1人暮らしを始めるために必要な初期費用いくら? 費用を抑えるコツも紹介

進学や就職をきっかけに1人暮らしを始める人も多いでしょう。1人暮らしにはどのくらいの初期費用が必要なのか、また毎月の生活費はどのくらいかかるのでしょうか。安心して1人暮らしが始められるよう、あらかじめ心づもりしておきたいですね。今回は、1人暮らしに必要な初期費用や毎月かかる費用について紹介します。

1人暮らしを始めるための初期費用は?

1人暮らしを始めるためには、まとまったお金を一度に支払う必要があります。ここでは、初期費用の内訳と目安の金額を紹介します。

賃貸契約に必要な費用

1人暮らしでは、アパートやマンションの賃貸物件を契約する人が多いでしょう。不動産仲介会社で契約する場合は、毎月の家賃以外に、契約時に以下のような費用を支払う必要があります。

・敷金

家賃の1~2ヶ月分が相場。学生向け物件は不要なところも。大家さんが預かり、退去時の原状回復や家賃の不払い等にあて、残額は返金されます。

・礼金

家賃の1~2ヶ月分が相場。大家さんへのお礼として支払います。

・前家賃

家賃の1ヶ月分が相場。家賃は前払いで支払います。

・仲介手数料

家賃の0.5~1ヶ月分+消費税が相場。不動産仲介会社に支払う手数料で、上限は家賃1ヶ月分と法律で決められています。

・火災保険料

5,000円~1.5万円程度が相場。火災や盗難、水漏れなどに備える損害保険です。
保証料:(家賃+共益費)×0.5~1ヶ月分が相場。家賃保証会社との契約が必要な場合に支払います。

引っ越し代にかかる費用

引っ越し料金は、荷物の量や移動距離、引っ越しの時期によってかなり相場が変わります。引っ越しが多くなる年度替わりの3月から4月中旬は引っ越し業者の繁忙期にあたり、通常の引っ越し料金の1.5倍から2倍にも値上がりします。

引っ越し代
出典:引越し定点調査|株式会社エイチーム引越し侍

また、エリア別で見ると1人暮らしの引っ越し料金に若干の違いが見られますが、概ね4万円から6万円台が目安です。

エリア別引っ越し代
出典:引越し定点調査|株式会社エイチーム引越し侍

家具や家電の購入費用

1人暮らしの部屋にはどのような家具や家電を置いたらいいのでしょうか。不自由なく生活するために、次に紹介する家具や家電を揃えるケースが多いようです。

【1人暮らしで揃える家具】
・ベッド
・テーブル
・椅子
・デスク
・ソファ
・収納家具
・カーテン
・ラグやカーペット

ベッドやテーブル、デスク、ソファなどは安いものなら1万円台から購入できます。ただし、1人暮らしを始めるときにベッドの質にこだわる人も多いようです。ネット通販などでは、組み立て式の家具が安く購入できます。雨戸やシャッターがあれば、厚手のカーテンは必要ないでしょう。カーテン、ラグ、カーペットは1万円以下で買えるものも多くあります。

【1人暮らしで揃える家電】
・冷蔵庫:1ドアなら1万円台から

・洗濯機:4.5kgなら2万円くらいから

・テレビ:安いものなら1万円台から

・炊飯器:3合炊きなら5,000円くらいから

・電子レンジ:安いものなら5,000円くらいから

・電気ケトル:1リットルなら1,000円くらいから

・ガスコンロ:2口コンパクトサイズで2万円くらいから

・エアコン:6畳用なら3万円台から

・照明:6畳用なら2,000円台から

・掃除機:安いものなら1万円台から

1人暮らし向けの物件なら、エアコンやIHコンロが備え付けられているところもあります。コンロは、都市ガスとプロパンガスで対応する機器が違うため注意しましょう。少なくとも電子レンジは、ないと不便です。ほかには、必要に応じてドライヤー、アイロン、Wi-Fiルーター、オーブントースター、扇風機などがあるとよいでしょう。

1人暮らしの初期費用を抑えるには?

