秋になると急に落ち葉が増えてきます。樹木のある庭付きの戸建て住宅や街路樹近くの家、公園近くの家に住んでいる人にとっては、落ち葉の処理が大きな手間となります。一度掃除しても再び葉が落ちてくるため、放っておきたいと思ってしまう人もいるでしょう。
この記事では、落ち葉を放置することの問題点とともに、落ち葉の処理方法や処理に使用する道具などについて解説します。
落ち葉を放置すると起こる問題
落ち葉を秋の風物詩として捉え、そのままにしようと考えている人もいるかもしれません。しかし、落ち葉を放置しておくことで思わぬトラブルに結び付く恐れがあります。
近所迷惑になる
敷地内なら落ち葉が溜まっていても問題ないと捉えている人も多いでしょう。しかし、大量の落ち葉を放置していると、風が吹いた際に敷地の外へ飛んでいってしまいます。その落ち葉が近所の住宅の敷地に入り、迷惑をかける可能性があります。
実際に、近所の住宅から大量の落ち葉が飛んできて悩んでいる人は多いようです。実際に大手法律系WEBサイト「弁護士ドットコム」には相談事例もあり、なかには深刻な問題に発展しているケースもあります。ご近所トラブルを避けるためにも、自宅の庭の落ち葉が敷地外へ飛んでいかないように配慮する必要があります。
雨どい・側溝を詰まらせる
落ち葉は、雨が降ったときに雨水を排水する雨どいの中に入り込む場合があります。雨どいに落ち葉が詰まると、その部分から水が溢れ出す恐れがあるので注意が必要です。また、雨漏りの原因にもなってしまいます。
また、敷地内に溜まっている落ち葉が風で飛んでいけば、側溝(排水溝)を詰まらせる可能性もあるでしょう。側溝に詰まった落ち葉によって道路が冠水する恐れもあります。特に排水処理が間に合わなくなるような大雨・台風接近時は冠水しやすいため、雨がひどくなる前に、落ち葉をきちんと処理しなければなりません。
シロアリが発生する
落ち葉を放置していると、それを餌とする生物たちが集まってきます。その生物の中には、シロアリも含まれています。落ち葉を処理しないとシロアリを増やす原因になるため、要注意です。シロアリは生命力が強いため、簡単には駆除できません。繁殖すれば住宅に対して深刻な被害をもたらす恐れもあります。
落ち葉の処理は、住宅をシロアリから守るためにも重要な作業です。落ち葉が住宅の周辺に溜まったままにならないよう、こまめに処理する必要があります。
病原菌が繁殖する
落ち葉が溜まっている場合、落葉病の病原菌を繁殖させる可能性があります。落葉病の病原菌が繁殖すると、ほかの植物に害を与えて枯らす原因になります。越冬するうえに潜伏期間も長いため、十分な注意が必要です。
美観を損ねる
落ち葉が庭先に大量に溜まっていると、美観を損ねる原因になります。ある程度の量の落ち葉なら秋らしい風景として捉えられますが、大量の落ち葉があると庭が荒れている印象になります。
こだわりの戸建て住宅を建てたなら、いつでも印象をよくしたいものです。落ち葉は放置せず、こまめに片づける習慣をもちましょう。
落ち葉掃除に便利な道具
落ち葉を掃除する場合に便利な道具が3つあります。それは、竹ぼうき、熊手、ブロワーです。ここでは、それぞれの活用方法について解説します。
竹ぼうき
竹ぼうきは、昔から落ち葉掃きに使われてきた代表的な掃除道具です。コンクリートなどの硬い地面に溜まっている落ち葉を処理する際に竹ぼうきを使用すると、スムーズに落ち葉を集められます。
基本的に、毛の量が多い竹ぼうきを選ぶと落ち葉を集めやすいです。竹ぼうきにはさまざまなサイズがあるため、落ち葉を処理したい場所にあわせて最適なサイズを選ぶ必要があります。
熊手
柔らかい地面に溜まっている落ち葉を処理したいときは、熊手を使用するのがおすすめです。たとえば、芝生の上に落ち葉が溜まっているときは、竹ぼうきよりも熊手を使うのが適しています。また、土や砂利の上に落ち葉がある場合も、熊手を使用すれば落ち葉だけを分けながら集められます。地面の状態にあわせ、竹ぼうきと熊手を使い分けましょう。
ブロワー
ブロワーは送風するための機械です。ブロワーを使用して風を送れば、庭先に散乱している落ち葉も簡単に集められます。ブロワーを選ぶときは、特に風圧が重要です。風圧が高いほど、落ち葉を集めるパワーも強力になります。
