1人暮らしの電気代は平均どのくらい? 季節や地域による電気代の変化は?

1人暮らしの電気代はどれくらいかかるのでしょうか。電気代を安くすると生活のコストも下げられるため、電気代はなるべく安く抑えたいですね。そのためにも、1人暮らしの平均的な電気代がいくらくらいなのか把握しておくことが大切です。

今回は、電気代の年間平均や、季節や地域による電気代の変化について解説します。さらに、電気代を安く抑えるための物件選びや電力会社選び、生活でできる工夫なども紹介するので、参考にしてください。

1人暮らしの電気代はどのくらいかかる?

1人暮らしの電気代は、平均でどれくらいかかるのでしょうか。ここでは、総務省統計局が公表している単身世帯のデータをもとに、電気代の年間平均や季節ごとの変化について解説していきます。

電気代の年間平均は?

総務省統計局のデータによると、2020年の単身世帯の1ヶ月あたりの電気代は、平均で5,791円となっています。また、2020年の二人世帯以上の1ヶ月あたりの電気代は、平均で1万671円です。

二人以上世帯の平均世帯人員は2.95人なので、「二人世帯以上」の電気代を世帯人数で割ると、1人あたりの電気代は約3,617円(※)となり、単身世帯よりもかなり安くなります。

※「1万671円(1ヶ月あたりの電気代)÷2.95人(世帯人員)」で計算

電気代には基本料金がかかる場合が多く、「1人あたりの電気代」は1人暮らしの場合よりも、二人以上世帯のほうが安くなる傾向があります。

電気代の季節ごとの変化は?

電気代は年間通して一定ではなく、季節によって変動します。特に暑い季節、寒い季節はエアコンなどの冷暖房器具を使う頻度が高まるため、電気代が高くなる傾向にあります。

四半期ごとのデータは以下となっており、暖房器具を多く使う1~3月の電気代が最も高くなっています。

電気代の季節ごとの変化
出典:家計調査|総務省統計局(2020年)

冬の電気代が高い理由は、設定温度と外気温度の温度差です。この温度差が大きい場合、消費電力が大きくなり、電気代も高くなります。

たとえば、夏の外気温が32度、エアコンの設定温度が27度の場合は、温度差は5度となります。冬の場合は、たとえば外気温が1度、設定温度が20度であれば、温度差は19度となります。このように、夏よりも冬の温度差のほうが大きくなりやすいことから、電気代も多くかかると考えられます。

電気代は地域によっても変わる?

電気代は季節だけでなく、地域によっても違いがあります。1人暮らしの地方別の電気代を以下のようにまとめました。

電気代は地域によっても変わる
出典:家計調査|総務省統計局(2020年)

冬の気温が低い北海道や東北地方は暖房器具を長く使うと考えられるため、他の地域に比べて電気代が高くなる傾向があります。

住んでいる地域の電気代と自分の電気代を比較し、もしも超えているようであれば電気代の節約を考えましょう。こまめに電気を消したり、LED電球に変えたりするなどして、電気代を節約してみましょう。

電気代が節約できる物件選びとは?

これから1人暮らしを始める場合、省エネに優れた物件に住むことで、電気代を節約できる可能性があります。ここでは、電気代を節約できる物件選びや、確認すべきポイントについて紹介します。

建物の省エネ性能をチェックする

電気代が節約できる物件を探すときには、まず建物の省エネ性能を確認することが大切です。近年は戸建てだけでなく賃貸住宅でも省エネ化の動きが広がっているため、電気代が安くなるような物件も探しやすくなっています。

たとえば、窓や壁などの断熱性が高い住宅であれば外気の影響を受けにくいため、電気代を節約できる可能性があるでしょう。また、木造よりも鉄筋コンクリート造のほうが、気密性が高くなるため、やはり電気代を抑えやすくなっています。

ただし、省エネ性能が高い住宅は家賃も高い傾向があります。省エネ住宅ということで割高になる家賃分と、節約できる電気代を比較し、総合的に考えて判断するようにしましょう。

日当たりのよい物件を選ぶ

冬は外気と室内の温度差が大きいため電気代が高くなるという特徴がありますが、日当たりのよい物件であれば室内も暖かくなるため、電気代を抑えられる可能性があります。冬の電気代は一年を通して一番高くなることから、冬の電気代を抑えられるとより効果的です。

また、日当たりがよいと洗濯物も乾きやすいため、洗濯乾燥機の使用頻度も少なくできます。日当たりで物件選びをするのであれば、南向きの物件がおすすめです。また、周りに日光をさえぎるような建物がないかも同時に確認しましょう。

料金プランや電力会社の見直しも検討!

