スマートフォンの充電にかかる電気代はいくら? 充電時に電気代を節約する方法

今や私たちの生活に欠かせないスマートフォン(以下:スマホ略)。連絡手段としてだけではなく、動画視聴やゲーム、ショッピングなど、あらゆる場面で使われています。これだけスマホを使っていると、「相当な電気代がかかるのでは?」と気になる人も多いでしょう。そこで、スマホを充電するとどれくらいの電気代がかかるのか、計算してみました。節約方法も紹介するので参考にしてみてください。

スマホの充電にかかる電気代の計算方法

スマホの充電にかかる電気代はいくらなのか、実際に計算してみましょう。

フル充電に必要な容量を調べる

まずは、スマホをフル充電したときの電気代について考えてみましょう。残量が完全になくなってから充電する人は少ないかもしれませんが、フル充電に必要な電気代がわかれば、普段の充電において、それ以上の電気代がかかることはありません。

電気代を調べるには、まずスマホのバッテリー容量を確認します。通常、「mAh(ミリ・アンペア・アワー)」という単位で表され、「放電容量」とも呼ばれます。バッテリー容量はスマホのバッテリーパックに記載されているので、スマホのカバーを外してみましょう。

直接確認できないときは、Webで調べることもできます。たとえば、SONY製の「Xperia 10 III SO-52B」について調べたい場合、 「Xperia 10 III SO-52B バッテリー容量」とGoogle検索すると、4,500mAhと表示されるので、これを基準に電気代を求めていきます。

電力量に電気代をかける

上記で確認したバッテリー容量に定格電圧をかけると、電力量が求められます。リチウムイオン電池の定格電圧は3.7Vなので、次の式になります。

4,500(mAh) × 3.7(V) ÷ 1,000 = 16.65(Wh)

単位はWh(ワットアワー)です。上記の式で電力量を求めることができますが、Xperia 10 III SO-52Bの場合、電力量(ワット時定格値)が17Whと公表されているため、今回は電力量を17Whとして算出します。

この電力量に電気代をかけると、フル充電に必要な電気代が求められます。例として、東京電力エナジーパートナーのスタンダードSの第2段階料金1kWh26.46円で求めてみましょう。式は以下のようになります。

17 (Wh) ÷ 1,000 × 26.46円 = 0.44982円

約0.45円(45銭)という電気代になりました。仮に毎日フル充電をしたとしても、ひと月の電気代は約14円程度です。電気代としては微々たるものだといえるでしょう。

モバイルバッテリーに充電する場合

モバイルバッテリーへの充電も電気代は同じ

モバイルバッテリーに充電する場合も、スマホに充電する場合の計算式と同じ方法で求められます。たとえば、電圧が3.7Vでバッテリー容量が10,000mAhのモバイルバッテリーだとすると、以下の計算式になります。

(10,000 × 3.7 / 1,000) / 1,000 × 26.46 = 0.97902

約0.98円(98銭)という結果になりました。スマホに比べるとバッテリー容量が大きいため電気代も増えますが、このサイズのモバイルバッテリーに充電する場合も1円未満です。こちらも電気代にさほど大きな影響を与えることはないでしょう。

PCを経由して充電する場合

スマホの充電はACアダプターからだけではなく、PCを経由してUSBからでも可能です。その際の電気代は、ACアダプターから充電する場合とほぼ変わりません。ただし、PCを稼働させる分のロスは生じてきます。どちらでも充電が可能な場合は、ACアダプターをコンセントに差して充電するほうが電気代の節約につながるでしょう。

急速充電の場合

急速充電は、高い電圧や電流を送ることで、通常よりも短時間で充電が可能になります。電圧・電流が高くなるため、電気代が高くなると思われがちですが、そのぶん充電時間が短くなるので電気代は変わりません。ただし、スマホの性能によっても充電速度が変わってくるため、急速充電に対応しているか、確認が必要です。

バッテリーを長持ちさせる方法

「最近どうもスマホのバッテリーの減りが早いな」と感じたら、誤った充電方法や使い方をしているのかもしれません。正しく充電しないと、バッテリーの劣化を早めてしまう可能性があります。バッテリー交換には約1万円もの費用がかかり、スマホ充電にかかる電気代よりも高くなってしまいます。

充電しっぱなしにしない

満充電状態はバッテリーに負担をかける

寝ている間などスマホを充電器につないだままにする人も多いのではないでしょうか。充電しっぱなしの状態にしていると、微量ながら電気が消費されて、また少し充電するという繰り返しになり、バッテリーに負荷がかかってしまいます。

現在のスマートフォンは充電制御機能が搭載されているので、すぐにバッテリーがダメになるということはありませんが、リチウムイオン電池は満充電状態(電池の充電が100%の状態)よりも充電レベルが40~80%のほうが長持ちするという特性があります。バッテリーを長持ちさせるためには、充電器につなぎっぱなしにしないように注意しましょう。

充電しながら使用しない

充電器につないだ状態で使用するのもバッテリーの劣化を早めることにつながります。これは、電力の消費と充電を同時に行っている状況で、バッテリーへの負荷が過大になっています。とくに多いのが、充電したままゲームをしたり動画を見たりすることです。気がつくとスマホが熱くなっていた…という経験がある人も多いのではないでしょうか。バッテリーが発熱し高温になると、バッテリーに大きな負荷がかかってしまいます。

常駐アプリをオフにする

不要な常駐アプリはオフに

意外と見落としがちなのが、常駐アプリの存在です。とくに位置情報アプリなどはGPS衛生から電波を受信するので通信時間が長く、バックグラウンドで常に更新や通信をしていてバッテリーを消耗しています。たとえアプリを使っていなくても電車や車で移動しているときに位置情報を取得しているので、使わない場合はオフにしておくと安心でしょう。

ちなみに、アプリ別の使用状況をチェックすれば、どのアプリの電力消費が大きいかわかります。電力消費が大きいものであまり使わないアプリなら、消去するのも一つの手です。また、使い終わったアプリはその都度タスク終了して、無駄な電力消費を避けましょう。

省電力モードにする

最近のスマホには省電力モードや省エネモードがあり、バッテリーを長持ちさせてくれるのでおすすめです。これらのモードに設定すると、画面の明るさやスリープまでの時間などを調整したり、Wi-Fi接続や位置情報の取得などを制限したりしてくれます。ほとんどの場合使用には問題がないので、設定しておくとよいでしょう。

なかには時間帯を設定できるタイプもあります。仕事中や就寝中など、あまりスマホを使わない時間は省電力モードにしておき、動画視聴やゲームを楽しみたいときは省電力モードをオフにしておくと、ストレスなくバッテリーの劣化をおさえられるでしょう。

まとめ

実際に計算してみると、スマホにかかる電気代はわずかなものだとわかります。機種によって異なりますが、仮に毎日フル充電をしたとしても、ひと月の電気代は約14円程度です。かえって誤った充電方法でバッテリーの劣化を早めるほうが、バッテリーの交換費用によって損をしてしまうこともわかりました。充電方法に注意しながら、正しく使ってスマホを長持ちさせましょう。

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