立方メートルまでは1立方メートルあたり128円といった具合に、使用量に応じて単価が上がっていきます。

下水道料金

下水道料金は実際に汚水の量を計測するのではなく、水道の使用量をもとに算出されます。使った水量と汚水は必ずしも同量とはいえません。しかしながら、使用した水のほとんどが下水道に流れることや、固形物などが含まれる汚水の計測は難しいことから、こうした計算方法が用いられています。なお、下水管の仕組みによって下水道料金がかからない地域もあります。

東京都水道局では、0~8立方メートルまでを基本料金として560円の下水道料金を設けています。そのため、水道を使用しなかった場合でも一律560円かかります。8立方メートルを超えると、上水道と同じく1立方メートルあたりの単価ごとに加算される従量料金で、累進制となります。

1人暮らしの水道代は平均で月いくら?

総務省統計局のデータによると、単身世帯の2020年における上下水道料は、全国平均で2,172円です。ただし、水道料金の内訳でもお話ししたとおり、算出基準は自治体によって異なります。以下に示すのは、エリアごとの単身世帯の上下水道料平均値です。

単身世帯の上下水道料平均値
出典: 家計調査|総務省統計局(2020)

1人暮らしの水道代を全国で比較すると、北海道・東北地方では高め、近畿地方は低めの傾向にあることがわかります。

1人暮らしの水の使用量はどのくらい?

水道料金は使うほど単価が上がる従量料金が採用されています。平均的な水道代がわかったところで、平均的な水の使用量もみてみましょう。

世帯人数ごとの水の使用量

東京都水道局の調査によると、世帯人数別の1ヶ月あたりの平均的な水道使用量は次のように発表されています。

世帯人数ごとの水の使用量
出典:東京都水道局 平成30年度生活用水実態調査

世帯人数が多くなるほど水の使用量は多くなる一方で、一人あたりの使用量は少なくなるという結果が出ています。お風呂や洗濯では大量の水を使用しますが、家族で共有できることがその理由と考えられるでしょう。

目的別の水の使用量

わたしたちは生活のさまざまなシーンで何気なく水を使用していますが、どのくらいの量を使っているのかご存じでしょうか。東京都水道局の調査では、家庭で1日あたり使用される水のうち、40%が風呂に、21%がトイレに、18%が炊事に、15%が洗濯に使われている計算のようです。

具体的な水量は、設備や家電の機種・機能で異なります。たとえば、戸建て用の一般的なサイズである1216サイズ(0.75坪)の浴槽に70%ほどためた水は大体150リットルくらいです。トイレを1回流すたびに使用される水量は、平均すると約6リットルになります。洗濯1回あたりの水量は、縦型洗濯機よりもドラム式洗濯機のほうが少なめです。あるメーカーでは、縦型洗濯機の標準使用水量は約175リットル、ドラム式は約55リットルと計算しています。

以下に示すのは、東京都水道局がまとめた水の使用量の目安です。参考にしてみてください。

水の使用量の目安
出典:水の上手な使い方|東京都水道局

1人暮らしにおすすめの節水方法

水道代の基本料金は毎月一定額かかりますが、従量料金は使用量によって変動します。そのため、水道代を抑えるには、節水を心がけて水の使用量を減らすことが大切です。ここでは、水の使用量が多い風呂・洗濯・炊事での節水方法を紹介します。

風呂

1人暮らしの場合、毎回浴槽にお湯をためるのではなく、シャワーで済ませたほうが節水につながります。ただし、シャワーは出しっぱなしにせず、こまめに止めるようにしてください。浴槽に浸かる場合は、髪やからだを洗う際に、浴槽にためたお湯を利用するとよいでしょう。

また、シャワーヘッドを節水タイプに交換するとより効果的です。通常のシャワーヘッドと比べて約30~50%の節水効果が期待できます。賃貸の場合は退去時に元に戻さなくてはならないので、外したシャワーヘッドは大切に保管してください。

シャワーを使う時間を1分間短縮すると、年間で4.38立方メートルの節水が可能になり、水道代が約1,000円節約できます。

洗濯

毎日少しずつ洗濯するのではなく、洗濯物がある程度たまってからまとめて洗うことをおすすめします。容量6kgの洗濯機に4割分の洗濯物を入れて洗う場合と、8割の洗濯物を入れて洗濯回数を半分にした場合を比較すると、年間で16.75立方メートルの節水になり、約3,820円の節約が可能です。

市販の洗濯洗剤のなかには、すすぎが1回で済むものもあります。節水につながるので、一度試してみてください。

また、洗濯機は縦型よりもドラム式のほうが節水効果は高めです。洗濯機の購入や買い替えを予定している場合は、水道代節約のためにドラム式を選択してはいかがでしょうか。

炊事

普段の食器洗いの手順を見直してみましょう。食器やフライパンについた油汚れは、水で流す前にボロ布やキッチンペーパーなどで拭うようにしてください。汚れの少ないものから洗うようにして、スポンジでこすっている間は水道を止め、すべて洗い終わってからすすぎます。

すぐに食器洗いをしないときは水に浸けておくようにしましょう。汚れが落ちやすくなり節水につながります。可能であれば、節水タイプの水栓に交換したり、食器洗い(乾燥)機を使ったりするのもおすすめです。

手洗いの場合と食器洗い(乾燥)機の給水接続タイプ・標準モードを使った場合を比較すると、年間36.65立方メートルの水を節約できます。水道代の代わりに電気代はかかりますが、それでも約8,140円の節約が可能です。(※)

※手洗い、食器洗い乾燥機ともに1日2回行った場合

出典:家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬|資源エネルギー庁

まとめ

2020年の家計調査では、1人暮らしで月にかかる水道代の平均は2,172円という結果でした。水道料金には地域差があり、北海道・東北地方では平均値よりも高めの傾向です。

ただし、どの地域でも使うほどに単価が上がる料金体系であることは変わりません。水道代を節約するには、普段から節水を心がけることが大切です。こまめな止水を意識するだけでも、水道代はかなり違ってくるでしょう。本記事で紹介した節水方法もあわせ、ぜひ今日から実践してみてください。

(最終更新日:2022.01.21)
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