共働き夫婦の大きな悩みの種である『家事分担』。不満やモヤモヤを抱えているならば、上手に分担したり、家事そのものを減らしたり、うまく家事をまわしていくためのちょっとした工夫を始めてみませんか? 共働き夫婦が助け合いながら、気持ち良く暮らしていくための家事分担のコツを紹介します。共働き夫婦におすすめの効率的な家事が叶う間取りも紹介していますので、ぜひチェックしてください。
家事分担のリアル
共働き夫婦の家事についての調査データから、まずはその実態を見ていきましょう。
夫婦間における家事の役割分担
普段の家事分担の割合と、夫と妻の1週間の家事時間についての調査(※)では、家事の分担では妻が7.66と約8割、夫が2.04と約2割を担当していることが分かりました。また、時間の差では、夫の155分に対し妻は432分となっており、時間的にも内容的にも妻の負担が多くなっています。
詳しく読む:家事の分担、実態は妻が8割…一方で「家事シェア」が上手だと夫婦仲良し(調査)
家事の分担割合の満足度
家事の分担割合についての調査(※)では、「満足」と回答した夫が84%を占めているのに対し、妻は60.5%にとどまり、20%以上の差が開いています。この結果から、共働きの家庭が増え、夫の家事参加が進みつつある状況でも、夫は「やっているつもり」、妻は「まだまだ足りていない」と感じていることがうかがえます。
詳しく読む:「分担できている」実感あるのは夫だけ⁈ 共働き夫婦の家事シェア率の実態とは
2020年の夫の家事・育児に対する取り組みの満足度
2020年を振り返り、夫が家事や育児に取り組んでいたと思うかの質問(※)に対して、23%の人が「家事・育児を十分行っていて満足」、30.5%の人が「家事・育児を少しは行っていて不満はない」と回答し、53.5%の働く主婦が不満を感じていない結果となりました。
一方、「家事・育児を少しは行っていたが不満」と回答した人が32.8%を占め、「家事・育児を全く行っておらず不満」と感じている人も13.6%いることも分かりました。
詳しく読む:感謝? それとも、あきらめ? 夫の家事や育児の取り組みに主婦の本音さまざま
家事やお金の不公平感をなくすコツ
家事や生活費を分担している共働き夫婦は、負担のバランスをしっかり話し合うことが大切です。どちらかが不公平感や不満を抱えていると円満な関係を築くことができません。家事や生活費に関する不公平感をなくし、毎日を円満に過ごすために注意したいポイントについて解説します。
家事を分担する
職業や勤務形態などが違っても、外へ出て働いているという点では変わりません。家事はできるだけ二人で分担することが夫婦円満のコツです。負担が偏らないように、ある程度のルールを決めておくとよいでしょう。
それぞれの収入や支出を明確にする
家事や生活費の分担を決める前に、それぞれの収入と支出を明確にしておきましょう。相手の収入がわからなければ、「もしかしたら、自分のほうが負担が大きいのでは」といった不公平感も芽生えがちです。家事や生活費の分担をフェアに行うために、いざというときに困らないために、毎月の収支を把握してふたりで共有するようにしましょう。
お互いに感謝の気持ちを伝える
夫婦とはいえ元は他人。家事一つとっても、自分とは違うやり方に不満やストレスを感じがちですが、そのたびにダメ出しをしていてはケンカが絶えない家庭になってしまいます。また、「家事をしてやっている」といった上から目線の考えもNGです。
「家計を支えてくれてありがとう」「家事をしてくれてありがとう」など、お互いに感謝の気持ちを言葉にして伝えあいましょう。夫婦で協力していることが実感でき、不公平感が少なくなります。
詳しく読む:共働き夫婦が家事やお金で「トラブル」になるパターン、不公平感をなくすコツは?
