1人暮らしの水道光熱費は毎月いくらかかるのでしょうか。今回は、地域別・年代別に1人暮らしの水道光熱費を紹介します。水道光熱費を節約する方法に加え、家計全体を考えた節約術も紹介しますので、現在1人暮らしをしている人だけでなく、これから1人暮らしを始める人もぜひ参考にしてください。
1人暮らしの水道光熱費はどのくらい?
総務省統計局が公表している家計調査のデータによると、単身世帯の2020年の水道光熱費は全国平均で月1万1,686円となっています。ただし、水道光熱費は地域や年代によっても差が見られます。ここでは、地域別・年代別の水道光熱費を紹介しますので、自分が該当する地域や年代の金額と比較してみてください。
地域別の水道光熱費
下表の2020年家計調査(家計収支編)によると、1人暮らし世帯の都市階級別の水道光熱費は、1ヶ月あたり大都市で1万873円、中都市で1万2,424円、小都市・町村で1万2,229円でした。この結果から、中小都市や町村よりも、大都市のほうが水道光熱費は安い傾向にあることがわかります。
さらに、地方別に見ると、北海道・東北地方は全国で最も水道光熱費が高い地域で、月平均1万5,000円を超えています。そのほかの地方は、1万~1万1,000円台に収まっていてほぼ横並びです。
北海道・東北地方は、特に電気代とその他の光熱費が突出しています。水道光熱費がほかの地域より高いのは、寒い地方ならではの冬の暖房器具の使用によるものと考えられます。
年代別の水道光熱費
水道光熱費を年代別にみると、34歳以下の単身世帯では水道光熱費が安いことがわかります。一方で、60歳以上の単身世帯では水道光熱費が高い傾向があります。
34歳以下の単身者には、1人暮らしの学生も含まれます。学生の場合、学業やアルバイトなどで忙しいかもしれません。社会人もフルタイム勤務の人が大半で、習い事や趣味の集まり、友人との食事などで出かける人も多いでしょう。なかには家には寝に帰るだけという人もいるかもしれません。
現役世代の若者のほうが家にいない時間は多く、外で食事を済ませているのであれば、そのぶん水道光熱費が安いのも頷けます。水道光熱費は、在宅時間や自炊の頻度に関係していると考えられます。
水道光熱費を節約するには?
水道光熱費を下げたい方は、普段の電気、ガス、水道の使い方や契約を見直してみましょう。ほんの少しの手間で、以降の水道光熱費の節約につながる可能性があります。
電気代を節約するコツ
節電すれば電気代が安くなると知ってはいても、なかなか実行に移せない人もいるでしょう。使っていない家電の電源や照明のスイッチなどは、こまめに切る癖をつけましょう。
炊飯ジャーや電気ポット、暖房便座などは、節電機能があるのを知らないまま使っている人がいるようです。取扱説明書を確認して、節電モードで使用することをおすすめします。
エアコンは温め過ぎたり冷やし過ぎたりしないよう、適切な温度に調節することも大切です。たとえば、外気温度が31度のとき、2.2KWのエアコンの冷房設定温度を27度から28度にした場合、年間で30.24 kWhの省エネになり、約820円節約できます(1日9時間使用した場合)。
外出時や就寝時のエアコンの消し忘れが多い人は、切タイマーを活用しましょう。消費電力の多い冷蔵庫やエアコンを長く使っているなら、省エネ家電に買い換えるのも効果的です。
電力会社ではさまざまな料金プランを用意しています。時間帯によって単価が異なるプランなら、自分のライフスタイルに合わせて、電気をたくさん使う時間帯の電気代が安いプランに切り替える方法もあります。
ガス代を節約するコツ
ガス代の節約にはガスの使用量を少なくする必要がありますが、具体的には何をすればよいのでしょうか。
たとえば、入浴時にシャワーを勢いよく流しっぱなしにしていると、たくさんの水をお湯にするためにかなりのガスを消費します。シャワーのお湯をムダにせず、必要なときだけ使いましょう。たとえば、シャワーで45度のお湯を流す時間を1分間短くすると、年間でガス 12.73立方メートルの省エネになり、ガス代約2,180円を節約できます。
食器を温水で洗うときも、まとめ洗いをしてなるべくお湯を流す時間を短縮できるよう工夫してみてください。料理の下ごしらえや野菜の下茹でなどは、ガスよりも電子レンジのほうが時間の短縮になり光熱費も安上がりです。
