ゴキブリの真実、明るい所で見かけたらすでに100匹いる? 家での徹底撃退法

嫌いな虫ランキングでは、常にトップにランキングされているゴキブリ。見た目からしてダメ、という人もいるでしょう。ゴキブリは繁殖力が強く、「1匹見たら100匹いると思え」と言われていますが、真偽のほどは定かではないようです。暖かくなってくると活動が活発化するゴキブリの対策と駆除方法について解説します。

「1匹見たら100匹いると思え」は本当?

キッチンの隅や戸棚の中からゴキブリが出てきてゾッとした、という経験がある人は少なくないでしょう。ゴキブリは「1匹見つけたら100匹いる」といわれています。1匹でも見つけた以上は、見えない所に100匹もいるのかと思うと、落ち着かない気持ちになりますが、これはあくまでも通説であり、科学的根拠に基づいているわけではありません。とはいえ、1匹見かけたら少なくとも数十~数百匹が潜んでいるのは確かなようです。

ゴキブリは家にいる害虫、というイメージがあるかもしれません。しかし、家に侵入するゴキブリは、約3,500種ほどいるうちの数種にすぎないのです。また、ゴキブリは本来夜行性で、警戒心が強く、昼間や人の物音がすると姿を現さない傾向があります。

それでも明るい所で見かけたということは、見えない所にはさらに多くの仲間が潜んでいると考えられます。また、産卵期のメスはより警戒心を強めるため、多くの場合目にするのはオスです。オスを見かけたのであれば、メスもどこかに潜んでいると考えたほうがよいでしょう。

ゴキブリの恐るべき繁殖力

生物界最強クラスの繁殖力

ゴキブリは単独で生息することはなく、コロニーを作って集団生活をしています。繁殖力は非常に強く、1匹のメスは1年半ほどの寿命のなかで、1回につき22~28個の卵を15~20回近くも産卵します。全部が成虫になるわけではありませんが、平均するとメス1匹が400匹以上に増える計算になります。卵からふ化までにかかる日数は、ゴキブリの種類にもよりますが、おおよそ20〜40数日です。多くの昆虫は卵からふ化した後は幼虫、サナギ、成虫へと変態しますが、ゴキブリは脱皮を繰り返して成虫になります。

繁殖力の強さの要因は、卵の数や産卵回数だけではありません。ゴキブリの卵は「卵鞘(らんしょう)」というカプセルのような鞘の中にあり、殺虫剤をはじめとする外的刺激から守られています。さらに、水さえあれば1ヶ月以上も生き抜けるほど生命力も強く、3億年以上も前から姿を変えずにいることから「生きた化石」といわれています。

見た目だけじゃない! ゴキブリの害

ゴキブリは見た目がグロテスクというだけではなく、さまざまなトラブルの元凶になります。ゴキブリがもたらすトラブルの一つが、家に病原菌を持ち込むことです。ゴキブリは、細菌や雑菌の温床ともいえる排水口やトイレなどから家の中に侵入し、キッチンや食卓などを這い回って、体に付着した病原菌をまき散らします。ゴキブリによって運ばれる主な病原菌として、サルモネラ菌、赤痢菌、チフス菌、小児麻痺ウイルスなどがあります。また、ゴキブリの糞や死骸は喘息やアレルギーの原因にもなります。

ゴキブリの被害は健康被害だけにとどまりません。コンセントや配電盤などの中でゴキブリが大量発生すると、故障や火事の原因になることもあります。倉庫に保管していた書籍などの紙類、貴重な絵画などを食い荒らすこともありますし、飲食店などでゴキブリが発生すると客足が遠のくなど、経済的ダメージの原因にもなるのです。

ゴキブリを寄せ付けないために

ゴキブリによる被害を防ぐには、ゴキブリを寄せ付けないようにする必要があります。日常生活のなかで注意すべきことを紹介します。

食品や食器を放置しない

食べ残しの放置は絶対ダメ!

