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物件選びの基準のひとつとして、「築年数」を重視する人も多いのではないだろうか。一般的には築年数が新しいほどきれいで、設備も最新の物がそろっているイメージだが、一方で新しい物件ほど家賃も高くなる傾向にある。
ただ、築年数が新しいからといって必ずしも良い物件ではないといえるため、注意したいところ。反対に、築年数が古い物件でも、快適に住める部屋はたくさんある。
そこで今回は、部屋選びにあたって押さえておきたい賃貸物件の築年数について紹介したい。築年数から物件のどのような情報が得られるのか、また築年数が古くても良質な物件の見分け方についても見ていこう。
築年数によって何が変わる?
基本的に、築年数が古いほど建物や設備が劣化する傾向にあり、家賃も安くなっていく。ただし、築年数から判断できるのはそれだけではない上に、物件のタイプによっては同じ築年数でも劣化の度合いが変わってくるという点も踏まえて判断したい。では、築年数によってわかることについて細かく見ていこう。
・築年数から耐震基準を見分ける
もしものときのためにも、地震時の建物の安全性は重視したいポイント。耐震基準は過去の大地震の度に改正されており、1981年6月1日には「新耐震基準」へと改正が行われた。その際、「震度6~7でも倒壊しないこと」という基準が設けられている。
つまり、賃貸アパートやマンションの築年数を確認する場合は、「1981年6月1日以降に建築確認を受けているかどうか」という点に着目してみると、ひとつの判断基準にできるだろう。
・同じ築年数でも、アパートとマンションで劣化の度合いは変わる
築年数による建物の劣化は、その建物のタイプから判断することも大切。一般的に、アパートとは「木造」や「軽量鉄骨造」の、2~3階建ての建物のことをいう。一方、マンションとは「鉄筋コンクリート造」や「鉄骨鉄筋コンクリート造」で、3階建て以上の建物のことだ。
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションのほうが、アパートよりも頑丈とされている。つまり、「木造アパートで築25年」と、「鉄筋コンクリート造で築25年」となると、同じ築年数でも実際は頑丈さや古さが変わってくるのだ。単に数字だけで判断するのではなく、建物の造りにも注目してみよう。
築年数が古い物件のメリット・デメリットとは?
最近は築年数が古くても、リノベーションによって設備などが一新され、加えてきれいさやおしゃれさが新築に劣らない物件が多く登場しており、「築年数が古い=あまり良くない物件」と一概にはいえなくなってきている。築年数が古い物件のメリットとデメリットは次のようなものだ。
・築年数が古い物件のメリット
築年数が古い物件のメリットとしては、家賃が安いことに加えて、選択肢の多さやリノベーション、リフォーム物件の登場などが挙げられる。
<家賃が安い>
築年数が古いほど、家賃は安くなる傾向にある。築年数10年で約1割、20年で約2割家賃が下がっていくといわれているが、10年ほどであれば、設備もまだまだ新築と劣らない物件は少なくない。
<新築や築浅物件よりも探しやすい>
築年数が新しい物件のほうが、古い物件よりも人気は高い。そのため、築年数の古い物件は空室も多く、探しやすくなる。古めの物件も選択肢に含めることで、より豊富な物件から部屋選びができるだろう。
<リフォームやリノベーション物件なら新築並みにきれいな物件も>
築年数が古い物件に対して、リフォームやリノベーションを行うケースが増えつつある。このタイプの物件であれば、新築に劣らない部屋のきれいさや設備に加えて、家賃は新築や築年数の浅い物件よりも安く設定されているという魅力も。リノベーション物件も視野に入れてみることで、お得に良い物件を見つけられる可能性は高い。
築年数が古い物件のデメリット
築年数の古い物件のデメリットとしては、やはり新築ほど設備面が充実しているところは少ないという点と、物件によっては建物の頑丈さが不安なことが挙げられる。
<設備面では新築に劣りがち>
新築物件の場合、温水洗浄便座や浴室乾燥機などの設備が備わっているところも多い一方で、築年数の古い物件には、このような設備がついていないケースがほとんど。設備面の充実度でいうと、どうしても新築とは差がついてしまうため、家賃とのバランスを考慮しつつ判断する必要がありそうだ。
<耐震性や建物の強度が不安なことも>
前述のとおり、1981年6月1日以降に建築確認を受けていない建物は「旧耐震基準」の物件であるため、耐震性には不安が残る。築年数が古い物件から選ぶとしても、新耐震基準を満たしている物件か、耐震リフォームを施されている物件を選んだほうがいいだろう。
新築物件にもデメリットはある!
新築や築年数の浅い物件となると、家賃面のハードルさえクリアすればデメリットはないイメージだが、意外なデメリットがあるため注意したい。というのも、新しい物件ならではの「過去に誰も住んだことがない、または住んだ人が少ない」という特徴が、弱点となるケースがあるためだ。
こうした過去の入居者がいない、または少ない新築物件は、実際に住んでみてから設備の不具合や周辺環境の悪さが判明する可能性が考えられる。新築の場合、住んでみないと得られない情報がある、という点は押さえておこう。
築年数が古くても良質な物件の見分け方
最後に、内見などで実際に物件を訪れたときにチェックしたい、築年数が古くても快適に暮らせる物件を見分けるポイントについて紹介したい。サイトや紙面からの情報だけで判断せず、必ず足を運んで物件の状態を確認しよう。
・築年数よりもメンテナンス体制をチェックする
築年数が古くても、メンテナンスが行き届いていれば、新築や築浅物件に劣らない快適さと設備を利用できるはず。反対に、メンテナンス不良の物件は、築年数を問わずすぐに汚くなり、設備不良も起こしやすい。
内見時は、メンテナンスが行き届いているか、また室内に傷や汚れが放置されていないかをチェックしよう。床のきしみ具合や水回りの清潔感、キッチンや風呂場の蛇口から清潔な水がすぐに出るかといった点は、特に確認しておきたいところだ。
・エントランスからも管理の行き届き具合がわかる
管理の行き届き具合は、物件のエントランスからも判断できる。掃除が行き届いていれば、オーナーや管理会社の管理がきちんとしていると考えていいだろう。
反対に、ゴミやチラシが散乱していたり、集合ポストがさびていたりする物件は、管理がずさんである可能性が高く、部屋のメンテナンス具合もあまり期待できないかもしれない。
築年数が古くても快適に暮らせる物件を探してみよう
築年数が古いとしても、建物のきれいさや設備については、リノベーションを施す物件も増えているため、実は賃貸の築年数はさほど重要ではないといえる。家賃が新築よりも安く設定されているのであれば、新築や築浅物件と同様の快適さで暮らせる部屋を、お得に借りられるチャンスもあるだろう。
部屋探しの際は、築年数の古い物件についてもある程度視野に入れつつ探してみてはいかがだろうか。
※この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleの記事を一部編集、転載しています。
(最終更新日:2021.12.06)