総務省統計局が毎年発表している家計調査によると、国内の1世帯(二人以上の世帯)当たりの果物の購入金額のうち、4番目に多いのがミカンです。購入量で比較すると、リンゴに次いでミカンは3番目に多く食べられいます。冬になれば、「ミカンのストックを切らさない」という家庭も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ミカンを最も購入している都市をはじめ、地域別のミカンの相場、ミカンのアレンジ方法、上手なむき方などについて紹介します。
ミカンの購入金額が多い都市はどこ?
まずは、総務省統計局の家計調査から、都道府県庁所在市と政令指定都市(川崎市、相模原市、浜松市、堺市、北九州市)のうち、ミカンの購入金額が多い都市をチェックしてみましょう。
1年間でミカンを最も多く購入していたのは、福井市の皆さんでした。ミカンの産地として有名な都市も上位にランクインしていますが、産地だけあってミカンの値段が安いこともあり、購入金額のトップではありませんでした。
ここで注目したいのが3位の富山市。実は富山市は果物全体の購入金額、購入量ランキングで5位にランクインしている果物好きな都市。ミカンとは食べ方や食べるシーンが異なるものの、品種のうえで親戚と言えるオレンジ部門では購入金額、購入量ともに全国1位です。
オレンジ購入金額の全国平均が613円であるところ、富山市の購入金額はその2倍を超える1,268円。富山でオレンジが好まれる理由は、「オレンジは一年中安定して供給されており、価格も安定しているから」と言われています。
なお10年前の2009〜2011年のオレンジの購入金額、購入量のランキングでも富山市が堂々の1位となっています。
ミカンの産地がずらり! ミカン購入量ランキング
では、購入量はどうでしょうか。以下は、1世帯当たりのミカンの購入量が多い上位10都市をまとめたものです。
ミカンの購入量ランキングではミカンの生産地が上位を占めていることがわかります。
これをミカンの収穫量と見比べてみましょう。令和元年のミカンの収穫量全国ランキングは以下の通りです。
ミカンの購入量ランキングの上位が、ミカンの生産地やその近隣県で占められていることがわかりますね。ミカンが大量に出回りやすいうえに、価格が安いことから全国平均を大きく上回る購入量になると考えられます。
ミカンが高い都市&安い都市はどこ?
さて、冬はミカンをたくさん食べてしまいがちですが、ミカン100グラムあたりの値段を考えたことはあるでしょうか?
先ほどのデータから、ミカン100グラムあたりの値段が高い都市ランキングを作成してみました! 一般的なMサイズミカン1つの重さが100グラムといわれていますので、ミカン1つ当たりの値段と読み替えてもよいでしょう。
ミカンの単価が高い都市の上位には日本海側の都市やミカン生産地から遠方の都市がランクインしています。
では、ミカン100グラム当たりの単価が安い都市はどこでしょうか? 安い都市についてもランキング化しました。
ミカンの単価が安い都市は概ねミカンの生産地や、生産地の近くと言ってよさそうです。
気になるのが、トップの長崎市。ミカンの購入量ランキングでは1位なのに、ミカンの購入金額は35位。どうやら長崎市の人は、おいしいミカンを安くたくさん食べているようです。うらやましいですね!
そのまま食べるだけじゃない! おうちで簡単、ミカンの食べ方アレンジ
ミカンはそのまま食べてもおいしいですが、よりおいしさがアップするアレンジ方法があります。学校給食でも大人気の冷凍ミカンの作り方も紹介しますので、いつもと違うミカンを味わいたい人はぜひ参考にしてくださいね。
簡単! トースターで焼きミカン
実はミカンは温めることで甘みがアップします。そこでおすすめの食べ方が、焼きミカン。皮のまま、まるごとオーブントースターに入れて焼くだけなので、手間をかけずに簡単に作れます。
一般的なトースターであれば15分で完成。両面焼きの魚焼きグリルであれば8分程度、片面焼きであれば表裏5分程度ずつ焼けば完成です。
焼きたてのミカンは皮が非常に熱くなっているので、さわれる温度まで冷ましてからむきましょう。
子どもは喜び、大人は懐かしい! 冷凍ミカン
今も昔も学校給食で人気メニューといえば、冷凍ミカン。家で作るときのポイントは「2度目の凍結」です。まずはミカンを水で洗って冷凍庫で凍らせます。凍ったら一度取り出して水にくぐらせもう一度冷凍。これで給食のような氷の膜が張った冷凍ミカンになりますよ。
いつものミカンよりもスペシャル感があるので、子どもたちのデザートにもぴったりですね。
あなたはどのタイプ? ミカンのむき方
ミカンのむき方には正解はないものの、それぞれの流儀があるかと思います。そこでミカンのむき方をリサーチしてみました。
全国的には「裏から」派が多数! 和歌山では…?
まずはミカンのむき方のバリエーションを確認しておきましょう。
・へたから放射線状にむく
・裏から放射線状にむく
・むかずに割る
全国的には、「裏から放射線状にむく」派が最も多いようです。ところが和歌山県では、「むかずに割る」派が大多数を占めます。
さらに「和歌山むき」、「有田むき」と呼ばれるむき方があるようで、半分に割った後、さらに半分に割って4等分にします。こうすることで、スピーディーかつきれいにミカンの皮をむけるとのこと。
これまで挑戦したことがない方は、ぜひ試してみてください。想像以上に簡単かつ、あっという間にミカンを食べることができます。白い筋も一瞬で取れますので、白い筋を食べたくない人にもおすすめです。
ミカンをむくとき、白い筋はどうする?
ミカンのむき方の個人差といえば、「白い筋問題」です。ミカンの皮をむいたときに、実のまわりについている白い筋。「気になるから全部とってしまう派」と「面倒だからそのまま食べちゃう派」に分かれるかと思います。
実は白い筋にはビタミンPが豊富に含まれています。いつもは白い筋を取る派の人も、たまにはそのまま食べるとよいかもしれませんね。
まとめ
ミカンの購入量ランキングは、軒並み生産地やその周辺地域がランクインしていました。一方で購入金額ランキングには、ミカンの生産地から遠方のミカンが高額な地域が入っているなど、ミカンの価格差による購入量の差が顕著に表れていました。
冬にミカンを箱買いする家庭も多いかと思います。ぜひ今回紹介したアレンジ方法や、いつもとは違うむき方に挑戦してみてくださいね。