電気やガスは現在の契約を見直し、電気とガス、あるいは通信費などとの割引セットプランに変更することで安くできる可能性があります。ポイント還元や定額制サービスなど、自分に合ったプランを検討してみてください。
水道代を節約するコツ
2021年現在、水道事業は民営化していないため、今の契約を変更することはできません。水道代を節約したいなら節水を心がけることが大切です。
1人暮らしでは浴槽にお湯を溜めるよりも、シャワーだけにしたほうが節水になります。シャワーヘッドは節水タイプで止水スイッチのあるものを使えばさらに水量が減らせるでしょう。お風呂の残り湯は風呂水ポンプで洗濯に使用するか、掃除などに使えばムダになりません。
キッチンの水道の蛇口も、節水機能のあるものに交換することで使用量を減らせます。また、食器は洗い桶でため洗いにすれば使う水が少量で済みます。
洗濯も、お風呂の残り湯を利用して、最後のすすぎだけ水道水を使えば節水になり洗い上がりもきれいです。洗濯物は少量で洗わずにある程度まとめて洗ったほうが節水になります。たとえば、容量6kgの洗濯機で4割の洗濯物を洗うよりも、8割の洗濯物を入れて洗濯回数を半分にしたほうが、年間で16.75立方メートルの水を節約できます。水道代約3,820 円の節約が可能です。
家計全体を考えた節約術を紹介!
1人暮らしの家計をできるだけ節約したいときは、水道光熱費だけでなく、家計全体の収支を考えたうえで対策することが重要です。どのような方法で節約が可能か考えてみましょう。
全体の収支を把握する
まずは、毎月何にいくら使っているのかを把握することが大切です。クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を併用すると、全体でいくら使ったかが把握しづらくなります。大雑把でいいので、食費、外食費、家賃、水道光熱費、通信費、交際費など、主な支出をカテゴリーで分けて集計しましょう。
毎月の収支がわかれば、節約するべきポイントが見えてきます。収入に対する支出を、項目ごとに予算を決めて管理することをおすすめします。スマホで簡単に付けられる家計簿アプリなどを利用してもよいでしょう。
予算を上回りそうな支出があれば、その後の支出を抑えるか、ほかの費目と調整するなどして家計全体の支出が予算の範囲内に収まるようにしてください。
なるべく自炊をする
1人暮らしだと、外食をしたりスーパーやコンビニでお弁当やお惣菜を買ったりすることもあるでしょう。自炊をしても、1人分だけ作るのはかえって高くついてしまうのではと思う人もいるかもしれません。しかし、工夫をすれば自炊のほうが安くなる可能性があります。
たとえば、食材を買って何食分かをまとめて作り置きすれば、食費が節約でき、毎回の料理の手間もかかりません。煮込み料理は時間もガス代もかかるため、電子レンジを活用して光熱費を抑えましょう。
電子レンジで簡単に作れる時短料理もネットでレシピがたくさん紹介されています。冷蔵や冷凍で保存できるものもあるため、何種類かの料理を作り置きしておけば、毎回の食事にバリエーションが出ます。食費と外食費の節約もできますよ。
食材や日用品はまとめ買いをする
食材は、安売りのチラシなどを見て、あらかじめ献立を決めてから必要なものだけを買うようにすると、使いきれずに余って処分することもありません。
日用品は、インターネットでまとめ買いすると割引になることがあります。重たいものや備蓄しておきたいものを購入したいときなど、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。消耗品の在庫を把握して、安いときに計画的に買うことで節約につながります。
必要なものだけをまとめ買いして、買い物に出かける回数を少なくすれば、衝動買いを防げるでしょう。
まとめ
1人暮らしの水道光熱費は、全国平均で月1万1,686円、都市部や若い世代のほうが安い傾向があることがわかりました。電気やガスは、自分に合った会社のプランを選ぶことで料金を安く抑えられる可能性があります。1人暮らしの生活費を抑えたいなら、水道光熱費だけでなく家計全体を見て、収支のバランスを考えたうえで計画的に節約することをおすすめします。
(最終更新日:2022.01.21)