壁掛け扇風機は、スペースに余裕がなくても設置しやすいため便利です。エアコンとの関係を考慮する場合、どこに取り付けるのがベストなのでしょうか。
この記事では、壁掛け扇風機をエアコンと併用する際の設置場所と風向きについて意識したいポイントを解説するため、ぜひ参考にしてください。
壁掛け扇風機のメリット
壁に取り付けるタイプの扇風機は、一般的に「壁掛け扇風機」と呼ばれています。壁掛け扇風機のメリットは、大きくわけて3つです。
場所をとらずに設置できる
壁掛け扇風機は床に置く必要がないため、省スペースで設置できます。狭い場所にも配置しやすく、たとえば脱衣所やトイレなどへの設置もおすすめです。
大きいサイズの扇風機を選んでも、壁に掛けて設置すれば邪魔になりません。視界にも入りにくく、見た目の圧迫感を抑えられます。移動する際もわざわざ扇風機を避けて進まなくていいため、動線がスムーズです。
高い位置から効率的に空気を循環
扇風機を壁に掛ければ、高い位置から送風できます。エアコンをつけると部屋の高い位置と低い位置に温度差が生じやすくなりますが、壁掛け扇風機により空気を循環させられます。
たとえば、冷房の冷たい空気は下にたまりがちです。壁に掛けた扇風機を稼働させれば部屋全体の空気の温度を均一化しやすくなり、エアコンの効率も高められます。
羽根やコードによる事故の心配がない
小さい子どもがいる家庭で床に扇風機を置いて使用する場合、さまざまな事故の心配があります。たとえば、子どもが扇風機の羽に興味をもち、稼働している羽に指を挟んでケガをするおそれがあります。また、床のコードに足が絡まり、転倒するリスクもないとはいえません。
しかし、扇風機を壁に掛けて使用すれば子どもの手が届かなくなり、指を挟んでしまう事故を防げます。コードは壁を這わせるため、足が絡まる危険もなくなります。
壁掛け扇風機の設置位置
エアコンから対角線上に
壁掛け扇風機の設置場所としては、エアコンから対角線上の位置が最適です。対角線上に設置すれば、エアコンが温度を調整した空気をスムーズに循環させられます。空気の流れや空気がたまりやすい場所を考慮して設置しましょう。
取付金具が使用できる場所に
扇風機を壁に掛ける際は取付金具でしっかり固定します。取付金具を使用するためには壁に穴を空ける必要があり、下地がなければなりません。下地とは柱や間柱などのことです。壁掛け扇風機の設置場所を決めるときは、同時に壁の下地の有無も確認しましょう。下地がない場所に取付金具で扇風機を固定しようとすると、落下のおそれがあるため要注意です。
どうしても下地がない壁に壁掛け扇風機を設置したい場合は、アンカーを使用する方法があります。ホチキスを使って壁に固定できる市販の金具を使って、固定するのも一つの手です。ただし、扇風機が大きくて重い場合は、これらの方法でも落下のリスクがあります。説明書をよく読み、耐荷重を考慮したうえで扇風機を設置できるかどうか検討しましょう。
壁掛け扇風機の風向き
壁掛け扇風機を設置するときは、位置だけでなく風向きも重要です。ここでは、壁掛け扇風機の風向きのポイントを解説します。
空気を循環させるためには天井方向に
部屋の空気を循環させるためには、壁に設置した扇風機を上に向けて稼働させましょう。すでに説明したとおり、エアコンで冷房をかけても部屋の高い位置と低い位置には温度差が生じます。高い位置に暖かい空気がたまりやすいため、壁掛け扇風機を天井方向に向けて風を送り、しっかり循環させましょう。次第に高い位置にたまっている空気が下に流れていき、対流が起こります。少し時間が経てば、部屋全体の温度が均一になります。
部屋の高い位置と低い位置で生じる温度差は、暖房を使用する冬でも同様です。暖房をかける際も、天井方向に向けて扇風機を稼働させましょう。
部屋の真ん中でエアコンの風とぶつける
壁掛け扇風機を設置する場所によっては、部屋の真ん中で扇風機の風とエアコンの風がぶつかるようにするのも一つの方法です。部屋の真ん中で温度が異なる空気が混ざりあうため、効率的に部屋全体へ行き届きます。
急速に涼を得たい場合は直接風に当たる
すぐに涼しくしたいときは、壁掛け扇風機の風を直接体に当てるのもおすすめです。たとえば、帰宅直後にエアコンをつけても、すぐには部屋全体が涼しくなりません。その場合は、壁掛け扇風機を体に向けてしっかり風を当てましょう。銭湯の脱衣所でも、扇風機の風が人の体に直接当たるように向けられています。
壁掛け扇風機のタイプ別選び方
壁掛け扇風機にはさまざまなタイプがあります。選ぶときは、実際の使い方をイメージして選ぶことが大切です。ここでは、壁掛け扇風機の選び方について解説します。
操作方法のタイプ
壁掛け扇風機の操作方法は、主にリモコン方式と引きひも方式にわかれています。リモコン方式であれば部屋のどこからでも扇風機の電源を入れられ、風量も自由に調整できて便利です。
ただし、価格を比較すると、引きひも方式のほうが安い傾向があります。機能性と価格の両方を考慮したうえで、納得できるほうを選びましょう。
サイズ
壁掛け扇風機にはさまざまなサイズがあるため、使用する場所や用途にあわせて選択しましょう。基本的に、サイズが大きい扇風機ほど風量も多くなります。最も一般的なサイズは、羽根径30センチメートルのモデルです。リビングや自室などで使用するなら、このサイズを目安にしましょう。なお、トイレや脱衣所など狭い場所で使用する場合は、小さめのサイズを選んだほうが邪魔になりません。
モーターのタイプ
壁掛け扇風機のモーターは、DC方式とAC方式があります。DC方式は直流電源、AC方式は交流電源です。DC方式のほうが稼働時も静かで電気代も安く済みます。ただし、DC方式はAC方式に比べて製品価格が高めです。壁掛け扇風機に求める性能や予算を考慮しつつ、どちらのタイプにするか決める必要があります。
その他の機能
壁掛け扇風機のなかには、さまざまな機能が付いているものもあります。たとえば、首振り機能、風量調節機能、タイマー機能などがあるため、扇風機の用途を考慮したうえで必要な機能を検討しましょう。
まとめ
エアコンを使用するなかで冷房や暖房の効き目に不満がある場合も、壁掛け扇風機を併用すれば問題を解決できる可能性があります。壁掛け扇風機を上手に活用するためには、設置位置や風向きなどが重要です。壁掛け扇風機を正しく活用して、快適な空間を実現しましょう。