みなさんはマイナンバー制度の専用サイト「マイナポータル」をご存じでしょうか? 実は今年2021年10月20日から、マイナポータルで自分の医療費情報の確認ができるようになります。制度の概要と確定申告への影響を見てみます。
そもそもマイナポータルってどんなもの?
マイナポータルは、政府が運営するオンラインサービスです。行政機関からのお知らせを受け取る、行政機関に登録されている自分の情報をチェックする、自分の年金資格や年金受給額を確認する、その他、子育てや介護に関する手続きの申請に必要な書類を確認してオンラインで申請ができるなど、様々なことができる便利なサイトです。
マイナポータルにアクセスするためには、利用者登録が必要です。登録には、マイナンバーカード、パソコン、マイナンバーカード読取対応のICカードリーダーあるいはマイナンバーカード読取対応(NFC対応)のスマートフォンが必要となります。
マイナンバーカードが保険証として使える?
実は、現在、マイナンバーカードが健康保険証として利用できることをご存じでしょうか? 使い方は簡単で、医療機関や薬局の受付で顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置いて暗証番号を入力し、本人確認をするだけです。
ただし、現時点では、すべての医療機関や薬局で使えるわけではありません。2021年10月より本格始動し、順次利用できる機関を増やしていき、2023年3月末には概ね全ての医療機関等での導入を目指すとのことです。利用できる医療機関・薬局は厚生労働省のホームページでも確認できますが、以下のステッカーやポスターが目印です。最寄りの医療機関や薬局でチェックしてみてくださいね。
なお、カードリーダーを導入していない医療機関や薬局のほか、訪問看護ステーション、整骨院、接骨院、鍼灸院、あんま・マッサージ施術所では、これまでどおり健康保険証の提示が必要になるので要注意です。
マイナンバーカードを健康保険証として利用するには事前にマイナポータルでの申込みが必要です。ちなみに2021年9月26日時点で、マイナンバーカードの健康保険証利用に申込みをしている人は約534万人。結構たくさんの方がすでに登録しているようですね。
もし、マイナンバーカードを忘れて医療機関に行った場合には、従来の健康保険証できちんと保険診療を受けることができます。
参考:厚生労働省HPマイナンバーカードの保険証利用について(被保険者証利用について)
どんなメリットがある?
では、マイナンバーカードの健康保険証利用でどんなメリットがあるのでしょうか?
健康保険証を持たずにマイナンバーカードだけで保険診療を受けられるというのはもちろんですが、その他にもメリットがたくさんあります。
その1)マイナポータルで、特定診療や自分の薬剤情報を確認でき、かかりつけ医でなくても医療情報を共有できる(2021年10月からの予定)
マイナポータルで自身の特定健診(メタボ健診)の結果や、処方薬の利用履歴などの情報を確認できるようになります。
また、これは、本人の同意が必要ですが、初めて行った医療機関等でも今までに使っていた薬の情報や特定検診の情報をお医者さんや薬剤師の方と共有できます。旅行先や災害時に急に受診した場合でも情報が連携されるので、心強いですね。
その2)マイナポータルで、自分の医療費通知情報が見られる(2021年11月からの予定)
勤務先の会社など加入している医療保険者から発行される「医療費通知」をよく紛失する、という方には特に朗報です。年1回、加入者(被保険者・被扶養者)が医療機関に支払った医療費の額などが記載された「医療費通知」が届きますが、その通知情報をWEB上で見ることができるようになる予定です。
その3)確定申告の医療費控除がより簡単に!(2021年分所得税の確定申告からの予定)
マイナポータルを通して医療費通知情報を自動入力できるので、e-Tax(オンライン)と連携することで、簡単に医療費控除の申請ができるようになります。
そのほかにも、「限度額適用認定証※」を健康保険組合や市町村役場で発行してもらわなくても、高額療養費制度の限度額を超える窓口での医療費支払いが免除されるなど、手続き面も簡単になるようです。
※限度額適用認定証とは…入院・外来の場合ともに医療費が高額になる場合、「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に提示することで、医療機関への支払いが自己負担限度額までとなるものです。
申込方法は?
マイナンバーカードの健康保険証利用には事前に申込みが必要となりますが、申し込みはスマートフォンから簡単にできます。パソコンからも申し込みが可能ですが、マイナンバーカード読取対応のICカードリーダーが別途必要です。
事前に必要なものは2つだけ、(1)申込者本人のマイナンバーカード、(2)マイナンバーカード取得時に市区町村窓口で設定した4桁の暗証番号です。
すでにマイナンバーカードを作成した方は、4桁の暗証番号をチェックしておきましょう!
申し込み手続きは簡単です。まず、マイナポータル上のバーコードから「マイナポータルアプリ」をスマートフォンにインストールします。その後、手順通りに進んで、マイナンバーカードのコードを読み取れば完了です。事前にマイナンバーカードを作ることが必要ですし、マイナンバーカードの情報を読み取れる機能がついたスマートフォンが必要となります。
一部のコンビニでも申し込みが可能
なお、マイナンバーカード読取対応のスマートフォンを持っていない場合には、セブンイレブン内のセブン銀行のATMでも申し込みができます。利用の申込みには、マイナンバーカードと利用者証明用パスワード(4桁)が必要です。マイナンバーを取扱うことはありません。またATMの操作に健康保険証は不要です。
今後、徐々にマイナンバーカードで出来ることが増えていくことが予想されるので、まだマイナンバーカードを作っていない、という人はこれをきっかけに作ってみてもいいかもしれませんね。