電気代は電力会社の選び方や料金プランによっても変わってきます。ここでは、電気代を節約するための料金プランの選び方や電力会社の見直しについて、詳しく解説します。

ライフスタイルに合った料金プランを選ぶ

同じ電力会社であっても電気料金は一律同じではなく、料金プランによって異なります。電気料金のプランを選ぶ際には「電気の使用量が多い」「夜に多く使用する」など、自分のライフスタイルを考慮することが大切です。

たとえば、東京電力エナジーパートナーなら、電気の使用量が多い場合は一定額まで定額になる「プレミアムS/L」、日中は留守にすることが多く夜の電気使用量が多い場合は「夜トクプラン」などがあるため、自分の生活パターンに合ったプランを選択できます。

どの電力会社でも複数のプランが用意されているので、自分に合ったプランを探してみましょう。

お得な電力会社を選ぶ

電気代を節約するには、安い電力会社を選ぶことも効果的です。近年は電力自由化によりさまざまな電力会社が登場しているため、既存の電力会社から、新しい電力会社に切り替えて電気料金を安くできる可能性があります。

特に、基本料金や電気単価は電力会社によって異なります。また、セット割やポイント付与など、さまざまなサービスを提供している電力会社も多くあります。電力会社を選ぶときには「基本料金」「電気単価」「お得なプラン」を総合的に検討しましょう。

電気代を節約するために工夫できること

電気代を節約するためには、日頃から節電を心がけることが大切です。ここでは、電気代を節約する3つのポイントを詳しく紹介するので、日々の生活に活かしてみてください。

エアコンを自動運転にする

電気を多く消費する家電として「エアコン」が挙げられます。エアコンの消費電力を抑えつつ、室内を快適な温度に保つためには、自動運転がおすすめです。自動運転にすると、室内が設定温度になるまでは最大運転をし、設定温度になったら自動的に弱い運転になるため、無駄な電力を使わずにすみます。

また、室内全体を快適な温度にするためには「サーキュレーター」の利用も効果的です。サーキュレーターは風を起こして室内の冷気や暖気をうまく循環させ、室内を効率よく温めたり冷やしたりできるため、電力消費を抑えられるでしょう。

省エネ効果の高いカーテンにする

省エネ効果の高いカーテンを使うのも、電気代節約のために効果的です。特に、遮熱断熱効果がある省エネカーテンを使うと、夏は外の熱を遮るため冷房の使用頻度を減らせます。また、冬は室内の暖気を外に逃がさなかったり、外の冷気を遮断したりするため、消費電力を抑えながら室内の温度を快適に保つことができます。

このように、省エネ効果の高いカーテンは節電につながるので、積極的に取り入れるようにしましょう。

省エネ家電を選ぶ

電気代を安くするためには、省エネ家電もおすすめです。特に、近年は省エネ志向が高まっていて、エアコンや冷蔵庫、洗濯機など多くの省エネ家電が登場しています。

省エネ家電にすると、消費する電力量に大きな違いが出ます。たとえば、2007年製の冷蔵庫の消費電力は570~640kWhであるのに対し、2017年製は290~390kWhとなっており、消費電力が大幅に低くなっていることがわかります。毎日電気を使う冷蔵庫のような家電を省エネタイプにすれば、電気代をかなり節約できます。

わざわざ省エネ家電に買い替えるのは大変ですが、電気製品の寿命などで買い替えるときには、省エネ性能が充実したものを選ぶとよいでしょう。

まとめ

1人暮らしの電気代は、1ヶ月あたり平均で5,791円となっており、二人以上世帯に比べて1人あたりの電気代が高い傾向にあります。電気代を節約するには、省エネ効果が高い賃貸物件を選んだり、料金プランや電力会社を見直したりするのが効果的です。また、省エネ家電を利用したり、カーテンを変えたりするというような工夫でも電気代を抑えることができるので、ぜひ実践してみてください。

(最終更新日:2022.01.18)
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