気をつけているつもりでも、いつの間にかコバエが家の中を飛び回っていることはよくあります。コバエはどこから侵入しているのでしょうか。コバエを家の中に入れないためには侵入経路を把握したうえで、適切に予防する必要があります。
この記事では、具体的なコバエの侵入経路とともに、効果のある予防策を紹介します。
コバエはどこから入ってくるのか
コバエの体長はわずか2mm前後であり、小さな隙間があればすぐに室内へ侵入してきます。
玄関から
コバエは小さな隙間さえあれば侵入できるため、玄関を開閉する際に室内に入ってくる可能性があります。コバエは日陰に集まる習性があり、昼間に玄関を開閉するときは暗い部屋に侵入してしまうので、特に気をつけなければなりません。
また、室内に直接つながる郵便受けがある家では、玄関の扉を開閉しなくても郵便受けの隙間からコバエが入ってくるケースもあります。
窓から
各部屋についている窓もコバエの侵入経路の一つです。窓に網戸をつけている家も多いですが、網戸で侵入を予防できるのは一般的なハエや蚊などコバエより大きい虫だけです。コバエはとても小さいため、網戸の目の間から室内に侵入できます。
また、網戸が歪んで窓枠との間に隙間があると、そこからコバエが侵入してきます。普段は網戸と窓枠がきちんと合っていても、強い風が吹くと網戸がずれる場合もあるため注意が必要です。
エアコンのドレンホースから
エアコンを設置している家では、室外機やドレンホースを伝ってコバエが室内に侵入するケースもあります。ドレンホース内はコバエが繁殖しやすい環境なので、エアコン周りでコバエが多く発生している場合は早めの対処が必要です。
ドレンホースは、部屋の壁に開けた配管穴を通じて室内のエアコンとつながっています。配管穴に小さな隙間があると、そこからコバエが侵入する可能性もあります。エアコン周りにはコバエの侵入経路が複数あるため、後述する予防策をしっかり取り入れましょう。
コバエが集まる場所
室内に侵入したコバエが特に集まりやすい場所はどこなのでしょうか。コバエとは小さなハエの総称で、「コバエ」という種は存在しません。主にショウジョウバエ、チョウバエ、ノミバエ、キノコバエの4種類がありますが、種類によって好む環境が異なります。
キッチン
キッチンに集まりやすいコバエは、ショウジョウバエやノミバエです。生ゴミが残りやすい排水口や三角コーナーを好み、集まってきます。生ゴミをそのままにしていると雑菌が繁殖し、ヌメリやヘドロ状の汚れが生じます。そこにコバエが卵を産みつける可能性があるため要注意です。
コバエを寄せつけないためには、こまめな掃除によりヌメリやヘドロ状の汚れをしっかり落とす必要があります。汚れがたまっていると排水口のつまりやにおいなど他の問題にもつながるため、きちんと掃除しましょう。
ゴミ箱
ゴミ箱にもショウジョウバエとノミバエがよく集まってきます。特に、ショウジョウバエとノミバエは生ゴミ用のゴミ箱に集まりやすいです。密閉できる蓋がついていないゴミ箱を使用していると、コバエが寄りつきやすくなってしまいます。また、飲み物が入っていたペットボトル、ビン、缶などを捨てているゴミ箱にもコバエが集まる傾向があります。
コバエが集まらないようにするためには、蓋がついていて密封できるタイプのゴミ箱を使用しましょう。生ゴミを捨てるときは必ずビニール袋に入れ、しっかり縛るとより効果的です。
お風呂場
お風呂場にはチョウバエが集まりやすい傾向があります。特に排水口や排水管に集まりやすく、ヘドロ汚れや皮脂汚れに卵を産みつけます。また、浴槽の下にはエプロンとよばれるカバーがついていますが、その裏側にもチョウバエが集まります。
お風呂場のコバエも、こまめな掃除で予防可能です。排水口や排水管は塩素系洗剤を使用して汚れをしっかり落としましょう。チョウバエの卵が産みつけられていても、塩素系洗剤を使用すれば駆除できます。また、定期的にエプロンを外して裏側まで掃除してください。
観葉植物
室内で観葉植物を育てている場合、キノコバエが集まりやすいです。特に植物が腐っていたり、腐葉土を使用していたりするとキノコバエがよく寄ってきます。腐葉土に卵を産みつけられる恐れもあるため、注意が必要です。
観葉植物の周りにキノコバエがよく発生するようになったときは、一度土を入れ替えましょう。また、観葉植物を腐らせないよう、水はけに気をつけながら適切な環境を保つ必要があります。
コバエの侵入を防ぐ!
