冷房は「こまめに消す」か「つけっぱなし」どちらがお得? パナソニック調査で30度が分岐点に

夏本番を迎え、暑い日が続くようになると、冷房を稼働させる機会が増えてきます。そこで気になるのが、光熱費。電気代を抑えながら快適に過ごすには、エアコンをどのように利用したらよいのでしょうか。

2020年はコロナ禍の影響か、エアコンの稼働時間が増加

パナソニック株式会社が、真夏におけるエアコンの「つけっぱなし運転」と「こまめに消す運転」の光熱費の違いについて、独自の実験結果をもとに検証。2020年はコロナ禍の影響によって、例年よりも光熱費が増えたという人も多くいるのではないでしょうか。パナソニックのデータによると、2020年6~8月のエアコンの24時間連続稼働運転回数は123%増加し、平均稼働時間も前年比で1.2時間増加していることが判明しました。

出典:パナソニック株式会社
出典:パナソニック株式会社

エアコンは「つけっぱなし運転」がお得という話の真偽は?

エアコンは、こまめにオフにするより「つけっぱなし運転」の方がお得になることがあると言われています。これは、室内の温度が高いときにエアコンの運転をオンにすると、部屋を急速に冷やすために多くのパワーが必要になるからです。一度室内を適温にすればつけっぱなしでも少ない消費電力でキープできますが、外出の度に運転をオフにしていては室温が外気温からの熱を受けて高温になるため、帰宅してオンするたびに「強運転」となってしまい、消費電力が増えてしまいます。

下記の表は、パナソニック独自のアルゴリズムを用いて、同じ外出時間でも外気温条件によって帰宅時の運転の消費電力が異なることに着目したシミュレーションです。
住宅の断熱性や室内熱負荷などの環境によるものの、冷房使用時に外気温が35℃以上の「猛暑日」のような場合は、室温が上昇しやすいため「つけっぱなし」運転がお得ですが、30℃程度までであれば、室内温度がそこまで上がらないため「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながることが分かりました。

出典:パナソニック株式会社

また、フィルターにホコリが付いた状態で運転させるとモーターやコンプレッサーに負荷がかかってしまいます。「つけっぱなし」運転の場合でも24時間稼働は行わず、1日のうち数時間はエアコンを休ませて、自動おそうじ機能や内部クリーン(エアコン内部を乾燥させる機能)を活用すると良いでしょう。

エアコンのフィルター掃除で年間約1万円以上の節約に?

エアコンの汚れは、能力の低下、消費電力の増加、本体の寿命を縮めることにつながります。パナソニックの実験結果によると、エアコンフィルターを1年間掃除しないと、フィルターの目詰まりにより年間で約25%も電気料金が無駄になるとのこと。フィルター掃除をすることで、年間約1万円以上(パナソニック製品「F401D2」を使用。電気代27円/kWhでの実験)電気代を節約できるそうです。そこで、自分で実践できるエアコンフィルターのお手入れ方法を紹介します。

自動お掃除機能が搭載されていない場合

久しぶりにパネルを開ける場合は、フィルターがひどく汚れていることもあるため、窓を開けてマスクをした状態でエアコンフィルターを取り外し、掃除機でほこりを取り除いてください。油汚れやたばこのヤニ汚れ、においが気になるときには柔らかい布やスポンジで軽くふくように水洗いし、汚れがひどいときは、薄めた中性洗剤でつけ置き洗いをしましょう。洗った後は直射日光やドライヤーの温風に当てることは避け、広げた新聞紙の上にフィルターを立てかけて陰干しし、十分に乾かします。カビを発見した場合には、胞子をまき散らさないようにそっと浴室に運び、丁寧に洗い落としてください。

自動お掃除機能が搭載されている場合

自動お掃除機能付きのエアコンでも油汚れやたばこのヤニ汚れ、ペットの毛や長期使用でついたにおいは取れないため、フィルターを取り外して水洗いする必要があります。汚れがひどいときは、薄めた中性洗剤でつけ置き洗いし、直射日光やドライヤー乾燥を避けて十分に乾かしてください。また、お掃除機能付きのエアコンでもフィルターから取り除いたホコリを本体内のダストボックスに溜めるタイプが主流なため、多くの場合自分でほこりを取り除く必要があります。

冷房運転時に最適な風向きと風量を知ることで節約に?

出典:パナソニック株式会社

エアコンの風も上手に利用し、冷房効率を上げることも節電に繋がります。
風向きは「冷たい空気は低い場所にたまる」性質があるため、一般的に冷房時は上向きで風を送ると広範囲を冷やせると言われています。扇風機やサーキュレーターを併用し、冷気のムラをなくす方法もおすすめです。
風量は「冷房の温度を1℃上げるだけで、約10%の節電になる」といわれますが、冷やすために使う電力よりも風量を上げるほうが使用量は少なくて済むため、設定温度を下げるよりも風量を上げた方が節電になります。冷房を1℃上げ、風量を上げることで、年間約1,200円以上(パナソニック製品「F401D2」を使用。電気代27円/kWhでの実験)節約することができます。

他にもある! 冷房運転時に実践したい節約術

エアコンの光熱費を抑えるためにできることは、フィルター掃除やサーキュレーターの利用だけではありません。主な方法を紹介しましょう。

部屋の中に直射日光が入らないようにする

出典:パナソニック株式会社


窓から入ってくる日光は意外にあなどれません。カーテンやブラインドを使うのはもちろん、窓の外にすだれや緑のカーテンなどを設置するのも有効。カーテンの場合は窓との間に空気の層ができるので、断熱効果もあります。

エアコンの室外機の周りに物を置いたり、囲ったりしない

出典:パナソニック株式会社


室外機の周辺に物を置くなど熱の吹き出し口をふさぐような形で囲ってしまうと、エアコンの冷房効率が大きく低下する場合があります。物を置かず、周りを整理整頓するだけでも節電効果やエアコンの効きが高まるため、こまめにチェックしましょう。

古いエアコンなら買い替えたほうが安くつくことも

出典:パナソニック株式会社


エアコンの進化は日進月歩。節電性能も飛躍的に向上しているため、10年以上前のエアコンを使っている場合は、買い替えることで消費電力を大きく抑えられる可能性が高まります。快適性も、間違いなく向上するでしょう。

まとめ

光熱費を削減したいからといってエアコンの利用を控え、暑くても我慢しながら過ごしていると、熱中症など健康を損なう恐れがあります。フィルター掃除やサーキュレーターの活用といった工夫で、エアコンを賢く利用したいものですね。

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:パナソニック株式会社

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