コロナ感染防止対策の一環として子育て世代の多くが在宅ワークや外出を自粛するなど、住まいは「長時間滞在する場所」に変化していきました。現在住宅購入を検討している子育て世代は、現在の住まいについてどのようなことに悩み、住まいとどのように向き合っているのでしょうか。
住まいの中でも外でも、子育ての困りごとは「子どもの危険回避」
リノべる株式会社が、首都圏で小学生以下の子どもと暮らし、住宅購入を検討している人を対象とした「子育てと住まいに関する意識調査」を実施。
住まいの中における子育てに関わる困りごとは何かと複数回答で求めると、「料理をしているときに目が届かない」が最も多く46.1%、次いで「勝手にキッチンに入ってしまう」が41.1%、「子ども部屋がない」が40.1%、以下「おもちゃの収納スペースが足りない」が37.9%、「洋服の収納スペースが足りない」が37%、5位「子どもが遊べるスペースがない」が35.1%と続きました。
子どもの危険回避対策に関する困りごとに続き、子ども部屋や収納のスペース不足の悩みが多い傾向とともに、外遊びを自粛せざるを得ない期間があるなかで、子どもが過ごす場所の重要性を感じているようです。また、「玄関が狭い」ことに困っている人も多く、ベビーカーや外遊び道具を置く場所に関する悩みも見られました。
周辺環境における子育てに関わる困りごとも問うと「車の交通量が多い道が近い」が最多で17.9%、次いで「近隣にこどもを連れて遊ぶ場所が少ない」「親の不在時、知らない人が訪ねてくる機会が心配(宅急便等)」がともに17.2%と、こちらに関してもお子さまの危険回避に対する困りごとが多い傾向でした。
8割以上の人が、コロナ禍により「子育てをする暮らしに変化あり」
コロナ禍で在宅時間が増え、子育てする上でどのような変化が生まれたのでしょうか。暮らしの変化について質問したところ、80.3%の人が「変化があった」という結果となりました。
具体的にどのような変化があったのか複数回答で問うと「在宅ワークの際、仕事に集中できない」が最も多く57%、次いで「在宅ワークのスペースがとりづらい」が51.2%など、在宅ワークに関する困りごとが多く見られる結果となりました。
一方で、45.7%の人が「子どもと接する機会が増えてコミュニケーションが取りやすくなったと回答しており、子どもと自宅で過ごす時間が増えたことが多くの人にとってポジティブな変化も生んでいることがわかりました。
約6割の家庭で「家族のカタチにあわせて住み替えを検討」
購入予定の住まいについて将来どうする予定か聞いてみたところ、「子どもが大きくなったら、住み替えたい」が43.3%を占め、「子どもが巣立ったら、住み替えたい」と回答した15%の人を合わせると「住み替えを検討する」という人が約6割という結果でした。「購入する住まいに一生住み続けるつもり」と回答した34.5%の人と比較し、倍の人が家族のカタチに合わせて住み替えを検討していることがわかりました。
昨年実施したリノベる株式会社の調査の中で、東京において過去10年に新築マンションを購入した20~59歳の方に住み替えの意向を聞いたところ「将来的には可能性がある」と答えた方は43.7%でした。これと比べても、買い替え意向は高い結果となり、家への認識が「一生に一度の買い物」から「家族や暮らしに合わせて住み替える」意識の変化が垣間見られました。
まとめ
今回の調査結果により、購入予定の住まいについて将来は住み替えを検討するという人が約6割を占めました。昨年の同調査で、東京において過去10年に新築マンションを購入した20~59歳の方に住み替えの意向を聞いたところ「将来的には可能性がある」と答えた人が43.7%だったことと比較しても、買い替え意向が高まっていることが伺え、家が「一生に一度の買い物」から「家族や暮らしに合わせて住み替える」意識の変化が垣間見えます。コロナ禍のような不測の事態が起きても、そのときの生活に合わせて暮らしやすい環境をととのえながら、快適な毎日を送りたいものですね。
【調査概要】
「子育てと住まいに関する意識調査」
調査対象:20代~40代の東京、神奈川、埼玉、千葉にて、現在、小学生以下のお子さまと暮らし、住まいの購入を検討している人319名
調査方法:webアンケート方式
実施期間:2021年4月14日(水)~2021年4月19日
実施機関:リノベる株式会社