観葉植物に発生する虫とは? 葉に虫がわかない対策方法

新型コロナウイルスの感染拡大を機に、「おうち時間」を快適に過ごすための家具や雑貨など、インテリアに力を入れている方は多いのではないでしょうか。

中でもお部屋の見栄えが良く、リラックス効果が期待される観葉植物は、気軽に購入できるアイテムとして注目されています。ただ、植物の育成で懸念されるのが虫の発生…。観葉植物の葉に虫がつき、害を受けるのは絶対に避けたいですよね。

今回は、観葉植物に発生しやすい虫の特徴や駆除方法、虫を寄せつけない予防・対策方法について詳しくご紹介します。

観葉植物に発生する虫の種類

「害」にもさまざまな種類があります

植物に発生する虫は、葉や茎などから養分を吸汁する「吸汁(きゅうじゅう)性害虫」と、花や葉、根をかじる「食害性害虫」の2つに分けられます。観葉植物に発生する害虫は、吸汁性害虫が多く見られます。「地下部に害を与えるもの」「地際部に害を与えるもの」「上部に害を与えるもの」など害を受ける場所によってもタイプが分けられ、その種類はさまざまです。

虫の中には観葉植物に対し直接的な害はないものの、観葉植物を住処とする「不快害虫」も存在します。

今回は、特に花や葉などの上部に害を与える虫と不快害虫について、その害と予防・対策方法をご紹介します。

 

【被害を与える虫】

・ハダニ

・アブラムシ

・カイガラムシ

【実害はないが不快な虫】

・ゴキブリ

・トビムシ

・コバエ(チョウバエ、キノコバエ)

虫をそのままにしておくと、葉が枯れてしまったり、「すす病」や「こうやく病」といった病気の原因になったりすることもあります。また葉につく虫を餌とした別の虫が集まり、二次被害が発生する危険性もあるのです。

被害を与える虫

要確認!この虫に注意

まずは観葉植物に被害を与える虫をご紹介します。

葉裏に発生!「ハダニ」の被害と対策

ハダニは体調0.2〜0.4mmの小さな虫で、1か所に群がって生息する性質があります。中でもカンザワハダニは繁殖のスピードが速く、対策が遅れるとひどい被害を受けることも。クモのように糸を吐き出すハダニは、風に乗って移動し、ベランダや庭から室内に侵入します。交尾なしで卵を生むため、大量発生する前に対策を講じたい虫です。

ハダニの被害

ハダニは吸汁性害虫に分類され、主に葉の裏に寄生します。無数の白い斑点やかすり状の傷を与え、多発すると葉全体が白くなり光合成が阻害され、生育が衰えます。

ハダニの対策

まずは大量発生を抑えるため、葉裏をよく見て早期発見に努めましょう。葉裏に群がって生息するハダニはテープなどで補殺します。ハダニは湿気に弱いため、発生初期には葉裏から霧吹きすると増殖の抑制が可能です。雨の日には植物を外に出して濡らし、ホースで水をかけるのも効果が見込めます。

市販の薬品でも駆除できますが、むらがあると生き残り増殖するため、注意しながら使用しましょう。またひとつの薬品を使用し続けると効果が薄れるため、いくつかの薬品をローテーションすると継続的な対策が可能です。

大量発生に注意!「アブラムシ」の被害と対策

観葉植物の新芽や茎、つぼみに発生しやすいアブラムシは、黒や黄色などさまざまな種類が存在し、観葉植物以外にも多くの植物に寄生する厄介者です。

アブラムシの被害

吸汁性害虫であるアブラムシは、群がって吸汁するため、被害を受けた葉や枝・幹は衰弱します。またアブラムシの排泄物はアリを誘引するだけでなく、カビの仲間が栄養にするため、葉や枝・幹が黒ずんでいく「すす病」の原因にもなります。

