大規模リフォームで必要となる仮住まい。実は賃貸やホテル、ウィークリーマンションなど多くの種類があり、料金や間取りも様々。リフォームを待つ間の一時的な住居ではありますが、リフォームを待つ間も快適に暮らすのが理想的です。
今回は、仮住まいの種類や選び方について詳しく解説していきます。
仮住まいとは?
仮住まいとは、住居売却の後に新居が決まらない場合や、大規模なリフォームを行う場合に利用する一時的な住宅のこと。
大規模なリフォームの場合は、施工会社が仮住まい先を斡旋してくれることも多いようです。不動産会社や引越し業者と提携している企業も多いため手間が省ける、仲介料の割引が見込める等のメリットがあります。しかし、施工会社が紹介できる物件は数が限られています。そのため、施工会社による斡旋で仮住まい先を決めたい場合は早めに相談しましょう。
また仮住まいは一時的な住居とはいえ、数ヵ月に及ぶリフォームでは居心地も大切です。自分の希望条件に合った住まいを探す場合は不動産会社や専門業者を活用して自力で仮住まいを探すのがよいでしょう。
仮住まいの注意点
(1)電気・水道・ガス・インターネット等の確認
仮住まいであっても、電気・水道・ガス・インターネット等は必要です。大規模なリフォームでは電気・水道・ガスの契約はリフォーム中も継続する場合が多くなります。また、インターネットの契約は期間が決まっており、途中解約で違約金が必要になることも。仮住まいとして賃貸等を利用する場合はライフラインの契約が二重契約になる可能性がある 点にも注意しましょう。
(2)余裕をもって決める
大規模なリフォームとなるとつい工事に気を取られてしまい、工事期間中の仮住まい先にまで頭が回っていなかったという声も多く聞かれます。リフォームの期間は事前に判明しているケースが多いので、リフォーム施工プランの打ち合わせと同時並行で仮住まいの候補を絞っておきましょう。
(3)より経済的な選択をする
仮住まいはあくまで仮の住居です。現在の家に近い場所や快適さを追い求めてしまう方も多いようですが、大規模なリフォームではリフォーム費用もかかっています。できれば経済的な面も考慮して決めるとよいでしょう。
仮住まいにウィークリーマンションを選ぶメリット・デメリット
ここからは、仮住まいの選択肢として代表的なウィークリーマンションとホテルについて詳しく解説します。
まずは、ウィークリーマンションです。ウィークリーマンションを選択する場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。
【メリット】
・長期滞在の場合は経済的
ウィークリーマンションは賃貸等よりも初期費用が安いです。また、長期的なリフォームのための仮住まいの場合は日ごとにルーム料金を払う ホテルよりも経済的な負担が抑えられます。
・居心地が良い
ウィークリーマンションは、家具・家電が備え付けとなっている物件がほとんどです。自炊や洗濯がしやすい環境が整っています。数週間の入居を想定しているため自分の家のような感覚で暮らせるでしょう
・数週間〜数ヵ月の滞在におすすめ
賃貸より初期費用が安く済み、生活に必要な設備が整っているウィークリーマンションは数週間から数ヵ月の滞在に適しています。長期にわたるリフォームの場合はウィークリーマンションが合っているといえるでしょう。また、数ヵ月の入居を想定しているマンスリーマンションもあります。希望する条件に合わせてウィークリーマンションとマンスリーマンションを比較してみてもよいかもしれません。
【デメリット】
・住民とのトラブルが起きやすい
ウィークリーマンションは入居審査が緩く、比較的簡単に入居できます。したがって多種多様な入居者がいるため、住民同士のトラブルも多いようです。ウィークリーマンションを仮住まいとする場合はマナーには気を遣って生活する必要があります。
・家事の手間がかかる
ウィークリーマンションは、数週間の滞在を想定しているため家事は自分でこなす必要があります。また、ホテルの利用に比べると生活のための荷物も必要な ため、数日程度の気軽な利用には不向きです。
仮住まいにホテルを選ぶメリット・デメリット
もう一つの選択肢としては、ホテルがあります。ホテルを仮住まい先として利用する場合のメリット・デメリットを確認しましょう。
【メリット】
・審査や契約がいらず、掃除も不要
ホテルは、日ごとのルーム料金を支払えば入居審査等は必要ありません。誰でも気軽に利用できます。また、部屋の清掃は清掃員が行うため負担が少ないです。
・身の回りのものだけで移動できる
家具やアメニティ等が揃っているため、着替えなどを持っていくだけで十分生活できます。身軽な状態で移動できる点は大きなメリットといえるでしょう。
・数日の滞在であればホテルがおすすめ
数日の工事で終了するリフォームのための仮住まいであればホテルがおすすめです。数日であれば費用面でもウィークリーマンションよりも安くなる可能性が高いです 。また、家事の負担や引越しのための手間や手続きも最低限で済み、水道光熱費等も必要ありません。気軽に利用できる短期間の仮住まいといえるでしょう。
【デメリット】
・狭い
ホテルは観光等の目的での利用が多く、短期の滞在を想定した設計となっています。そのため、数週間の滞在を目的としているウィークリーマンションと比べると狭く、長期滞在では過ごしづらいかもしれません。
・土日・シーズン等により値段が変動する
多くのホテルでは、土日や長期休暇の時期はルーム料金が高くなります。また、ホテルの場合は日ごとでルーム料金を支払う ため、工事の延長等で仮住まいでの暮らしが長期化すると割高となってしまうでしょう。
ウィークリーマンションとホテル、費用の違いは?
今回は東京都港区の実際のウィークリーマンション、ホテル、貸倉庫の料金を参考にシミュレーションを行いました。
費用内訳 |
1週間 |
1ヵ月 |
3ヵ月 |
|
ウィークリーマンション (間取り:1K) |
•賃料 •水道光熱費 •清掃費 |
51,150 円 |
153,500 円 |
460,500 円 |
ホテル+貸倉庫 |
•宿泊費 •貸倉庫 |
44,450円 |
172,100円 |
505,100円 |
このように、数日〜1週間程度の場合はホテルと貸倉庫を利用する方が経済的です。一方1ヶ月以上の長い期間を仮住まいで過ごすならば、ウィークリーマンションやマンスリーマンションを選択した方が費用を抑えられます。リフォーム期間や費用を考慮し、自分に合った仮住まいを選択しましょう。
長期化する場合はUR賃貸の利用も
UR賃貸とは、旧公団住宅のこと。礼金や仲介手数料などが不要で初期費用が安い、入居期間の縛りがなく短期間での退去も認められているなどの特徴があります。間取りの種類も幅広くあり、長期的な仮住まい先に向いています。しかし物件数が限られており、入居は先着順となるため、タイミングが重要です。数ヵ月〜半年に及ぶリフォームの場合は、UR賃貸も候補に入れて検討するとよいでしょう。
まとめ
仮住まいは一時的な住居とはいえ、心地よい暮らしは維持したいもの。どうしても譲れないこだわりがある方は、仮住まいの物件を紹介する専門業者への相談も一つの手です。また、仮住まいの物件数は地域によって大きな差があります。
地域や条件によってはUR賃貸等の活用や、仮住まいの利用経験がある知り合いからの情報収集等も有効です。自分の希望する条件と合致する仮住まいを見つけ、リフォームを待つ間も快適な生活を送りましょう。
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