新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワークの普及で、生活様式や働き方が変わったことをきっかけに、家を買おう、リフォームしようと検討されている方も多いかもしれません。
住宅取得やリフォームで今使える補助金・優遇策で主なものをチェックしてみましょう。
住宅の取得・新築時に使える「減税制度」
住宅取得はとかくお金がかかるもの、できれば税金面でお得に取得したいですよね。まずは、住宅の取得・新築時に使える減税制度を見てみましょう。
・住宅ローン減税
一番の目玉は住宅ローン減税です。2021年度の税制改正で特例措置として、消費税10%適用の住宅を取得・建設等をして2022年の12月末までに入居した場合には、従来の10年間に加えて、控除期間が3年間延長されます。
ただし、注文住宅の場合は2021年9月末、分譲住宅(居住用家屋で建築後使用されたことのないもの)、中古住宅を取得する場合、増改築等をする場合は2021年11月末までに契約をする必要があります。また、上記13年間の控除が適用される場合においては、所得要件を満たせば床面積要件の緩和措置も適用されます。
新築・未使用の長期優良住宅・低炭素住宅の場合にはそれぞれ住宅ローンの残高は5,000万円が上限となり、年間最大50万円の控除額となります。
所得税から控除しきれなかった場合、前年分の所得税の課税総所得金額の7%を限度(最大136,500円/年)とし翌年度の住民税から控除できます。
・自己資金のみで取得する場合の投資型減税制度
ローンを利用せずに、自己資金のみで取得する場合、住宅ローン減税は利用できません。そこで、耐久性や省エネルギー性に優れた住宅を自己資金のみで取得する場合に、所得税が控除される制度として、投資型減税制度があります。
・その他税金関連の軽減措置
その年分で控除しきれなかった場合には翌年度の所得税から控除が可能のほか、住宅取得時にかかる不動産取得税や登録免許税、固定資産税についても軽減を受けることができます。主なものをチェックしておきましょう。
住宅取得・新築・リフォーム時に使える「補助金制度」
次に住宅取得・新築・リフォーム時に使える補助金制度を見てみます。補助金制度は自治体が個別に設けているケースもありますし、予算が決まっており早い者勝ち、という制度もあります。細かい要件もあるので、住まいを取得する自治体のホームページや補助金制度を実施している団体のホームページ等でこまめにチェックしておきましょう。
※1 注文住宅の新築の場合:2020年10月1日から2021年9月30日まで
分譲住宅・既存住宅取得の場合:2020年12月1日から2021年11月30日まで
上記の期間内に契約をしている場合。この場合には、給付金の対象となる住宅の床面積要件について、50平方メートル以上から40平方メートル以上に緩和。
※2 東京圏から移住するための住宅、三世代同居仕様である住宅、多子世帯が取得する住宅、
災害リスクが高い区域から移住するための住宅のいずれかに該当。
※3 若者・子育て世帯によるリフォームや上記一定の中古住宅購入に伴うリフォームの場合には、最大60万ポイント/1戸に引き上げ。
リフォーム時に使える「減税制度」
耐震改修や省エネ改修など、リフォーム時に使える所得減税制度を確認します。
リフォーム時には、リフォームローンを使った場合、現金でリフォームした場合の2種類があります。
リフォームローンを利用して要件を満たした省エネ改修工事、バリアフリー工事、三世代同居改修工事を
行って居住した場合、年末のリフォームローン残高のうち対象改修工事相当部分の2%とそれ以
外の改修工事相当分の1%について最大5年間の所得控除が受けられます。
なお、この制度は、住宅ローン控除との選択制になっています。
一方で、ローンを使わずに現金でリフォームを実施した場合には、一定の要件の下、あら
かじめ定められた標準的な工事費用の10%相当額が所得税から控除されます。
なお、耐震改修工事をした場合には、住宅ローン控除と併用することができますが、その
他の改修工事をした場合には住宅ローン減税との選択制です。
・控除額の計算式(自己資金でリフォームした場合)
(標準的な工事費用-補助金等)×10%=控除額
<図表6 自己資金でリフォームした場合の控除額の概要>
耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修・三世代同居改修を同時に行う場合の控除対象限度額は950万円(太陽光発電装置設置時は1,050万円)。改修後の床面積が50平方メートル以上であり、補助金控除後の対象改修工事費用が50万円超などの要件、バリアフリー減税を受けるための要件等もあります。
また、一定の要件を満たす各種のリフォームをした場合に、工事翌年(※)の固定資産税の一定割合が減税される、固定資産税の減税制度も用意されています。
※特に重要な避難路として自治体が指定する道路の沿道にある住宅について、耐震改修をした場合は2年間1/2減額、耐震改修して長期優良住宅に該当することとなった場合には、翌年度2/3減額、翌々年度1/2減額。
※2 120平方メートル相当分までに限る、工事費用が50万円超、1982年1月1日以前から所在する住宅などが要件。
※3 100平方メートル相当分までに限る、工事費用が50万円超、賃貸住宅でないことなどが要件。 ※4 120平方メートル相当分までに限る、工事費用が50万円超、賃貸住宅でないことなどが要件。 ※5 特に重要な避難路として自治体が指定する道路の沿道にある住宅について、耐震改修をした場合は2年間1/2減額、耐震改修して長期優良住宅に該当することとなった場合には、翌年度2/3減額、翌々年度1/2減額。
まとめ
住宅取得・リフォーム時には負担を軽減するための政策が多くあります。これらの制度は併用して利用できるものや選択制のものもあります。もちろん要件も細かく決まっているので、自分がどの制度を活用できるのか、選択制の場合にはどれを選択するのが有利なのか、しっかりチェックして使い漏れのないようにしたいものですね。