新型コロナウイルスの感染拡大以降、毎日出勤することが当たり前だった生活から一変。在宅勤務を取り入れる企業が相次ぎ、現在は週に数日の出社と在宅勤務を組み合わせるなど、柔軟な働き方をする人が増えています。そのような日常の変化が、私たちの睡眠にはどのように影響しているのでしょうか。
2021年の日本の平均睡眠時間は、昨年と比べて改善傾向に
株式会社ブレインスリープが、睡眠に関する様々な項目を調査する「睡眠偏差値(R)」2021年版を、2020年に引き続き実施。前年の2020年の調査では、日本の平均睡眠時間は6時間27分となっていました。これは、世界一睡眠時間が短いとされたOECD発表のデータよりもさらに55分も短い結果でした。
今回2021年の調査の結果、日本の平均睡眠時間は6時間43分と、昨年より16分長くなっていることが分かりました。
大きな改善の一歩を踏み出した日本の睡眠時間ですが、OECD加盟国の平均睡眠時間は8時間25分と、2021年の日本の平均睡眠時間と比べると、その差はまだ1時間42分もあります。また最低睡眠時間として推奨される睡眠時間7時間を超える人は全体の40%に留まりました。
在宅勤務の有無よりも、変則的な働き方が睡眠の質を低下させると予測
新型コロナウイルスの感染拡大は人々の生活に大きな変化をもたらしました。
「在宅勤務」という新たな勤務形態が急速に広まったことも、大きな特徴のひとつです。2020年4月に同社が行った調査では、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が広がった結果、生活全体が後ろ倒しの夜型傾向になり、生活リズム・睡眠リズムが乱れ、睡眠の質の低下が見られましたが、今回の調査では、「在宅勤務」と関係して、睡眠の質に新たな傾向が見られました。
在宅勤務の有無・頻度と睡眠の質の関係性を分析した結果、「ほぼ毎日在宅勤務を行っている人」と「在宅勤務を全くしたことがない人」の睡眠の質が、他の勤務形態の人の睡眠の質と比べて有意に高いことがわかりました。
特に、睡眠の質が最も悪いのは「週に1~2回在宅勤務を行っている人」であり、この結果は在宅勤務の有無そのものではなく、毎日一定のリズムで生活ができているかどうかが睡眠の質にとってより重要であることを示唆していると考えられます。
睡眠偏差値の都道府県ランキング:1位三重県・47位徳島県
同社では、47都道府県の「睡眠偏差値」を発表しています。1位は三重県で51.16、47位は徳島県で48.47という結果で、昨年発表の結果と同様に大きな差はなく、日本人の睡眠に関する課題は全国的なものだと思われます。
日本全体の特徴として、47県中46都道府県の睡眠時間が長くなっており、一方、睡眠の質に繋がる睡眠習慣においては、29の都道府県で悪化しており、新型コロナウイルスの影響により、就寝前の習慣が乱れた可能性が考えらます。
都道府県別に見ると、全国1位の三重県では、睡眠偏差値を構成するすべての項目において昨年より改善が見られ、特に睡眠習慣においては他県を上回る得点率でした。
一方、最下位の徳島県については、睡眠時間は長くなっていたものの、その他すべての項目がワースト5位内となっています。特に睡眠の質と日中のパフォーマンス(生産性)の両項目において最下位となりました。
まとめ
今回の調査結果より、睡眠の質を守るためには規則正しい生活が重要で、不定期に在宅勤務を行っている人たちは、生活のリズムを保ちにくい傾向が見てとれました。
ブレインスリープ代表取締役で「スダンフォード式 最高の睡眠」著者の西野精治氏は「コロナ禍では特に規則正しい生活を心がけ、生活リズムを保ち、良質な睡眠を得ることにより、免疫力をアップさせることが大切」とアドバイスしています。十分な睡眠をとることを心がけ、コロナ禍を乗り切りたいものですね。
【調査概要】
「睡眠偏差値®2021年版」
調査対象:全国の男女10,000名
調査方法:web調査
実施期間:2021年1月
実施機関: 株式会社ブレインスリープ
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社ブレインスリープ