ブロワーの動力は、エンジン方式、AC電源方式、バッテリー方式の3つに大別できます。エンジン方式は風圧が高いタイプが多くあるものの、メンテナンスも必要です。そのため、どちらかというとプロ向きの道具といえます。家庭で使用するなら、電気を動力とするAC電源方式またはバッテリー方式を選ぶといいでしょう。
AC電源方式は手軽に利用できますが、コンセントに届く範囲でしか使用できない点に注意が必要です。バッテリー方式は持ち運びができて便利です。ただし、AC電源方式と比較すると高価なため、価格を考慮して選びましょう。
なお、落ち葉を吸い込むバキューム式もあります。
落ち葉掃除の効率的な手順
落ち葉の掃除はどのように進めればいいのでしょうか。ここでは、効率的な手順について解説します。
落ち葉掃除は地面が乾いているときに
落ち葉の掃除は、地面が乾いているときに行いましょう。雨が降った直後は落ち葉が湿気を含んでおり、地面にくっつきやすくなっています。掃除道具を使用しても、かき集めるのが大変になる可能性が高いです。ブロワーの効果も出にくくなります。
手間をかけずに落ち葉を掃除するには、天気が良くて地面が乾燥しているときが最適です。ただし、風が強いと落ち葉が散らばりやすいため、風が吹いていない日を選ぶことも大切です。
ブロワーを持っている場合…落ち葉を吹き飛ばす
ブロワーを持っている場合は、最初にブロワーを使って落ち葉を吹き飛ばします。ブロワーは、基本的に地面の硬さや状態にかかわらず使用できる道具です。竹ぼうきや熊手が届かないような細かい場所は、特に入念にブロワーの風を当てましょう。ブロワーを使用する段階で、できる限り多くの落ち葉を1ヶ所に集めるようにしてください。
竹ぼうき・熊手を使って、一気に集める
ブロワーがない場合は、竹ぼうきや熊手を使用して集めます。また、ブロワーでも集めきれなかった落ち葉を集める際にも使います。硬い地面には竹ぼうき、柔らかい地面には熊手を使用しましょう。竹ぼうきは地面に垂直に当てるのではなく、斜め45度を意識して当てると広範囲の落ち葉をまとめて集められます。
落ち葉は1ヶ所にまとめるのがポイントです。敷地が広い場合は数ヶ所に集めても構いません。
ちりとりでゴミ袋に入れる
掃除道具を使って集めた落ち葉は、ちりとりで集めゴミ袋に入れます。ちりとりを使用する際は、落ち葉をこぼさないように注意が必要です。また、土や砂利がなるべく混ざらないように配慮する必要があります。落ち葉を集めやすいちりとりを用意しておくと、よりスムーズに落ち葉を捨てられます。
集めた落ち葉の処理方法
ゴミ袋に集めた落ち葉は、適切な方法で処理する必要があります。ここでは、落ち葉の具体的な処理方法を解説します。
燃えるゴミとして出す
落ち葉は、多くの自治体で燃えるゴミとして扱われています。落ち葉を燃えるゴミとして出す際には、小石を取り除いておきましょう。
ただし、自治体によっては、落ち葉の扱いが異なる可能性があります。事前に確認したうえで自治体のゴミのルールに従い、決められた日に収集へ出しましょう。
その場で燃やすのは禁止
昔は、落ち葉をその場で燃やす「落ち葉焚き」や「野焼き」が秋になると盛んに行われていました。しかし、現在では、ほとんどの自治体で落ち葉を燃やす行為は禁止されています。煙が多く発生して周囲の迷惑になるうえに、火災につながるリスクがあるためです。
腐葉土をつくる
庭で植物を育てているなら、落ち葉を使って腐葉土を作るのも一つの方法です。腐葉土は落ち葉を発酵させたものであり、肥料として活用できます。
落ち葉は、庭に放置しているだけで腐葉土になるわけではありません。腐葉土を作るためには、まず庭に穴を掘って落ち葉を埋める必要があります。そこに水をかけて油かすや生ゴミなどの養分を追加し、上から土をかぶせましょう。さらに、定期的にまぜ返すのがポイントです。庭に穴を掘れない場合は、ダンボールの中に土や落ち葉を入れると腐葉土を作れます。
ただし、腐葉土に向いているのは、広葉樹の葉です。針葉樹や常緑樹の葉は腐葉土に向いていないため、注意しましょう。
まとめ
落ち葉の掃除は面倒な作業ですが、庭に木のある戸建て住宅では必須の作業です。秋の行事の一つとして捉え、着実に取り組みましょう。仕事が忙しくて時間が割けない場合は、専門の業者に依頼して落ち葉を処理するのも一つの方法です。トラブルに発展しないよう、落ち葉が舞い始めたら、早い段階で必要な処理を行えるようにしてください。
(最終更新日:2021.12.15)