食品や水があり、潜む場所も多いキッチンは、ゴキブリにとって居心地の良い場所です。食品や汚れた食器、生ゴミなどを夜通し放置しておくと、ゴキブリの格好の餌になります。食品は冷蔵庫に入れるか密閉容器などに入れて保存し、汚れた食器や生ゴミは早めに片づけましょう。ビルトイン食洗器などを使用する場合も、乾燥後は食器をすぐに片づけ、庫内の水滴を拭き取ることをおすすめします。ゴキブリは湿気のある場所を好むので、キッチンの水はねなどもこまめに拭き取るようにするとよいでしょう。

物陰の掃除

冷蔵庫やレンジの裏、コンロや、シンクの下などに、ゴミや調理くずなどがあるとゴキブリの餌になります。手が届きにくい場所ではありますが、ゴキブリを寄せ付けないためには、念入りに掃除するしかありません。また、キッチンに限らず、ゴキブリは風呂場の排水口から入り込んで洗面所や洗濯機の下などに潜んでいることもあります。ゴキブリは人の髪の毛やフケなども食べるので、風呂場や洗面所も要注意です。排水口にたまりやすい髪の毛などは、こまめに取り除くようにしましょう。

家電の主電源を切る
暗くて狭くて暖かい場所を好むゴキブリにとって、テレビや電話、パソコンなどの電気製品の中も居心地の良い場所です。電気製品は電源を入れておくと待機電力により温まっています。冷蔵庫など主電源を落とせないもの以外は、なるべく主電源も切るようにするとよいでしょう。

ゴキブリを発見したら

どんなに気をつけていても、ゴキブリはわずかな隙間から侵入してきます。ゴキブリと遭遇したときの対処法や、効果的な駆除方法について解説します。

くん煙剤による駆除

ゴキブリは目に見えない場所や、手の届かない場所に潜んでいます。そうした場所のゴキブリを駆除するには、薬剤を隅々まで行き渡らせるくん煙・くん蒸タイプの殺虫剤がおすすめです。くん煙タイプは殺虫成分の粒子が細かく、わずかな隙間にも行き届きやすいというメリットがあります。くん蒸タイプは煙が出ないので、集合住宅などで使用しやすいのがメリットです。

くん煙・くん蒸タイプは、ゴキブリに逃げ場を与えないために、各部屋同時に使用すると効果的です。また、ゴキブリの卵は卵鞘に守られ、殺虫成分が効かないため、卵がふ化する2~3週間後に再度使用することで、より高い効果が期待できます。

使用の際は、パソコン、テレビなどの精密機器、火災報知機などにはカバーを掛けておきます。ペットや植物、観賞魚や観葉植物などは部屋の外に出しましょう。また、食器や調理器具などにも薬剤が直接かからないよう、棚にしまうかビニールなどを掛けておくようにします。使用手順に従って使用した後は、部屋の換気を十分に行いましょう。

毒餌剤による駆除

ゴキブリを巣ごと駆除するには毒餌剤が効果的です。毒餌剤の効き目は徐々に表れます。そのため毒餌剤を食べたゴキブリが巣に帰り、仲間がその排泄物や死骸を食べることで、ほかのゴキブリにも効果が発揮されます。卵を持ったメスが食べると卵にも効果が出ます。

直接噴霧による駆除

遭遇したら殺虫剤を直接噴霧

家の中のゴキブリ対策を万全に行っていても、ゴキブリはわずかな隙間から侵入してきます。家の中でバッタリ遭遇してしまったら、逃がさず退治したいものです。そんなときに使用したいのがスプレータイプの殺虫剤です。ゴキブリに直接噴霧することもできますし、ゴキブリの通り道や隠れていそうな場所に吹き付けて使用することもできます。ただし、個別のゴキブリへの対処となるので、巣ごと駆除することはできません。

粘着シートによる駆除

粘着シートによる駆除方法もあります。これはアース製薬さんの「ごきぶりホイホイ」で有名になった方式で、小さい子どもやペットがいるなど、薬剤を使用したくない場合におすすめです。ただし、この方式も巣ごとの駆除にはならないことと、シートに貼り付いたゴキブリを目にすることになるのが難点です。

まとめ

ゴキブリは暖かくなると活動が活発になります。北海道以外のほとんどの地域において家の中で遭遇する害虫の代表格といえます。家の中に巣を作らせないためには、くん煙剤と毒餌剤の併用が効果的といえそうですが、まずはゴキブリを寄せ付けないように掃除を徹底するなどできる対策から始めましょう。

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