住宅購入を決断する人や新居へと引っ越しする人、2021年も住まい関連の動きが活発になる時期となりました。国内では新型コロナウイルス感染拡大に伴うワクチン接種が始まり、金融経済にも動きがみられています。このような状況の中での2021年3月の【フラット35】金利動向を見ていきたいと思います。
2021年3月の【フラット35】金利は2ヶ月連続で0.03%上昇
今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利は融資率9割以下、返済期間21~35年、機構団信を含めて1.35%。また融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.26%となり、いずれも2月から0.03%の上昇となりました。
ARUHI住宅ローンの実行金利一覧
建設費または購入価額(以下、物件価格)の1割~5割の頭金があれば、従来のARUHIフラット35よりさらに低金利で利用できる、ARUHIスーパーフラットの各種商品の金利は以下の通りです。
物件価格の4割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6」(※団信込み)は1.15%。
物件価格の3割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7」(※団信込み)は1.20%。
物件価格の2割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8」(※団信込み)は1.25%。
物件価格の1割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット9」(※団信込み)は1.30%となっています。
さらに低金利の住宅ローンの状況は?
2020年10月以降から融資の実行が開始している以下の商品については以下の通りです。
物件価格の5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット5」(※団信込み)は1.12%。
物件価格の3.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット6.5」(※団信込み)は1.17%。
物件価額の2.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHIスーパーフラット7.5」(※団信込み)は1.22%。
物件価格の1.5割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHIスーパーフラット8.5」(※団信込み)は1.27%となっています。
参考:最新の住宅ローン金利はこちら【ARUHIフラット35】
まとめ
最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。
コロナバブルの金利上昇局面にあえて上昇を抑えた2021年3月
2021年3月分の機構債の表面利率は前月よりも0.05ポイント上昇しましたが、【フラット35】(買取型)の金利は0.03ポイントの上昇に抑えられました。
2021年に入ってからは、アメリカのバイデン政権による大型の経済政策が実現するとの期待とワクチンの普及によって世界経済が正常化するとの期待から世界的に株価と長期金利の上昇傾向が続いています。いわゆる「コロナバブル」です。
国内の長期金利の動向としては、日銀の金融政策決定会合で日本銀行が長期金利操作で金利の変動幅を広げる方向に舵を切るとの発言を受けて債券の売りに拍車がかかり金利は上昇トレンドに入りました。
上の表のように3月分の機構債の表面利率の発表前日の長期金利は0.08%となっており、前月から0.04ポイント上昇しています。さらに2月末にかけては0.05ポイント上昇して0.13%台に乗せてきています。
機構債の表面利率はそんな長期金利の先高観を反映して機構債の表面利率は長期金利の上昇幅よりも0.01ポイント高い設定となり0.05ポイントの上昇となっているのです。
【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※)によると良くも悪くも【フラット35】の金利は金融市場の長期金利をダイレクトに反映する傾向があります。通常であれば【フラット35】(買取型)の金利も0.05ポイントの上昇となるのが通例でしたが、あえて0.03ポイントの上昇にとどめられました。これは住宅金融支援機構が0.02ポイント分の損を被っているからです。営利を目的としていない非営利団体だからこその措置です。
実体経済は多くの業界で苦戦を強いられていますが、株価はバブル経済期以来の歴史的な高水準で推移しています。今後も長期金利が上昇していく可能性は十分にあります。今回のことで【フラット35】は金利の上昇局面で有利な固定金利であると言えますので、金利を固定したい方には特におすすめです。
※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。
この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。
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