コロナ禍で生活環境が変わった結果、今までよりも家で食事をするようになった人は多いでしょう。その結果「料理をする機会が増えた」という人が増えているのではないでしょうか。毎食のように自炊をするようになり、調理に対する負担や食卓に並ぶ料理に、人々は何を感じているのでしょうか。
約3割の夫が「休日は自分が主に食事の準備をしている」と回答。実際は?
株式会社クレハが、20代~40代の共働き夫婦を対象として「食卓環境の変化」に関する調査を実施。食事の準備において、夫婦間の分担の割合について質問をしたところ、平日は7割の妻が「自分が9割以上の食事の準備を担当している」と回答しました。
一方、休日は平日と比較して分担が進んでおり、約3割の夫が「自分が半分以上の食事の準備をしている」と回答する結果になりました。
全体として、夫は妻が思っている以上に「自分が料理を担っている」という意識が高く、夫婦間で認識の差があることもわかりました。
コロナ禍で料理をする機会が増え、妻の料理疲れが顕在化?
新型コロナウイルス感染拡大前と後の食卓の変化について質問をしたところ、「料理をする機会が増えた」が45%、「家族との食事の時間が増えた」が38.5%という結果になりました。
男女別に見ると、「献立で悩む時間が増えた」が妻35%(夫12.5%)、「自分が作る料理を食べることに飽きた」が妻23.5%(夫7%)、「料理が苦痛に感じるようになった」が妻14.5%(夫4.5%)と、妻と夫で開きがあることが判明。食事の準備を担うことの多い妻にとって、料理をする機会が増えたことにより、悩みも増加していることがわかりました。
男女とも半数以上が「食卓に並ぶ料理は必ずしも手料理でなくて良い」
コロナ禍で料理をする機会が増えた夫婦が多い中、食卓には手料理が並ぶべきかという質問に対しては、「はい」と回答する夫婦が必ずしも多いわけではなく、「どちらともいえない」「いいえ」にも回答が分かれる結果となりました。
「はい」と回答した人の中では、「家庭の味を伝えたいから(40代女性)」、「栄養バランスを考えられるから(30代女性)」という意見があり、
「どちらともいえない」、「いいえ」と回答した人の中では、「手料理にこだわる時代ではないと思う(40代男性)」、「栄養を考えると出来れば手料理が良いけど、たまには休んでも良いと思うから。(20代女性)」、「できる時とできない時があるものだから(40代女性)」といった意見が多く見られ、食卓環境における意識に、多様化の動きがうかがえました。
妻よりも夫の方が「手料理」と認識する基準が厳しい傾向が明らかに
便利な料理アイテムが普及する中、時短や簡略化などの工夫をしたメニューが手料理に当たるのか質問をしたところ、「手料理に含む」とする人が少なかった料理TOP3は「出来合いの具材を乗せて作った丼ぶり」「惣菜をアレンジした料理」「冷凍食品をアレンジした料理」でした。全体として使用する食材の加工度合いが上がると、調理をしても手料理とは言い難い傾向がうかがえます。
男女別に見ると、「出来合いのソースや麺つゆを使用した麺料理」(手料理だと思う人の割合:妻75%、夫62.5%)、「ミールキットを使用した料理」(同:妻66.5%、夫53%)、「冷凍食品をアレンジした料理」(同:妻68.5%、夫50.5%)で差が見られました。料理スキルがそこまで必要ではないものの、アレンジに幅を効かせることのできるメニューで差が開いていることから、時短や簡略化の工夫を活用しつつも、追加のひと手間をかけるかどうかが認識の差の原因となっている可能性もうかがえます。
時短や簡略化などの工夫をしたメニューは、全体的に、妻の方が夫よりも「手料理といえる」、「手料理に近い」と答えたケースが多く、手料理の基準に対して夫婦間で認識の差があることもわかりました。
まとめ
在宅勤務などによりおうち時間が長くなり、外食の機会が減っている今日この頃。毎食献立を考え、買い物に行き、食事を作る繰り返しの生活に疲れている人もいるでしょう。夫婦ともに無理のない食事のスタイルを見つけたいものですね。
【調査概要】
「食卓環境の変化に関する調査」
調査対象:20代~40代の共働き夫婦400名(男女200名ずつ)
調査方法:インターネット調査
実施期間:2021年1月16日~2021年1月17日
実施機関:株式会社クレハ