共働き夫婦の家事分担のコツ
子どもが小さいうちの共働きは、育児や家事の分担が不可欠です。分担がうまくいかないと「自分だけが損をしている」という不満が生まれてしまいます。そこで、どうすれば育児と家事の役割を分担できるかのコツを紹介します。
やってほしいことを具体的に伝える
お互いに家事に関するこだわりや守ってほしいルールがあるなら、明確に伝えることが大切です。具体的に何をどうやってほしいのか、一つ一つ説明して伝えるようにしましょう。
タスク管理をする
家事は炊事、洗濯、掃除に限ったことではなく、「名もなき家事」が意外に多いものです。男性は、それらのタスクを把握していないこともあるでしょう。一度、どのような育児や家事のタスクがあるか、書き出して可視化してみることをおすすめします。
完璧を目指さない
タスクを可視化するとわかりますが、毎日必ずやらなければならないタスクは限られています。共働きでもそうでなくても、子育てで忙しいときは完璧を目指す必要はありません。忙しいときは手を抜いたり、タスクを後回しにしたりして臨機応変に対応しましょう。
詳しく読む:共働き夫の育児・家事時間は妻の4分の1以下? その理由と分担のヒント
家事の負担を減らす「3つの工夫」
共働き家庭で日々をスムーズに、そして心地よく過ごすために、家事そのものの負担を減らす工夫をしてみても良いでしょう。
1.日用品は宅配で購入する
ルーティンで買い続けている日用品などは、宅配に任せても良いのかもしれません。ECサイトの定期便や生協の宅配などを利用すると手間が省けるうえ、お得に買い物できる場合もあります。決まった時期に決まったものだけを購入する習慣がつくと、家計管理もしやすくなります。
2.家事を助ける「家電」を活用する
家事を助けてくれる家電は強い味方になります。たとえば、洗って乾かすところまでをお任せできる食洗機や乾燥機付き全自動洗濯機など、便利な家電が多数登場しています。コストはかかりますが、そのぶん時間に余裕ができることは大きなメリットです。
3.プロのサービスを利用する
ある大手家事代行サービス業者は、家事全般を請け負うものから、掃除や洗濯はもちろん、買い物や花の水やりなど、短時間で希望の家事を一部手伝うサービスまで、さまざまなプランを提案しています。夫婦ともに仕事・家事負担が大きく、余裕がなくなりストレスを感じてしまう場合には、プロの手を借りることも一つのアイデアです。
詳しく読む:どうやって「家事」を分ける? 共働き夫婦が家事分担でモメないコツ
間取りは「家事動線」を意識
家事はできる限り効率よく行いたいもの。「家事動線」を意識するだけでかかる時間がぐっと短縮されます。
家事動線の良い間取りを選ぶ際は、「洗濯を簡単に行いたい=脱衣所・洗濯機・ベランダまでを1本で結ぶ間取り」「料理を簡単に行いたい=アイランド型キッチンを採用して、ダイニングへ行きやすくする」といったように重点的に“楽”にしたい家事の動きやすさを考えてみましょう。
詳しく読む:【マンションの間取り】共働き世帯にマッチする間取りや広さとは?
共働き夫婦のゆとりを生み出す住まいのアイデア
家事・育児シェアの意識は高いものの、どうしても上手くできないという男性も多いもの。そこで、旭化成ホームズ「ヘーベルハウス」が提案している3つの「住まいの仕掛け」を紹介します。
マルチアイランドキッチン
女性が一人で作業することを前提に作られてきたキッチンを、家族が参加して複数で調理しやすいようヘーベルハウスが独自開発したマルチアイランドキッチン。シンクと作業台、コンロを切り離しフラットにすることで、一人作業の効率化と、二人・三人でも共働しやすい配置を実現。家事を単なる作業時間ではなく家族時間にも変換できます。
ランドリーサンルーム
洗面所にある洗濯機から物干し台のあるベランダを往復する時間と労力を削減。キッチンの横に、ランドリーサンルームがあると、洗う・干す・たたむ、を一か所でできるだけでなく、キッチンに居ながら子どもや夫に指示を出して、ちゃんと作業ができているか確認することも可能です。
デイリークローゼット
玄関の近くに家族のクローゼットを集約するというアイデア。子どもが帰ってきたときに、リビングにカバンを放り出すことがなくなり、散らかりにくくなるといったメリットもあります。大人も、出掛ける直前に着替えられ、帰宅してすぐスーツを脱いでくつろぎ着になってからリビングに行くことも可能です。
詳しく読む:自分時間と家族時間、どちらも大切にするちょっと先の豊かな暮らしとは?
まとめ
共働きでお互いに忙しい毎日を送っているからこそ、マイホームでは心地良く過ごしたいですよね。不満を溜め込みすぎてしまう前に、上手に分担して解決していきましょう。今回ご紹介したコツをぜひ試してみてください。