家族の食事の準備に加え、自身の身支度など何かと忙しい朝。“朝やらなくてもよい家事は夜に”という発想で、家事の負担を減らしてみませんか? 今回は、時短家事コーディネーター(R)Expertの森屋久美子さんに夜のうちに洗濯して干す“夜間干し”のやり方とメリットについて教えてもらいました。
“夜間干し”ってどんな干し方?
“夜間干し”とは文字通り、夜間に洗濯して干してしまうことです。入浴後から就寝までの間の時間を有効利用し、洗濯して干すところまで終わらせてしまいます。洗濯物を干すことは他の家事と同時に進行することが難しく、かかりきりになりがちです。夜のうちに干し終わっておけば、朝の家事の負担が減り、家事の時短に繋がります。また、夜間電力を使う料金プランを契約している場合は、夜に洗濯をすることで電気代の節約にも繋がります。
洗い方のポイント
日中に着た衣類などをその日のうちに洗えるのが、夜間干しの一番のメリットです。使用済みの衣類やタオルなどは、時間が経てば経つほど雑菌も繁殖しやすくなるためです。
洗濯時間を短くし、汚れを効率的に落とすためにおすすめなのが、入浴時の“予洗い”です。洗濯機に入れる前に、家族それぞれが浴室で自分の靴下やワイシャツの襟、袖口など汚れが目立つ個所をお風呂のお湯を使って部分洗いしておきます。お湯を使って部分洗いをすると汚れが落ちやすく、洗濯も“お急ぎモード”でOKなので、洗濯時間の短縮にもなります。
お風呂の残り湯を洗濯に使う場合も、夜間干しの場合は入浴後すぐの温かいお湯を使うことができます。洗濯用洗剤に含まれる酵素の力は36℃~37℃くらいが最も働くといわれており、残り湯が温かいうちに洗濯することは、洗剤の働きを高めるということにも繋がるのです。
干し方のポイント
夜間干しの場合は、基本的には部屋干しをおすすめします。屋外に干すと、寝ている間に突然の雨で濡れてしまう可能性もあります。また夜行性の虫が洗濯物に止まったり、卵を産み付けたりする場合もあります。さらに、夜に外干しをすると留守にしていると思われ、泥棒被害など防犯上のリスクも高くなります。こうした理由で室内干しがおすすめなのです。
部屋干しすると匂いが心配という人も多いですが、匂いの発生は濡れた洗濯物を長く放置していることも原因のひとつなので、脱水後にすぐ干せば匂いもあまり気にならないでしょう。
部屋干しには降り畳み式の洗濯スタンド、ハンガー、ピンチ付きハンガーなどがあれば便利です。トレーナーなど厚手の衣類は、乾きやすいように肩部分の幅が広くデザインされたハンガーなどを使うと良いでしょう。シャツはハンガーにかけ、軽くしわを伸ばしてから干します。タオルなどは干す前に軽く振りさばいておくと、ループが立ち上がりふんわりと仕上がります。洗濯物同士がくっつくのも匂いの発生する原因になるため、洗濯物の間隔は3㎝以上空けて風通しをよくしておきましょう。
どこに干すのがおすすめ?
夜間干しの場所は、家事動線が最短になるよう洗濯機がある場所の近くにするのがおすすめです。スペースに余裕がなければリビングや使っていない部屋などでもOK。除湿器やサーキュレーターなどを併用、活用するとより早く乾きます。
夜間干しで注意したい点は?
マンションなどで深夜に洗濯機を使うと、振動や音が気になる場合もあります。あまり時間が遅くならないよう注意しましょう。夜間干しは一般的な洗剤を使用してOKですが、どうしてもニオイが気になるという場合には、部屋干し専用の洗剤を使っても良いでしょう。
まとめ
朝は家族の食事の用意や身支度に加え、子どものいる家庭では通学の準備などもあり、主婦にとってはとても忙しい時間帯です。夜に洗濯を済ませておけば、慌ただしい朝の時間帯に手間のかかる洗濯をしなくてすみます。また、夜のうちに洗濯を済ませて浴槽の掃除までしておけば、翌日帰宅してすぐに夕飯の準備に取りかかれます。夜間干しは、朝と夕方の時間にゆとりを生む時短方法といえそうです。
【取材協力】
森屋久美子さん
ReLife Rubia(リライフルビア)代表
家事代行のサブスクリプション“家事代行のもりもり”と墓石クリーニングなどを行っている。
時短家事コーディネーター(R)Expert・時短家事コーディネーター(R)Basic認定講師・整理収納アドバイザー1級・住宅収納スペシャリスト・終活カウンセラー1級・生前整理アドバイザー・飾り巻き寿司インストラクター
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