コリビングとは、複数の人が暮らすシェアハウスと、さまざまな職業の人が一緒に働くコワーキングスぺースが一体化した施設のことをいいます。テレワークでは人との関わりが希薄になりがちですが、コリビングでは人とのつながりを保ちながら働けるという特徴があります。日本では、毎月定額を支払えば複数の拠点に自由に住むことができる「定額コリビングサービス」も増えてきています。
この記事では、コリビングサービスの仕組みやサービスが登場した背景、シェアハウスとの違いなどを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
ウィズコロナ・アフターコロナで高まる需要
コリビングサービスは2010年代に海外で生まれ、すでに日本でも認知されつつあるサービスでした。しかし、コロナ禍でテレワーク化が進んだため、今後はコリビングへの注目が高まることが予想されます。
シェアオフィスやコワーキングスペースと比べて、コリビングサービスは働く場所と住む場所が一体化しているという特徴があります。好きな場所で生活をしながら仕事ができるというところに魅力を感じている人も多く、今後もこのようなコリビングサービスが増えていくと考えられます。
また、コリビングは「人とのつながりを持てる」「余暇をいろいろな場所で楽しく過ごせる」というメリットもあります。自分らしいライフスタイルを考える人にとっても、魅力があるサービスとなっています。
コリビングサービスとは? シェアハウスとの違いも解説
コリビングサービスとは、居住スペースと働くスペースが一緒になった施設「コリビング」に住むことができるサービスです。定額コリビングサービスでは、毎月一定の料金を支払えばそのサービスが保有する複数の拠点に自由に住むことができます。テレワークの普及に伴い日本でもこれらのコリビングサービスに注目が高まっていますが、サービスの詳しい内容やシェアハウスとの違いがわかりにくいと感じる人も多くいます。ここでは、コリビングサービスの仕組みや背景、シェアハウスとの違いを解説していきます。
コリビングサービスの仕組み
コリビングサービスとは、「住むこと」と「働くこと」を両立させた施設を提供するサービスです。料金には水道光熱費やインターネット料金などがすべて含まれており、他の費用がかからないことが魅力です。
定額コリビングサービスでは毎月一定の金額を支払うと、全国にあるさまざまな拠点のなかから住みたい場所を選び、好きなだけ住むことができます。同じ場所に数ヶ月住むこともできますし、一週間ごとに住む場所を変えて旅行気分で仕事をする、という暮らし方も可能です。
コリビングサービスや定額コリビングサービスでは全国の空き家を活用していることが多くなっていますが、キッチンや台所、洗面所などはリフォームされているので快適に使うことができます。また、Wi-Fiや洗濯機などの設備も備え付けられているため、住み始めたその日からスムーズに日常生活を送ることができます。
コリビングサービスや定額コリビングサービスの家では個室のほか、キッチンやワーキングスペース、会議室などの共用スペースも設けられており、住人同士で交流しながら仕事ができることも魅力の一つです。最近はテレワークの普及で、自宅で仕事をする人も増えていますが、人との関わりが少ないことをストレスに感じる人もいます。コリビングサービスや定額コリビングサービスを利用すると、人との交流を保ちながらテレワークができることから、居住しながら快適に仕事もできる場所となっています。
コリビングサービスが登場した背景
コリビングサービスが登場した背景は、主に二つあります。一つ目は、働き方が多様化し、働く場所を自由に選べる人が増えてきたことです。コリビングサービスはコロナ禍の前からあり、比較的自由な働き方ができるシステムエンジニアや芸術家などが利用していました。
しかし、コロナ禍により幅広い企業がテレワークを導入したため、今まで会社に通勤しなければならなかった人でも自宅や旅行先など、好きな場所で自由に仕事ができるようになりました。このような環境の変化から、会社の場所に関係なく「自分の好きな場所に住みながら働きたいと考える人が増え、その結果コリビングサービスへの注目が高まっていると考えられます。
二つ目は、地方で増えている空き家の有効な活用方法として、コリビングサービスが注目されていることが挙げられます。空き家が多く高齢化が進展している地域を活性化させるためには、その地域に「人」を増やすことが効果的です。しかし、企業誘致などはハードルが高く、難しいという現実があります。コリビングサービスの場合は空き家などを利用することで地域に導入することができ、利用者が増えると地域の「人」も自然と増えることになります。このように、コリビングサービスは「人」を呼び込むことができることから、地域活性化の効果的な手段として注目されています。
コリビングとシェアハウスの違いとは?
コリビングがシェアハウスと大きく違うところは、住人が利用できる共用のワーキングスペースがあるという点です。シェアハウスは居住部分とキッチンなどの共用部分がありますが、コリビングはこれらに加えてワーキングスペースが備えられています。そのため、好きな場所に住みながら、快適に仕事をすることが可能となっています。
また、住人同士の交流やコミュニティを重視するところもコリビングの特徴です。コリビングには共同作業ができる広いキッチン、居心地のよいリビングなどが備えられており、住人がコミュニケーションを取りやすいように工夫されています。また、海外のコリビングではスパやジム、図書館などを設置しているところもあり「仕事上の人脈を作る場」としても活用されています。
コリビングサービスを活用する方法を紹介!
