新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今までは頻繁に外食や飲み会を楽しんでいた人も、夜はあまり出歩かずに家で過ごす傾向にあります。フードデリバリーやオンライン飲み会など、新しい生活様式に合わせたサービスが徐々に浸透するなか、お酒の楽しみ方はどのように変化しているのでしょうか。
年代が上がるほど、日常的に日本酒を楽しんでいる傾向
株式会社Clearが「日本酒の飲用に関する消費者動向調査」を実施。日本酒愛好者に飲用頻度を問うと、「週に2~3日」もしくは「週に4日以上」の割合が60%でした。
若年層の傾向を見てみると、20代は「週に2~3日」「週に4日以上」が51%、30代は59%、40代は64%、50代は75%と、回答者の年代が上がるほど、日本酒の飲用頻度が増える傾向が見られました。
日本酒は家飲みが主流なものの、女性は外飲み志向が強め
日本酒をどこで飲むことが多いかという質問に対しては、昨年より20%増となる、全体の65%が「どちらかといえば自宅」と回答しました。コロナ禍による外出自粛の要請や飲食店の営業縮小などの影響が大きいでしょう。
特に、男性の回答者に限れば、すべての年代で60%以上の方々が「どちらかといえば自宅」と回答しています。50代以上の回答者については、年代別でもっとも高い74%が同様の回答を選びました。
その一方、女性は「どちらかといえば外食」と回答した割合が、すべての年代で男性を上回りました。特に若い年代ほど、「どちらかといえば外食」の割合が高く、女性のほうが外飲み志向が強いようです。
日本酒は「ひとり飲み」が主流? 男性の約8割がひとりで飲酒
日本酒を誰と飲むかという質問については、男女ともに「ひとりで」が最も多く、男性は78%、女性は31%でした。男性のひとり飲みの傾向が表れています。
昨年と比較すると、「仕事の付き合いで」と回答した男性は3%減、女性は4%減となりました。こちらも、外出自粛の要請によって仕事の飲み会が減少したことが原因でしょう。
自宅用・ギフト用ともに、若年層の購入予算が中高年層よりも高い傾向
自宅用に購入する日本酒(720ml)の予算に関する質問では、昨年と同様に、20~30代の若年層の購入予算が、40〜50代の中・高年層と比較して高い傾向にあることがわかりました。
「2,000円~2,999円」以上の高い予算を回答した割合は、20代は36%、30代は36%でした。その一方、40代は24%、50代は26%と、若年層と比較してそれぞれ10%以上も低くなっています。
自宅用に購入する日本酒(720ml)の予算については、どの年代においても「1,000円~1,999円」が最も多い割合となりましたが、ギフト用では、「2,000円~2,999円」または「3,000円~4,999円」が最多でした。
年代別に見ると、自宅用の予算と同様、ギフト用に購入する日本酒の予算も若年層の方が高く設定しているようで、昨年と同じ傾向になりました。特に、「5,000円~9,999円」の割合は、若年層と中・高年層との間に、5%の差があります。
自宅用・ギフト用の両方において、中・高年層よりも若年層のほうが、比較的高価格の日本酒に興味があることがわかりました。
日本酒を選ぶ基準は自宅用が「味わい」、ギフト用が「ブランド」重視
「日本酒をご自宅用に選ぶときに重視する点」は、1位が「味わい」、2位が「酒蔵やブランド、銘柄名」、3位が「特定名称の種類」でした。その一方、「ギフト用に選ぶときに重視する点」は、1位が「酒蔵やブランド、銘柄名」、2位が「味わい」、3位が「特定名称の種類」となりました。
年代別に比較してみると、自宅用・ギフト用ともに、若年層は「味わい」「ラベルデザイン」の回答数が多い傾向にありました。逆に、中・高年層は「酒蔵やブランド、銘柄名」「特定名称の種類」「お米の種類」「製法の特徴」が多くなっています。
まとめ
今回の調査結果から、コロナ禍によっておうち時間が増え、自宅で日本酒を楽しむ人が増えている様子が伺えます。自宅で密を避けながら、家族でゆったりとお酒を楽しみ、コロナ禍を乗り越えたいですね。
【調査概要】
「日本酒の飲用に関する消費者動向調査」
調査対象:日本酒を飲用する成人男女1,324名
調査方法:日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」によるインターネット調査
実施期間:2021年1月27日〜2月12日
実施機関:株式会社Clear