「楽しみながら生活を豊かに」をコンセプトのウェブマガジン『REISM STYLE』より、生活の中のさりげないワンシーンやアイテムを通して自己表現できる、とっておきの楽しみ方をご紹介いたします。
在宅ワークがスタンダードになってきた昨今、「家の中で仕事に集中できない」「仕事と生活のスペースを分けられない」「すぐに散らかってしまう」といった悩みが多く聞こえてくるようになった。
オフィスにいるときと同じように仕事をこなすには、環境づくりが大切。デスク周りの整理・収納や、仕事に集中しやすい環境づくりのコツを、片づけの専門家・香村薫さんに紹介してもらった。
デスク周りを整理整頓するための4つのステップ
在宅ワークで一番難しいのが、集中力をキープすること。例えば、企画書の作成中に「あの書類はどこに置いたかな?」など、脳の切り替えが行われると、集中力が切れやすくなります。
集中しやすい環境を作るための最も簡単な方法は、探し物や、ほかの物への目移りを減らすこと。次の4つのステップを参考にして、デスク周りを整理整頓していきましょう。
ステップ1 よく使う物を厳選する
仕事中によく使う文房具は、余計なことを考えずに、サッと取り出せるようにしておきたいもの。そのためにも、一度すべてのペンや付箋紙、クリップなどをデスクの上に出し、その中からよく使う文房具を「一軍」として厳選しましょう。あまり使わない文房具や、ストックとして買った文房具は「二軍」として分けておきます。
ペンを例に挙げると、私はパイロットの「ハイテックCコレト 1000」をよく使います。4色ペンなのにスリムで持ちやすく、黒・赤などのゲルインキボールペンに加えて、シャープペンシルや消しゴムなどのレフィルをセットすることもできます。このペンを使い始めてから、ペンをたくさん持つ必要がなくなりました。
ステップ2 収納グッズは半透明の物を選ぶ
収納グッズは、中身がわかる「半透明タイプ」がおすすめです。我が家では、100円ショップで販売されている、重ねられるタイプの収納グッズを使っています。
「一軍」の文房具は手に取りやすい上の段にゆったりと収納し、「二軍」の文房具はまとめて下の段に入れておきます。こうすることで、下の段にストックがなくなってから次を購入するようになるため、二度買いも防ぐことができます。
ステップ3 紙類を減らす
文房具の整理が終わったら、紙類を減らしましょう。部屋の中に紙類が多いと、部屋全体が雑然として見えますし、仕事への意欲も低下してしまいます。
在宅ワークの場合、新聞やチラシ類、公共料金の払込票などを、仕事で使う書類といっしょにデスクに積み重ねている人も多いでしょう。たまたま目についた書類を手に取り、「これは何だっけ?」と文字を追っているうちに、元々進めていた業務のことが頭から消えてしまい、集中力が切れてしまいます。
我が家では、紙類は毎日夕方(郵便物が配達される時間帯)の10分間で読み、「読み終えた物は積み重ねておかずに処分する」というルールを決めています。どうしても手放せない紙類は、スマートフォンで写真を撮ってから捨てるか、対応する日を決めて付箋を貼り、ファイルボックスに入れておきます。
ステップ4 電源ケーブルはボックスに入れて収納
デスク周りが雑然として見える原因のひとつに、「電源ケーブルの乱れ」があります。ノートPCやモニター、プリンターなど、使用する機器が多いほど、電源ケーブルも乱れがちになりますよね。
仕事で使う機器の電源ケーブルは電源タップに挿して、キャスターつきのボックスに入れておくのがおすすめです。これなら、デスク周りがすっきり見えますし、電源タップをコンセントに挿すだけで、あっという間に仕事が始められます。
持ち運びが必要な書類は専用のバッグに収納する
「基本は在宅ワークだけど、週に一度は出社が必要」という人もいると思います。そんなときに困るのが、書類の持ち運び。「あの書類は会社?それとも家に持って帰った?」などと混乱してしまい、書類を探すだけで時間が過ぎていく…といった悩みをよく耳にします。
また、デスクの上に置いておくと、いつの間にかプライベートの書類と混在してしまうこともありますよね。
私自身も同じ悩みを持っていたのですが、専用のバッグを使うようになってから、そのような悩みがかなり改善されました。
私が愛用しているのは、コクヨが開発したモバイルバッグ「mo・baco up(モ・バコ アップ)」。コクヨの社員の方が、このバッグを持ってフリーアドレス制の社内を移動している様子を見学し、「このバッグは在宅ワークでも使えるのでは?」と感じて購入したものです。
モノトーンで主張しすぎないデザインのため、仕事中に目に入っても気が散りません。一般的なファイルボックスと同じサイズ感なので、棚に収納できる点もいいところです。
また、「このバッグに入るだけの書類しか持たない」と決めることで、紙類を整理する習慣がつきます。
家でも「仕事モード」に切り替えるためのひと工夫
1Kやワンルームの部屋で暮らしている場合、生活と仕事を同じ空間で行わなければなりません。「生活モード」から「仕事モード」への切り替えがうまくいかずに悩んでいる人は、自然とスイッチが入る仕組みづくりを意識しましょう。
我が家では、モードを切り替えるために、クローゼットの棚をデスクとして使っています。ダラダラしがちなときも、扉を開けておくことでPCや仕事の書類が目にとまり、「よし仕事をしよう!」という気持ちになります。また、仕事が終わった後は、扉を閉めるだけで生活モードへ切り替えることができます。
デスク周りをすっきりさせることが集中力キープのカギ
生産性を高めるために、デスク周りを整理整頓することが大切なのは、家でもオフィスでも同じ。文房具や書類はあらかじめ決めた場所に収納し、目に入る場所をすっきりした状態にしておくことが、集中力や意欲のアップにつながります。
また、在宅ワークの場合は、家電や生活用品など余計な物が目に入りやすく、それによって集中力が削がれてしまいます。デスクを壁際に設置したり、収納スペースを仕事場として使ったりするなど、仕事以外の物が目につかないように工夫しましょう。
<PROFILE>
香村薫さん(ミニマライフ.com)
愛知県岡崎市在住のライフオーガナイザー/片づけの専門家。2014年に片づけサポート業務のミニマライフ.comを開業。自宅で開催する「モノの減らし方講座」には、全国各地から受講者が集まり、片づけ出張サービスは予約が絶えない。2017年に初の著書「トヨタ式おうち片づけ」(実務教育出版)を、2018年には「トヨタ式超ラク家事」(実務教育出版)を出版。
※この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleの記事を一部編集、転載しています。