1人暮らしを始めるには、何かとお金がかかるものです。特に、生活の基盤がある程度整うまでにはかなりの出費がかさむでしょう。最初の大きな出費が、賃貸物件の契約時の初期費用です。まずは物件が決まらないことには、引っ越しも、家具や家電の購入計画も進みません。

ここでは、賃貸物件契約時、引っ越し、家具や家電などそれぞれの費用を抑えるコツを紹介します。

初期費用が安い物件を選ぶ

賃貸物件の初期費用をなるべく抑えたいときは、敷金や礼金、仲介手数料が無料の物件を選ぶのも一つの方法です。ただし、敷金は無料でも、退去時に原状回復費用を請求されることがあります。最初に預けるか後で払うかの違いですが、多額の初期費用を準備せずにすみます。

また、物件数は少ないものの、一定期間の家賃が無料になるフリーレントの物件を選ぶ方法もあります。フリーレントは長く空室になることを避けたい大家さんがとる手法です。ただし、短期間だけ入居して賃貸契約を解約すると違約金が発生する場合があります。契約内容をよく確認することが大切です。

閑散期に引っ越しをする

引っ越しの時期を選べるのであれば、6・8月の閑散期を狙うのがおすすめです。梅雨や暑い時期は引っ越しを避ける傾向があるため、他の月よりも値引き幅が大きくなります。

一方、2~4月は引っ越しが多いため料金が高くなります。少しでも安くしたいなら、週末よりも平日、大安や友引以外、午前便よりも時間指定しないフリー便などを選べば、引っ越し料金を節約できるでしょう。

家具や家電を中古で購入する

単身赴任や学生が一時的に1人暮らしをする場合は、家具や家電を揃えても、自宅に戻るときには不要になることがほとんどです。それなら、家具や家電をリサイクルショップやフリマアプリを利用して安く購入するのがおすすめです。本格的に1人暮らしを始める人も、家具や家電にお金をかけたくない人は中古も選択肢に入れましょう。

新古品や展示品などの未使用品や、かなり状態の良いものが見つかることもあります。中古の家具は、傷みやぐらつきがないかを確認しましょう。中古の家電を購入するときは、動作保証や保証書が付いているものが安心です。

1人暮らしにかかる毎月の費用の目安は?

実際に1人暮らしを始めると、毎月どのくらいの費用がかかるのかイメージしにくいかもしれません。ここでは、賃貸に住む1人暮らし世帯の平均家計支出や、毎月の支出を抑えるコツについて紹介します。

単身世帯の平均家計収支

2020年の家計調査によると、アパートやマンションなどの賃貸住宅を借りて1人暮らしをしている人の全国平均の支出は月17万円ほどです。家賃がかかる分、毎月の支出が多めになっています。ただし、数値はあくまでも幅広い年齢層を対象とした平均値なので、もっと支出を節約することは可能です。次に、これらの支出を節約するコツを紹介します。

単身世帯の平均家計収支
出典:家計調査|総務省統計局(2020年)

毎月の費用を抑えるコツ

1人暮らしで自炊をしていないなら、外食を減らしてなるべく自炊することをおすすめします。まとめて作り置きすることで、食材が無駄にならず1食あたりの費用が抑えられます。また、電気やガス、水道の無駄遣いを減らし、水道光熱費を節約するよう意識しましょう。

固定支出を抑えたいなら、駅チカ・築浅の物件を避けることで、家賃が安くなり初期費用や更新料なども節約できます。ただし、選ぶ物件によっては交通費や光熱費が余計にかかる可能性もあるため、トータルで考えて検討する必要があります。

まとめ

1人暮らしを始めるためにかかる初期費用として、賃貸物件の契約時に家賃の4.5~5ヶ月分の費用がかかります。そのほかに、引っ越し代や家電の購入費用もかかります。毎月の収入に見合った生活費となるよう、支出計画を立て、節約できる部分はなるべく削りましょう。そのためには、なるべく家賃の安い物件を借りる、食費や水道光熱費を節約するなどの工夫が必要です。

(最終更新日:2022.01.04)
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