突っ張り棒は、衣類を吊るすだけでなく、カーテンレールに利用したり、狭いスペースの活用に役立てたりと、さまざまなシーンで大活躍のアイテムです。軽くて誰にでも簡単に設置できるので、使っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、「設置した後、すぐ落ちてきてしまった」というトラブルもよく聞かれます。特に小さなお子さんがいる家庭では、危険な事故にもつながりかねません。この記事では、突っ張り棒が落ちる原因と、その防止策について解説します。
突っ張り棒が落ちる原因
そもそも、突っ張り棒はどうして落ちてきてしまうのでしょうか。
その原因は、ちゃんと設置しているつもりでも、実はうまく設置できていないことが考えられます。しかし、一言で「うまく設置できていない」と言っても、さまざまなパターンが挙げられます。
まずは、突っ張り棒が落ちてしまう原因について確認していきましょう。
規定の長さ以上に伸ばしている
突っ張り棒を、規定の長さ以上に伸ばしてはいないでしょうか。
突っ張り棒に、長さの規定があるのはご存知の方も多いでしょう。しかし、想定していたよりも長めの突っ張り棒が必要なときに、規定より長く伸ばしてしまっている人もいるのではないでしょうか。
突っ張り棒は、太いパイプと細いパイプで構成されています。それらパイプの重なりが多いほどたわみが少なくなり、強度が上がる仕組みです。つまり、突っ張り棒を規定の長さ以上に伸ばして使用することで太いパイプと細いパイプの重なりが少なくなって強度が下がり、落ちやすくなってしまうのです。
解決策としては、実際に設置する場所より長めの突っ張り棒を選ぶことが挙げられます。具体的には、100cmの幅がある場所に突っ張り棒を使いたいのであれば、規定の長さが100〜150cmの突っ張り棒を選ぶと良いでしょう。
設置する面が垂直ではない
突っ張り棒を設置する面は、しっかりと垂直になっているでしょうか。
突っ張り棒は、棒の先端で壁を押し、その圧力で突っ張る仕組みです。設置する壁同士が垂直でない場合は圧力をかける面が減ってしまうため、突っ張り棒も落ちやすくなってしまいます。
突っ張り棒を設置するときは、必ず垂直な面を選びましょう。
掛けている物が重すぎる
突っ張り棒に掛けている物は、重すぎになってはいませんか?
突っ張り棒は、それぞれ耐荷重量が異なります。耐荷重量以上の重さの物を載せたり掛けたりすると、その重さに耐えきれず突っ張り棒が落ちてしまうことがあります。
自分が使おうとしている突っ張り棒が掛けたい物の重さに耐えうるかどうかも、しっかりと確認しましょう。
壁の強度が弱い
突っ張り棒を設置する壁の強度は、十分でしょうか。
前述した通り、突っ張り棒は壁に圧力をかけて設置するものです。壁が薄い場所に設置すると、徐々に壁が反って突っ張り棒が落ちてしまう可能性があります。
たとえばコンクリートの下地がある壁など、強度のあるところに設置しましょう。一般的な石膏ボードや化粧合板の日本家屋であれば、壁の奥に間柱などがある強度の高い場所が理想的です。
これで落ちない!?正しい取り付け方
突っ張り棒は便利なアイテムですが、設置するときはさまざまな工夫が必要です。では、どうすれば突っ張り棒を正しく設置することができるでしょうか。
ここでは、突っ張り棒の設置方法について、ポイントを絞って解説していきます。
支える面の摩擦を活かす
第一のポイントは、支える面の摩擦を活かすことです。
突っ張り棒は、棒の先の2点で支えます。そのため、2点でうまく摩擦を活かすことが重要になります。
また、突っ張り棒にはバネ式のタイプとジャッキ式のタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。
バネ式のタイプは、パイプ内にバネが入っています。バネを圧縮して生まれる圧力で壁に取り付ける仕様となっており、先端がゴムになっていることが多いタイプです。
