マンションの上階は、下階の部屋や戸建てに比べて虫が出にくいという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。たしかに、マンションの上階になると虫がこない傾向はあります。そこで今回は、虫がこなくなるのはどの階からなのか、虫がこない環境にするにはどうすればいいのかを解説していきます。
マンションに虫がこない階はある?
マンションの何階以上であれば「確実に」虫がこないという階はありません。
蚊やハエなどの飛行する虫が生きられるのは10m程度(3階くらい)といわれています。そのため、4階以上では窓や玄関から入ってくることはまれでしょう。ただし、上空1,000mで蚊を目撃したという報告もあり、油断はできません
ゴキブリなどの害虫も高層階では遭遇しにいようですが、排水管を伝ってくることや、宅配便の荷物に紛れて侵入することがあり、「何階以上なら絶対遭遇しない」とは言い切れないでしょう。
上階になるほど虫は発生しにくい
虫が確実にこない階があるとはいえませんが、上の階になればなるほど虫がこられなくなる傾向はあるようです。
先述しましたが、蚊は4階以上では長くは生きられないとされています。また、基本的に地面を歩き回るゴキブリや蜘蛛、ムカデなども高層階へ行くほど侵入する可能性は低くなるでしょう。
なかには11階よりも高い階であれば、蚊やハエ、ゴキブリなどはほとんど見ないといった体験談も多々あり、上階になるほど室内で虫に遭遇しにくくなる傾向にあります。
どこから虫は侵入してくるのか?
上階になるほど虫が侵入しにくい傾向にありますが、絶対に虫がこないとは言い切れません。なぜ上階であっても虫がくる可能性があるのか、マンションにおける虫の侵入経路について解説します。
エレベーター経由で侵入する
マンションでは、エレベーターを通じて虫が上階まで運ばれることがあります。エレベーターは明るいため、光に集まる習性をもつ虫が集まりやすいスポットです。
人が乗り降りするときと同時にエレベーターに侵入し、上階へと運ばれます。エレベーターのほかにも、マンションの上下階を貫いている給排水管や階段を利用して、上階まで登ってくる虫もいます。そのため、上階であっても虫が確実にこないわけではありません。
ダンボールに卵がついている
ダンボールには空洞があり、そのなかに、ゴキブリ、ダニ、チャタテムシ、シロアリといった害虫がいる可能性があります。
通販などで商品を購入したときや、引っ越しのときなど、室内に段ボールを入れることはあるでしょう。このときにすぐに処分せず、室内に長期間段ボールを放置しておくと、マンションの高層階であっても虫がくるかもしれません。
ダンボールや中に溜まったホコリはゴキブリのエサにもなるため、家にあるダンボールはできるだけ早く処分したほうがよいでしょう。
観葉植物やベランダ菜園から
植物は、コバエや青虫、アブラムシといった虫が住処やエサとして好みます。そのため、室内に多くの観葉植物を置いている、ベランダのプランターで野菜を育てている、といった環境の場合、マンションの階数に関係なく虫がくるかもしれません。
自宅で植物を育てていなくても、周辺に公園や雑木林、河川があるようなマンションは、周囲に虫が多く生息している状態といえます。そのため、緑豊かな場所にあるマンションは虫が入ってきやすいでしょう。
虫が入りにくいマンションの選び方や対策方法
マンションでも虫の侵入経路は複数あり、完全には防ぎようがありません。しかし、できれば家の中では虫に遭遇したくないと思う人も多いでしょう。そこで、虫が入りにくいマンションの選び方や対策方法について解説します。
なるべく4階以上に住む
蚊やハエなどの飛ぶ虫はそれほど高くまで飛ぶことができません。蚊であればマンションの3階程度が到達の限界であり、4階以上の高さになると長く生きることはできないといわれています。
