マイホームを検討する初期段階に考えなければならない「立地」。なかでも、毎日の通勤や外出を考えれば「最寄り駅までの徒歩分数」は重要です。住宅を既に購入した人や近々購入を予定している人は、どのような立地の家を買うことに決めたのでしょうか。
コロナ禍を経て、最寄り駅まで距離があっても許容する傾向に
まずは、既に住宅を購入した人に、最寄り駅まで徒歩何分の家を購入したか聞きました。平均の徒歩分数は14.55分(中央値10分)でした。割合で見ると、「5分未満」が13.3%、「5~8分未満」が19.3%、「8~10分未満」が4.3%、「10~13分未満」が20.0%、「13~15分未満」が1.7%、「15~20分未満」が17.3%という結果に。全体で36.9%の人が、徒歩10分以内の家を選んでいます。
近々住宅購入を予定している人に、購入予定物件の最寄り駅までの徒歩分数を聞くと、平均の徒歩分数は14.95分(中央値10分)でした。割合で見ると、「5分未満」が4.7%、「5~8分未満」が17.3%、「8~10分未満」が2.0%、「10~13分未満」が29.7%、「13~15分未満」が0.3%、「15~20分未満」が19.3%という結果に。徒歩10分以内と回答した人は全体の24%にとどまり、既に住宅を購入した人と比較し、徒歩分数が長くなってもやや許容している傾向がうかがえます。
また、年代別で見ると、20代が平均14.88分(中央値15分)、30代が平均16.25分(中央値12分)なのに対し、40代以降はいずれも平均13分台(中央値10分)と、年齢を重ねるごとに最寄駅から近い物件を求めています。
年代別の最寄り駅までの徒歩分数
未既婚別に見ると、子どもがいる世帯の最寄り駅からの徒歩分数が平均17.21分(中央値15分)なのに対し、独身・単身者が平均12.72分(中央値10分)、子どものいない既婚世帯が平均14.78分(中央値10分)と、子どもがいる世帯は最寄り駅までの徒歩分数が長くても許容している様子がうかがえます。
未既婚別の最寄り駅までの徒歩分数
物件種別ごとに見ると、最寄り駅からの徒歩分数が最も短いのは新築マンションで平均6.93分(中央値5分)、次いで中古マンションが平均9.95分(中央値8分)でした。戸建ての平均徒歩分数はいずれも15分以上(中央値12分以上)であることと比較して、マンションは最寄り駅から近い物件が好まれていることがわかります。
物件種別ごとの最寄り駅までの徒歩分数
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まとめ
コロナ禍の影響により家のなかで過ごす時間が増え、住まいに求めることが変化しつつあります。在宅勤務を取り入れる企業が増えたことから、最寄り駅までの距離よりも、周辺環境や家の広さを重視する人が増えていると言われていますが、今回の調査も、最寄り駅までの距離を重視する傾向が弱まっていることが感じられる結果となりました。これから住宅購入を考えている人は、最寄り駅までの距離について、改めて考えてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2021年3月17日~19日
有効回答数:800サンプル