実際に取り付ける長さよりもパイプを数センチ長く伸ばし、押し込むようにして突っ張らせることがポイントです。こうすることで、摩擦を最大限利用できます。
ジャッキ式のタイプは、パイプを伸ばす長さを決めてからネジで固定し、先端のグリップで壁に取り付ける仕様です。
まずは取り付けたい場所でパイプを伸ばし、その後、パイプ先端のグリップを回してさらに壁に圧をかけます。こうすることで、突っ張り棒がより落ちづらくなるのです。ただし、取り付ける壁の凹凸が大きいと摩擦力が活かせないことがあります。
支える力を分散させる
突っ張り棒が支える力を、分散させるのも良いでしょう。
突っ張り棒は先端の2点のみで物を支えているため、2点の支える力突っ張り棒に掛けている(載せている)ものの重力に負けると落ちてしまいます。つまり、1点に力を集中させすぎず、支える力を分散させることで落ちづらくなるのです。
突っ張り棒を2本使って上に物を載せている場合は、突っ張り棒を3本に増やしましょう。それだけで支える力が分散され、落ちづらくなります。
さらに強化!突っ張り棒の強化に使用できるもの
正しい付け方で突っ張り棒を設置しても、どうしても落ちてしまうことがあるかもしれません。
そんなときは、突っ張る力を強化してくれるアイテムを使ってみましょう。ここでは、突っ張り棒の強化に使えるものを6つ紹介します。
すのこ
収納やDIYなどでも人気のすのこを突っ張り棒と組み合わせると、効果が期待できます。
突っ張り棒を設置し、その上にすのこを乗せましょう。こうすることで、ものの重さを支える力が分散され、突っ張り棒の上に直接、物を掛けたり乗せたりするよりも、落ちづらくなるのです。
もし突っ張り棒を縦に設置する場合は、安全のためにすのこを結束バンドなどで固定しましょう。おしゃれなデザインのすのこを選べば、インテリアとしても活躍します。
耐震マット
突っ張り棒の先と壁の間に、耐震マットを挟む方法も有名です。突っ張り棒の跡が、壁に残りにくいというメリットもあります。
しかし、耐震マットは壁面での使用を想定して作られているものではないので、使っているうちに耐震マットが剥がれてしまうこともあります。また、剥がすときに壁紙も一緒に剥がれてしまったり、壁に傷がついてしまったりする可能性もあることに留意しましょう。ファンデーションのパフ
ファンデーションのパフも、耐震マットと同じように使用できます。壁と突っ張り棒の間に挟むことで摩擦が減り、落下しにくくなるのです。
また、ファンデーションのパフは耐震マットと比べるとクッション性があるため、壁の傷防止にも期待できます。より手軽に使えるアイテムを探している場合は、ぜひ使ってみてください。
ワイヤーネット
壁面収納やインテリアとしても人気のワイヤーネットもおすすめです。すのこと同じく、ものの重さを支える力を分散させることができ、突っ張り棒がより落ちづらくなります。
ワイヤーネットは、結束バンドなどで突っ張り棒と連結させて使います。ワイヤーネットを縦向きにすると、掛ける場所も増やせて便利です。デッドスペースにも活用できるので、おしゃれな収納を増やしたい方にもぴったりです。
専用の支えポール
突っ張り棒が落ちやすい場合に役に立つのが、「突っ張り棒専用の支えポール」です。
突っ張り棒は本来先端の2点で支えるものですが、中央に専用の支えポールを設置することで、突っ張り棒のたわみを防止し落ちにくくしてくれます。
この支えポールは、インターネット通販やホームセンターなどで販売されています。気になる方はぜひ一度で探してみてください。
まとめ
突っ張り棒は収納スペースを増やし、日々の生活を便利にしてくれるアイテムです。しかし、ただ設置するのではなく、設置する場所やその方法を工夫すると、より利便性を高められます。
また、突っ張り棒に身近なアイテムを組み合わせることで、さらに落下しづらくなるでしょう。最近では、突っ張り棒の落下防止専用の商品も販売されています。突っ張り棒を設置する際は、耐荷重や取り付け場所など取扱説明書をよく確認して安全性にはくれぐれも注意しながら、ぜひいろいろなアイデアを試してみてください。