もちろん、人の衣服や荷物に付着し、上階の部屋に侵入するケースは考えられます。しかし、より地上から離れた場所のほうが、外から直接侵入する可能性はおさえられるでしょう。
そのため、できれば4階以上の物件を選んで住むことがおすすめです。
1階に飲食店があるマンションは避ける
ゴキブリは優れた嗅覚を頼りにエサの多い場所を探し当て、そこに集まる習性があります。そのため、ゴキブリが特に好むのは飲食店やコンビニ、スーパーといった食べ物がたくさんある場所です。ゴキブリがたくさん集まると、ゴキブリを食べる虫たちも餌を求めて集まってきます。
1階にこういった食べ物を扱うテナントがあるマンションでは、比較的ゴキブリなどの虫が多い傾向にあるでしょう。周囲に虫が多くいれば、自宅に虫がくる可能性も上がります。
物件をこれから探すのであれば、1階に食べ物を扱うテナントが入っているマンションは避けたほうがよいでしょう。
ダンボールは室外に置く
先ほども紹介した通り、ダンボールの隙間には虫がいる可能性があります。また、ゴキブリなどの害虫にとっては、ダンボール自体がエサになります。通販での商品購入や引っ越しなどでダンボールが出た場合は、室内に放置せず、速やかに処分しましょう。
ゴミ出しまで保管しなければならないときは、室内ではなくベランダや玄関先など室外に置いておくことがおすすめです。ただし、室外であってもゴキブリを寄せ付けてしまう危険があるため、早めの処分が重要です。
近くに公園や森がない立地を選ぶ
先ほども解説しましたが、基本的に緑が多い場所には虫もたくさん生息しています。屋上緑化しているマンションや、近隣に公園や森林、河原など自然豊かな場所にあるマンションは、虫が出やすい環境であるといえます。
同様に、中庭・花壇・家庭菜園といった共用設備を備えているマンションや、植栽を多く配しているマンションも虫が発生しやすいでしょう。
虫が入らないことを第一条件にするのであれば、敷地内や周辺に緑が少ないマンションを探してみてください。ただ、緑が多い環境は人間にとっても過ごしやすいといえます。そのため、虫がこないように対策をとりつつ、緑豊かなマンションに居住することもおすすめです。
室内を清潔に保つ
食べかすや生ゴミはゴキブリやハエの大好物です。そのため、室内にゴミを放置していると、ゴキブリやハエが繁殖しやすくなってしまいます。
食べ物は食事が終わったらすぐに処理し、生ゴミはできるだけ毎日密封した状態で捨てるようにしましょう。虫を寄せつけないためには、とにかく食べ物を放置せず部屋を清潔に保ちます。
ホコリ・髪の毛・ハウスダストなどはダニ類の発生源になるほか、ゴキブリの餌にもなります。少なくとも1週間に1回は部屋の掃除を行い、部屋にゴミや塵が落ちないように心がけましょう。こまめな掃除で部屋を清潔に保てば、害虫対策だけでなくアレルギー対策にもなります。
外界との隙間を塞ぐ
換気扇、水回りの換気口、エアコンの排気口、配管を通すために開けてある壁の穴など、外界とつながるわずかな隙間からも虫は入ってきます。
玄関や窓は開けっ放しにしないよう注意する人は多いでしょうが、こうした小さな隙間は放っておく人もいるでしょう。虫の侵入を防止するには、外界とのほんのわずかな小さい隙間まで、しっかり塞ぐことが大切です。
玄関や窓の隙間、壁の穴は隙間テープで埋め、換気扇や換気口には虫が通り抜けられないフィルターを設置します。エアコンのホース穴などにはストッキングを被せ、外界からの侵入経路をシャットアウトしましょう。
まとめ
虫は配管やエレベーターなどを通じて部屋に侵入する可能性があり、マンションで絶対に虫がこない階というものはありません。
しかし、4階以上になると虫がくる可能性は下がる傾向にあるため、掃除や虫対策をしつつ高層階に住むのであれば、限りなく虫がこない部屋にすることはできるでしょう。
「マンション高層階は虫がこない階だから」と安心せず、しっかりと虫対策を行ってくださいね。