築年数の経ったマンションなどをリノベーションして、お洒落な暮らしを楽しむ方が増えています。
中でも、古い団地のリノベーションは、物件の購入価格を抑えながら理想の部屋を作ることができると話題です。また、自分でのリノベーションは難易度が高くても、不動産業者によりリノベーションされた団地の物件も増えています。
今回は、団地リノベーションや、不動産業者によるフルリノベーション団地について詳しく解説していきます。
メリット・デメリット、注意点だけでなく、具体的な事例も紹介。
物件の購入を考えている方は、参考にしてみてください。
団地のリノベーションとは?
そもそも、団地とは、同じ敷地内に、集合住宅が複数建てられている区画です。具体例として、公営住宅やUR賃貸住宅などがあります。
団地=公営住宅のイメージを持たれている方も多いかもしれません。このイメージが広まったのは、昭和30年代〜50年代にかけて日本住宅公団(現在の都市再生機構)が住宅の供給を行っていたためです。一般的には、「団地」といえば日本住宅公団による公団住宅、都道府県や市町村運営の公営住宅を指します。
昭和の団地のリノベーション
昭和30年代に設立された日本住宅公団によって大量に量産された団地ですが、
現在は築年数が経過し、ついに建て替えの時期を迎えている物件も多いようです。
そこで、昭和に建てられた団地を購入し、内装を改装して令和の暮らしに合った物件に変えて楽しむのが団地リノベーションになります。
団地リノベーションプロジェクトにより、フルリノベーションされた団地は若年層の中で話題です。
また、自身の好みのお部屋を作るために団地の一室を購入してセルフリノベーションを行い、ブログやInstagramで紹介している方も増えてきています。
団地リノベーションの事例を紹介!
理想の暮らしを実現する団地リノベーション。
しかし、団地は古い集合住宅というイメージがあり、不安に思う方もいるのではないでしょうか。
ここでは、団地リノベーションでおしゃれな暮らしを実現している方の事例を紹介していきます。
Instagramでも生活を投稿されているので、チェックしてみて下さい。
一人暮らしのケース
不動産会社によってフルリノベーションされた団地を購入し、一人暮らしをしている方です。
物件探しから購入までの流れや、購入した2LDKの物件での生活を投稿されています。
こちらはリビングの画像。
購入後に壁を緑から白へとリノベーションし、築40年以上とは思えないパステルカラーを基調とした素敵なお部屋となっています。
不動産会社によりフルリノベーションされている団地であれば家具や設備が新しくなっており、綺麗な状態の物件を購入できます。
また、3LDKなど家族向けの間取りを無理矢理詰め込まれていた昭和の団地が、令和に多い単身者の暮らしに合わせた間取りにリノベーションされ、広々とした空間となっている物件も多いです。
築48年の団地で一人暮らしされている方の投稿です。
不動産業者の団地リノベーションプロジェクトでリノベーションされた団地での暮らしを満喫されています。
昭和の団地の名残である段差に、愛しさを感じながら生活している様子が伺えます。
こちらも築48年には見えない、個性的で素朴な雰囲気のお部屋です。
二人暮らしのケース
築40年の団地に2人暮らししている方のセルフリノベーションの記録です。
画像は内見の際のキッチンと2020年時点のキッチン。
このように、団地を購入してセルフリノベーションを行うと、物件購入にかかる費用を押さえながら雰囲気を大きく変えることができます。
ファミリー暮らしのケース
築37 年の団地で、ご家族と4人で暮らしている方の投稿です。
こちらは、ワークスペースとリビングを仕切っている壁のビフォーアフターの写真。
リノベーション会社に依頼して本格的なリノベーションを行い、コンパクトな間取りながら、壁を設けてワークスペースを作っています。
この他にもご自身のこだわりを反映された部屋の写真をたくさん投稿されています。
本格的なリノベーションを考えている方は見てみるとイメージが湧くかもしれません。
団地リノベーションのポイント
令和の暮らしを楽しめる団地リノベーションにはメリットもたくさんありますが、デメリットにも気を付けなければいけません。また、団地は集合住宅であるため注意点もいくつかあります。ここでは、団地リノベーションを行う際に押さえておきたいポイントについて見ていきましょう。
メリット
団地リノベーションのメリットは以下の通りです。
・販売価格が安価
団地は一般的な中古マンションの物件と比べると販売価格が安いです。物件の価格が安い分、リノベーションやインテリアのための費用に回すことができ、自身のこだわりを反映しやすいでしょう。
・立地、建物構造などが整っている
団地の多くは、壁全体で建物を支える頑丈な「壁式構造」です。耐震補強工事もきちんと行われており、耐震性が優れているといえます。
また、立地も好条件である場合が多いです。広い土地に余裕をもって建設される団地は、採光や風通しも良好。加えて、交通のアクセスが良い物件が多いという特徴があります。駅の近くに建てられている、バス停が団地の敷地内にある物件もあり、移動に便利です。
・近隣住民とのコミュニケーションがとりやすい
棟数の多い団地には自治体が存在し、共有部分の管理や季節のイベントなどを行っています。近隣住民と接する機会が多く、非常時も助け合える関係が構築しやすい環境です。特に一人暮らしの方は心強いのではないでしょうか。
デメリット
一方、団地をリノベーションするデメリットは以下が考えられます。
・近隣住民との関係
近隣住民とのコミュニケーションが盛んであると、それだけトラブルも発生しやすくなります。近隣住民との関わりが煩わしい方は注意しましょう。
また、お子さんがいる場合は足音や泣き声などの騒音が問題となってしまうケースもあるため、気を付けなければいけません。
・エレベーターがついていない可能性もある
団地は、マンションと違い、エレベーターがついていない物件も多くあります。そのため2階以上に住む場合は、引越しの際の家具・家電の運搬が困難です。
また、体力の少ない方やお子さんがいる方にとっては、階段での移動はつらいこともあるでしょう。エレベーターのない物件の場合は、一階に暮らすという選択肢も検討してみましょう。
注意点
メリット・デメリットを踏まえ、団地リノベーションのために注意すべきポイントは以下の通りです。
・物件の構造を理解しておく
団地は壁で建物の荷重を支える「壁式構造」です。
壁式構造によって撤去できない壁があると知らずに入居してしまったという話も多く聞かれます。
希望通りのリノベーションを行うために、建物構造については入居前にしっかりと確認しておきましょう。
・計画を立てる
団地は古い建物が多いため、予期していないタイミングで別の工事が始まってしまい、計画が狂ってしまったというケースがあります。
事前に物件に足を運び、周辺環境や今後の工事の情報を仕入れておくのがポイントです。
・見えない部分が老朽化していないか確認
床下の配管などが老朽化していないかしっかりと確かめましょう。見た目が綺麗な物件であっても見えない部分が傷んでいる場合があります。
老朽化した給排水管を放置したままリノベーションを行い、漏水したために近隣住民に多額の賠償金を支払ったというケースも考えられます。
特に給排水管には注意し、老化していた場合は交換か、別の物件の選択も検討しておくとよいでしょう。
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まとめ
今回は、団地のリノベーションについて解説してきました。
比較的安価に団地の一室を購入し、リノベーションを行って素敵な暮らしを送っている方は増えてきています。また、理想の暮らしの具体的なイメージが湧かないという方は、フルリノベーションされた団地を購入し、一部のみリノベーションすることも可能です。インテリアや観葉植物などもこだわって選ぶと、さらに過ごしやすい空間を作ることができるでしょう。団地リノベーションで、自分らしい生活を送ってみてはいかがでしょうか。
(最終更新日:2024.04.19)