新型コロナウイルスによる感染が拡大して1年以上が経過して、多数の人が集まるイベントの開催が難しい状態が続いています。結婚式もそのひとつ。これまで通りの結婚式を開かない、開けない状態を、みなさんはどうやって乗り切っているのでしょうか。そして結婚式に充てるはずだった予算はどこに? 今回はコロナ禍の結婚式とお金について、掘り下げてみました。
コロナ禍で結婚式を取りやめたカップルは24万組
新型コロナウイルス感染症は、結婚式にまで影響を及ぼしました。日本ブライダル文化振興協会の調査によると、約24万組のカップルが結婚式の延期や中止を余儀なくされました。
また2021年1月31日に発表された調査結果によると、業界全体で9,500億円もの損失が計上され、約28万人のカップルに影響があったとのこと。ブライダル業界では安全に結婚式を開催できるようガイドラインを設けていますが、緊急事態宣言や感染者数の動向によって、結婚式を控える人は依然多い状態です。
みんなどうしてる? コロナ禍での結婚式事情
結婚式を開催しない代わりに、コロナ禍でも楽しめる結婚式やイベントを企画したカップルもいます。みなさんどのように工夫して、新たな人生をスタートしているのでしょうか。
オンライン結婚式で大勢にお披露目!
仕事も大学の授業もオンライン化が進んだように、オンライン参列が可能な結婚式も増えています。新郎新婦や家族だけ会場に行き、招待者はオンラインで参加するタイプ、全員が自宅から参加するタイプなど、さまざまなオンライン結婚式が執り行われています。
新郎新婦は通常の結婚式のように準備を進め、当日はオンラインのセッティングや企画などをスタッフにお任せできるプランを提供している結婚式場もあります。パソコンやオンライン会議に詳しくない人でも、無理なくオンライン結婚式を開催できますね。
写真だけのフォト婚でぜいたくにお色直し
コロナ禍で注目を集めたのがフォトウェディング、フォト婚です。フォト婚はウエディングドレスや和装に身を包み写真を撮る結婚式。ゲストは招待せず、新郎新婦とカメラマンやヘアメイクさんのみが集まるため、密を回避できると人気です。
フォトスタジオで撮影したり、屋外で撮影したりと二人の希望によってバリエーション豊かな写真も撮影可能。必要な費用はヘアメイク代、撮影費、衣装代などで、結婚式ほど負担感はありません。費用が少額で済むぶん、ドレス代やヘアメイク代を奮発する人も多いようです。
親族だけで行うミニマム婚
密を避けるため親族だけで行うミニマム婚プランを提供している結婚式場も少なくありません。限られた人数で、一定の距離を置いたゆったりとした席配置とすることで感染に対する不安を減らせます。
株式会社ウエディングパークが実施した結婚式探しについてのアンケートによると、招待人数を50人から59人にすると答えた人が最も多く、次いで多いのが30人から39人でした。一方で10人未満と答えた人が10.9%(2020年12月時点)。39人以下での少人数の結婚式を希望している人の割合は、45.6%と約半数にのぼります。
2020年5月に実施された同調査では14.3%の人が10人未満の結婚式を検討していると答えています。10〜39名と答えた人の割合は23.3%。10人未満と答えた人と合算すると、37.6%です。7ヶ月の間で、より少人数での結婚式の開催を望む人が増えていることがわかります。
余った予算で何をする?コロナ禍だからこそできること
結婚式を取りやめたり、規模を縮小したりした場合、本来結婚式に充てるはずだった予算が余ります。余った予算は有意義に使いたいところです。コロナ禍ではできないことも多いですが、コロナ禍だからこそできることもあるはず。
余った予算の使い道にはどんなものが考えられるでしょうか。
コロナが収束したら新婚旅行をとびきりゴージャスに!
結婚式も外出も控えていたぶん、コロナが収束したら新婚旅行に行くカップルも多そうです。結婚式の予算も投入すれば、ぜいたくな新婚旅行になりそうですね。海外の感染状況が落ち着いていなければ、国内の高級ホテルや宿に連泊して、ゆったりと二人の時間を楽しんでもよいでしょう。いつもの旅行では手が出ない高級ホテルや旅館も、結婚式の予算が余っていれば宿泊できるかもしれません。
例えば、国内の新婚旅行先として人気の沖縄の有名リゾートホテルでは、挙式と宿泊がセットになったプランを用意しています。ゴージャスなスイートルームと洗練されたサービスで、一生の思い出を作ってみるのもよさそうです。
新婚生活にゆとりとワクワクを! 家具や雑貨・家電にこだわる
余った予算で新婚生活に必要な家具や雑貨を購入しておけば、家具や雑貨を目にするたび、使うたびに結婚当初の思い出が蘇りそうです。普段なら手の出ないちょっといい家具、こだわりの雑貨を揃えれば新生活が華やぎますし、日々の暮らしもきっと豊かになるはずです。
また家事の強力な味方、ドラム式洗濯乾燥機やロボット掃除機、食器洗い乾燥機などの高額家電を購入すれば、家事をする時間を削減することが可能に。特にドラム式洗濯乾燥機を導入すれば、洗濯や洗濯物干しにかける時間も手間も大幅に省くことができます。そのぶん、二人の時間を確保できるので、家事の分担で揉めるリスクも減るかもしれません。
おうち時間が増えるからこそ家にこだわりたい! 住宅購入の頭金
最近では、新郎新婦2人とも、もしくはどちら1人が在宅勤務をしているケースも多いでしょう。
在宅勤務が増えると、自宅の居心地も非常に重要になります。ワークスペースを整えるために、マイホームの購入を検討している人も多いかもしれません。アメリカでは、マンハッタンの高級住宅購入契約がコロナ禍前を上回るペースで増加しているとのこと。マイホームを購入する予定があるカップルは、結婚式を延期・縮小したことで浮いた予算をマイホームの頭金に充てるといった使い道も考えられます。まとまった金額の頭金を用意できるのであれば、月々のローンの支払い負担も軽減されます。
5,000万円の物件を購入する場合で比較してみましょう。
●物件価格5,000万円の場合
・頭金0円:借入金額5,000万円、毎月返済額14.7万円
・頭金500万円:借入金額4,500万円、毎月返済額13.3万円
・頭金1,000万円:借入金額4,000万円、毎月返済額11.8万円
※【フラット35】返済期間35年、元利均等返済、ボーナス払いなし、金利1.24%。住宅金融支援機構 ローンシミュレーションで試算
頭金を500万円用意できれば、頭金ゼロの場合と比べ、月々の支払いが1万4,000円も安くなります。1,000万円用意できれば2万9,000円も安くなり、月々の負担感はグッと下がりますね。
まとめ
コロナ禍では多くのカップルが結婚式の延期や中止、縮小を余儀なくされました。一方で結婚式に充てるはずだった予算は余っているケースも多いようです。コロナ禍ではできないこともたくさんありますが、コロナ禍だからこそ楽しめることもあります。新たな門出には、旅行や家具家電、雑貨や住まいにこだわってみてはいかがでしょうか。