マイホームの購入では多くの人が住宅ローンを組みますが、月々の返済や頭金を決める際「みんないくら払っているの?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、政府が実施した調査から、ローンの借入れ金額や毎月の返済額、頭金などの統計を紹介します。住宅ローンの返済イメージをつかみたい人は、ぜひ参考にしてください。
統計から見る年齢と住宅種別と住宅ローン頭金の関係
住宅種別
まずは、世帯主の年齢の割合を、住宅種別ごとにまとめた調査結果を見てみましょう。住世帯主の年齢は、注文住宅(新築)、分譲戸建て住宅、分譲マンションでは30歳代がもっとも多く、中古戸建て住宅と中古マンションでは40歳代がもっとも多い結果となりました。
反対に、注文住宅(建て替え)やリフォーム住宅では、50代~60代が半数以上を占めています。
また、民間賃貸住宅の世帯主は30代未満が3割以上を占めています。以上の結果から、マイホームを購入する人が多いのは30代以上、リフォームをする人が多いのは50代以上であることがわかりました。
頭金
続いて、株式会社クロス・マーケティングによる2023年のインターネット定量調査から住宅ローン利用時の頭金の有無、支払い額を年齢別に紹介します。
30代では、住宅ローンを「頭金なし」で利用している人 が23.3%、頭金を「(1~)300万未満」支払ったと回答した人が33.9%、「1,000万以上」と答えた人は18.0%でした。
40代は、「頭金なし」 が15.2%、「(1~)300万未満」が23.6%、「1,000万以上」は30.9%です。
50代は、「頭金なし」 が15.3%、「(1~)300万未満」が21.5%、「1,000万以上」は38.9%でした。
住宅ローンを頭金なしで組む人は30代がもっとも多く、40代・50代はほぼ同率です。また、年齢が高いほど頭金の支払い額が多くなる傾向にあることがわかりました。
頭金を貯めて住宅購入? できるだけ早く買うべき?
住宅購入の際、頭金が貯まるまで待つべきか、できるだけ早期に家を手に入れるべきかどちらがいいのでしょうか。
返済計画を立てる際には、ARUHIのローンシミュレーターが便利です。同じ物件価格で頭金なし・頭金ありのとき、どのような返済の見通しになるのか試算してみます。
頭金なしの方が金利はやや高く、月々の返済額も約2万円多くなります。さらに、頭金(500万円)の場合よりも総返済額が約800万円多い結果となりました。
頭金を用意すると借入金額が抑えられるだけでなく、金利が優遇されたり、住宅ローンの審査に有利だったりとさまざまなメリットがあります。住宅購入を急ぐ理由が特にないなら、頭金を準備しておくことがおすすめです。
完済時の年齢から考える「家の買い時」
住宅ローンを利用して家を購入するのであれば、完済を見据えて計画を立てることが大切です。商品により異なりますが、住宅ローンは最長で35年の借り入れが可能。申込年齢の上限は70歳、完済時の年齢は80歳までが一般的です。つまり、35年間の返済を前提とすると、45歳までには申し込む必要があります。
30代なら、完済時の年齢制限を気にせずに借り入れできますが、教育費の負担と両立が必要になる人が多いでしょう。
40代の場合、定年後も返済が続くことになります。自己資金に余裕がある人は、頭金を多めに入れて借入金額そのものを少なくする、定年後に繰り上げ返済をするといった対策を考えましょう。
50代からの住宅購入は、定年後の住宅ローンをどのように返済するか、しっかりと考えておくことが大切です。定年後の生活資金に支障が出ないよう、シミュレーションをしておきましょう。
定年後まで住宅ローンの返済が続く場合、退職時点での住宅ローンの残債をシミュレーションし、借り入れ前であれば物件を再検討する、既に返済中であれば繰り上げ返済や借り換えで住宅ローン残高を減らすことを検討しましょう。
また、再雇用や再就職で得られる賃金、年金の受給見込み額などを試算し、定年後も住宅ローンの返済を続けていけるかどうかをしっかり考えておきます。
住宅ローンの年間返済額は、年収の3割以内が理想的とされています。定年後も3割以内をキープするにはどうしたらよいのか、早めに考えておきましょう。
統計から見る住宅種別の住宅ローン平均返済額
住宅ローンの借入額や返済ペースの統計も見てみましょう。国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」から住宅種別の住宅ローン平均額を抜粋し、さらに金利1.5%、借入期間35年で月々の返済額を試算しました。
ローンシミュレーター keisan
住宅の種類によって差はありますが、新築の場合は月々8~9万円が平均的な返済額です。中古マンションの場合、毎月の平均返済額は4万円代まで下がります。
まとめ
住宅ローンの月々の返済額は、新築戸建て・新築マンションなら8~9万円、中古マンションの場合は約4万5,000円が平均です。またどの世代でも7~8割以上の人が頭金をある程度支払ったうえでローンを組んでいます。
住宅ローンの返済は長期にわたるため、返済ペースや総返済額をなるべく具体的に把握して、無理のない返済計画を立てることが大切です。記事内で紹介したシミュレーターも活用してみましょう。
(最終更新日:2024.05.14)