コバエの発生を防ぐためには、コバエが集まりやすい場所をこまめに掃除して清潔な状態を維持することが大切です。そのうえで侵入経路も遮断すれば、コバエを家の中に寄せつけずに済みます。ここでは、コバエの侵入を防ぐ4つの方法を紹介します。
1.網戸を細かい目のものにする
コバエはとても小さく、一般的な網戸であれば目の間から室内へ侵入できます。一般的な網戸の目の幅は1.15mmであり、18メッシュとよばれています。コバエの侵入を防ぐためには、目の幅が0.84mmの24メッシュ以上がおすすめです。24メッシュ以上の網戸の目の幅はコバエの全長よりも狭いため、しっかり網戸を閉めておけばコバエは侵入できません。
24メッシュの網戸の価格は比較的安価なため、買い替えてもそれほど大きな負担にはならないでしょう。ただし、目の幅が細かくなるにしたがって、風通しが悪くなったりホコリが付きやすくなったりするので、その点は注意が必要です。
2.窓枠と網戸の隙間をなくす
しっかり網戸を閉めても窓枠との間に隙間ができている場合は、テープで隙間をふさぐとコバエの侵入を防止できます。隙間をふさぐためのテープは100円ショップでも手に入るため、簡単に対策が可能です。
なお、窓枠や網戸に問題がなくても、網戸の閉め方によっては隙間が生じます。基本的に網戸は窓の右側に配置し、左側の窓は全閉にして右側の窓を開けた状態で使用します。左側に網戸を配置しても間違いではありませんが、その場合は左側の窓を全開とし、網戸と窓の間に隙間をつくらないようにします。正しく網戸を使用し、隙間ができないよう気をつけましょう。
3.エアコンの室外機対策
エアコン周りからコバエが侵入しないようにするためには、ドレンホースへの対策が必要です。いらなくなったストッキングを用意し、ドレンホースの先端にかぶせましょう。ストッキングの目は細かいため、コバエがドレンホースの中に入れなくなります。
また、壁の穴と配管の間の隙間は、エアコン配管用のパテを使用してふさいでください。隙間をしっかりふさいでおけば、コバエだけでなくゴキブリの侵入防止にもなります。
4.LED電球に変える
コバエをはじめとする多くの虫は、紫外線に集まる性質があります。そのため、白熱電球や蛍光灯を使用していると、コバエも寄ってきやすくなります。一方、LED電球は虫が集まりやすい波長の紫外線をほとんど含んでいません。白熱電球や蛍光灯をLED電球に変更すれば、それだけでコバエを寄せ付けにくくなります。
LED電球は白熱電球や蛍光灯よりも電気代のコストが安いなどのメリットもあるため、コバエ対策以外の面からみてもおすすめです。
まとめ
コバエはとても小さいため、油断しているとすぐに家の中に入ってきてしまいます。今回紹介した予防策を実践し、コバエの侵入を根本からしっかりと防ぎましょう。万が一、コバエが室内に発生した場合は、殺虫剤を使用して駆除してください。コバエが好む場所に卵が産みつけられている可能性もあるため、発生箇所に応じた対策を行いましょう。