葉にモザイク状のまだら模様が現れて植物全体の生育が衰退する「モザイク病」などのウイルス病を媒介することもあります。

アブラムシの対策

アブラムシは増殖スピードが非常に速いため、観葉植物を定期的に観察し早期の対策を講じる必要があります。基本的には見つけ次第つぶして駆除しますが、黄色に誘引される性質にあるため、黄色の粘着トラップが効果的です。またアブラムシはキラキラした反射光を嫌うため、植物にシルバーテープを巻くことで、飛来を防げます。

薬品が効きにくい?「カイガラムシ」の被害と対策

貝殻をかぶったような見た目からカイガラムシと呼ばれているこの虫は殻を被らない、枝に定着し動かない、動き回るなどさまざまなタイプが存在しています。多くの場合、幼虫時に植物の上を移動し、その数時間後には脚が退化して幹や枝に寄生すると、ほぼ動かなくなります。

カイガラムシの被害

主な被害はすす病と、「こうやく病」です。こうやく病にかかると枝や幹にカビが発生し、幹を包むようにどんどん増殖します。見た目の気持ち悪さはさることながら、枝が枯れるなど植物の生育に悪影響を及ぼします。

またカイガラムシの排泄物はアリやアブラムシを誘引。他の虫による二次被害の原因にもなってしまうため、見つけ次第すぐに対策する必要があります。

カイガラムシの対策

カイガラムシは風通しが悪い環境に発生するため、密植をさけ混み合った枝などは整枝しましょう。枝や幹についている成虫は、歯ブラシなどでこすって対策できます。

市販の薬品を使用する場合、厚い殻で覆われている成虫には薬品が効きにくいですが、孵化したばかりの幼虫にはよく効きます。

実害はないが不快な虫

なぜこんなにも不快になるのか

観葉植物への影響はないものの、発生されると困る不快害虫を紹介します。

言わずもがなの不快感「ゴキブリ 」の対策

あたたかく湿気の多い環境を好むゴキブリにとって、観葉植物は絶好の住処・隠れ家となります。ゴキブリも非常に繁殖力が高いため、観葉植物から発見した場合、すでに家中に潜んでいる危険性も…。

ゴキブリの繁殖を抑えるには巣を駆除する必要があるため、設置型の薬品がおすすめです。設置型は殺虫成分を含むエサを食べたゴキブリが巣に戻り、そのゴキブリの死骸や糞を他のゴキブリが食べることで、連鎖的な殺虫の効果が見込めます。

突発的な出現に対する駆除には、スプレータイプの薬品。家中に隠れているゴキブリをまとめて駆除するには、くん煙タイプの薬品がおすすめです。

土に潜む「トビムシ」の対策

湿った環境で繁殖しやすいトビムシは、植物の鉢においても繁殖し、普段は土の中で身を潜めています。鉢の中のバクテリアなどを食べ、植物には害を及ぼしません。ただし、土の中から小さな虫が一斉に出てくる様子を考えると …不快に感じますよね。

トビムシの対策は、発生源となる鉢の水を定期的に替えることが重要です。市販の薬品での対策はもちろん、風通しの良い場所や日光に当たる場所での育成を心がけましょう。

飛び回る「コバエ(チョウバエ・キノコバエ)」の対策

コバエも湿気を好み、土の中や鉢の受け皿など水が溜まっている場所に卵を産みつけ繁殖します。土の通気性が悪かったり、受け皿の水を放置していると増殖してしまうため、トビムシ同様に風通しの良い場所での育成や水の定期的な入れ替えが重要です。

コバエの中でもキノコバエは有機用土や有機肥料をエサにするため、赤玉土、鹿沼土、バーミキュライト、化粧砂など無機質の用土を用いると繁殖を抑えられるでしょう。

まとめ

観葉植物は、室内だからといって虫が発生しないわけではありません。むしろ風通しが悪かったり日光が当たらず湿気が多くなったりすると、虫にとっては繁殖しやすい理想的な環境だと言えます。

まずは発生する害虫の特徴や観葉植物への害を把握し、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

(最終更新日:2021.06.24)
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