コリビングサービスや定額コリビングサービスには共用スペースが設けられており、住人同士が交流できることが大きな魅力の一つですが、住むだけではなく、さまざまな使い方をすることもできます。それでは、コリビングサービスや定額コリビングサービスの活用方法について詳しく紹介していきます。
働く場所として活用する
コリビングサービスは「住居空間と働く空間が一緒になっている」という特徴があります。居住スペースだけではなく共用ワーキングスペースなどの施設も整っていることから、「住む」と「働く」を両立させることが可能です。
コリビングサービスの拠点では、Wi-Fi環境はもちろんのこと、コピー機や会議室、事務所スぺ―ス、モニターやホワイトボードなどの充実した設備が備えられているところもあります。
コリビングではこのように働くための環境が充実していることから、「住む」と「働く」を両立したい人や、職場としてコリビングを活用したい人に適しています。また、ワーキングスペースでは同じようなライフスタイルの人との交流が生まれます。テレワークでは人との交流が少なくなりがちですが、いろいろな人と交流して人脈を作りながら仕事ができることもコリビングサービスの魅力です。
リフレッシュするための場所として活用する
コリビングサービスでは全国のさまざまな拠点に住むことができるので、リフレッシュするための場所としても活用できます。たとえば、都会暮らしの人が地方の拠点を週末だけ利用したり、旅行の際の宿泊施設として利用したりするなど、自由な使い方をすることが可能です。
コリビングサービスを利用すると、まったく知らない場所で生活してみたり、初めての街を散策したり、施設や地元の人との交流を楽しんだりしていつもと違う生活を楽しむことができます。
また、仕事をするための共用スペースも備えられていることから、いつもの環境を離れて一人で集中して仕事をしたい人にも適しています。このように、コリビングサービスはリフレッシュしたいときや集中して仕事をしたいときに活用することができます。
移住先を決めるために一時的に暮らしてみる
地方への移住を考えている人が、移住前にお試しでその地域に住んでみたいという場合にもコリビングサービスが役に立ちます。まったく知らない土地に移住するのは勇気がいることですが、コリビングサービスを使って事前にその地域に住んでみることで、地域の雰囲気や人々の様子、生活のしやすさなどを確認することができ、安心して移住することができるようになります。
コリビングサービスの施設は全国にあるので、候補地をいくつかに絞り、それぞれの場所に実際に住んでみてから移住先を決めることもできます。このように、コリビングサービスは移住を考えている人にとっても心強いサービスといえます。
地元の人と交流する
コリビングサービスの施設は観光地ではなく地元の人々が生活している地域にあることから、イベントやワークショップを通じて地域の人との交流を図れます。また、施設の共用スベースでも、住人同士で交流を持つことができます。
コリビングサービスを利用すると同じようなライフスタイルの人と知り合う機会も多くなることから、人脈や交友関係の幅も広くなります。このように、人とのつながりを持ちたい人、交友関係を広げたい人にもコリビングサービスはおすすめです。
家族で余暇を過ごす
コリビングサービスのなかには家族で利用できる施設もあり、休日を過ごす施設としてもおすすめです。週末や休暇に訪れる別荘のように利用したり、友人家族同士で宿泊して家族間の交流を楽しんだりすることもできます。
コリビングサービスによってはアクティビティを手配してくれるところもあり、釣りやハイキングなどの自然体験ができる場合もあります。このように、家族で余暇を過ごす場所としてコビングサービスを活用することができます。
コリビングサービスのメリットとは?
コリビングサービスにはさまざまな魅力があるため、興味がわいてきたという人も多いのではないでしょうか。ここではコリビングサービスのメリットをまとめましたので紹介していきます。
定額で全国の拠点を利用できる
コリビングサービスでは「住む」と「働く」を両立させられること、住人同士で交流できることが魅力ですが、定額コリビングサービスではそれらの魅力に加えて「定額料金で住みたい場所を自由に選べる」というメリットがあります。定額コリビングサービスでは複数の場所に拠点があることが多く、都会から地方まで好きな場所を選んで住むことが可能です。。また、サービスによっては利用頻度に応じてプランが選べる場合もあり、「月数回だけ利用したい」「数ヶ月続けて住みたい」というように、自分の希望に合った定額コリビングサービスを選べるようになっています。
コリビングサービスと定額コリビングサービスのもう一つのメリットは、敷金・礼金などの初期費用や水道光熱費を別途支払う必要がないということです。決められた定額料金以外には費用が一切かからないため、生活のコストを抑えることができます。
メインの拠点に住民票を移せる
コリビングサービスのなかには、メインで滞在する拠点に住民票を移せる場合があります。住民票を移すとその土地の住民としてさまざまな行政サービスを受けることが可能です。公共施設の利用や公的手続きなども問題なくできるようになるので、コリビングサービスならではのメリットを享受しつつ、賃貸住宅と同じ利便性で生活を送れます。
また、拠点の施設では郵便物や荷物の受け取りなどもできるので、アマゾンなどの宅配サービスも問題なく利用することができます。
まとめ
コリビングサービスを利用すれば、人との関わりを維持しながら「住む」と「働く」を両立させることができます。また、定額コリビングサービスは定額料金で複数の拠点に好きなだけ住むことができるので、いろいろな場所に住んでみたい人、定期的に住む場所を変えて気分をリフレッシュしたい人、旅をするように暮らしたいという人に人気があります。
コリビングサービスを利用すれば、同じライフスタイルの人や地元の人との交流もできるため、人との関わりを大切にしたいと考える人にもおすすめです。
コリビングサービスはさまざまなメリットがある魅力的なサービスです。興味がある人は、ぜひ一度コリビングサービスを体験してみてください。