コロナ禍により、私たちの生活にさまざまな変化が生じています。新たな行動のひとつとして「接触を控える」ことを意識する人が増え、キャッシュレス決済がより一層浸透。生活になくてはならないものとなりました。一方、コロナ禍による経済的な影響は大きく、将来の見通しは未だ不透明です。こうした状況下でどの程度、預貯金を貯めているのでしょうか。
キャッシュレス決済利用者の4割以上が「財布なしで出かけたことがある」
PayPay銀行株式会社が「コロナ禍のキャッシュレス決済利用と預貯金」に関する意識・実態調査を実施。普段の買い物や食事でのキャッシュレス決済の利用状況を20〜50代800名に聞いたところ、80.5%の人が「キャッシュレス決済を行うことがある」と回答しました。
また、「日常的にキャッシュレス決済を行うことがある」と回答した644名を対象に、財布を持たずにスマホやカードだけを持って出かけることがあるかを聞いたところ、43%の人が「ある」と回答。コロナ禍以前の2019年度に行った調査時の30%から10ポイント以上も上昇し、キャッシュレス決済がより日常に浸透していることがわかりました。
現金派は4割弱で、キャッシュレスの「安全性」や「使い過ぎ」を懸念
主に使用する決済方法について聞いたところ、キャッシュレス決済派は59.5%、現金派は39.6%でした。
現金派である理由については「現金が安心だから」が最も多く65.9%、次いで「キャッシュレスだと使い過ぎそうだから」が28.8%と回答が集中したことから、キャッシュレス決済の安全性や「便利過ぎること」を懸念している様子がうかがえます。
確かに現金は手元に現物があるため直感的な安心感がありますが、紛失や盗難に対して、有効な手立てがありません。一方、キャッシュレス決済は、カードであれば第三者による不正使用があった場合に備えて保険が付帯していますし、スマホ決済であればスマホ本体や決済アプリの認証解除を経なければ使用できないため、不正使用の心配が軽減できます。またキャッシュレス決済は使い過ぎを防ぐための使用限度額の設定や、家計簿アプリとの連携により収支の見える化が容易で、現金よりも浪費を抑制しやすい面があります。
キャッシュレス派は預貯金上手? 現金派より預貯金額が多い傾向
現金派の約3割が「キャッシュレスは使い過ぎそう」と回答していますが、そのイメージを覆す事実も、今回の調査で明らかになっています。
現在預貯金をしていると回答した人で、現金派とキャッシュレス派それぞれについて現在の預貯金額をみると、現金派の58.9%が「100万円未満」という結果に。金額帯ごとの割合はそれぞれ「100~200万円台」が17.8%、「300~500万円台」が10.9%、「600~900万円台」が1.6%、「1,000万円以上」が10.9%でした。
一方、キャッシュレス派の預貯金額は、「100万円未満」が34.4%、「100~200万円台」が20%、「300~500万円台」が18.8%、「600~900万円台」が7.1%、「1,000万円以上」が19.7%となり、現金派とキャッシュレス派を比べると、キャッシュレス派の方がより多くの預貯金があることがわかりました。
また、「老後資金としての目標預貯金額」についても現金派とキャッシュレス派とを比較し、両者で最多だった「1,000万円以上」という回答に着目。現金派は45.7%なのに対し、キャッシュレス派は60.8%となり、キャッシュレス派の預貯金計画に対する目標の高さがみられました。これらの結果から、預貯金に対する意識が高い人ほど、収支の管理・見える化がしやすいキャッシュレス決済を利用している傾向がみてとれます。
まとめ
キャッシュレス決済は便利な反面「無意識のうちにお金を使いこんでしまいそう」という印象を持っている人が多いかもしれません。しかし、今回の調査結果によると、むしろキャッシュレス派のほうが預貯金も、老後の目標預貯金額も多いことが分かりました。キャッシュレス決済を取り入れることに躊躇している人も、これを機にベストな支払方法を考えてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
「『コロナ禍のキャッシュレス決済利用と預貯金』に関する意識・実態調査」
調査対象:自身の「銀行口座」を持っている10~50代男女各500名、計1,000名
調査方法:インターネット調査
実施期間: 2021年6月24日~6月29日
実施機関: PayPay銀行株式会社
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:PayPay銀行株式会社