冬の洋菓子といえばチョコレートを連想する人も多いのでは? 各お菓子メーカーからもさまざまな冬チョコが発売されて、スーパーやコンビニでの買い物がちょっと楽しみになる季節ですね。今回は多くの人々に愛されるチョコレートの、購入金額ランキングをお届けします。上位都市の理由や、世界各国のチョコレート消費量も紹介しますので、ぜひチェックしてくださいね。
チョコレートの購入金額上位10都市
全日本菓子協会の2020年4月発表によると、令和元年のチョコレートの小売金額の総額は、前年比104.8%の5,630億円。ビスケットやおせんべい、洋生菓子、和生菓子などのライバルを抑えて堂々の1位でした。
チョコレートの購入金額の多い都市は、一体どこなのでしょうか? 総務省統計局の家計調査から、都道府県庁所在市と政令指定都市(川崎市、相模原市、浜松市、堺市、北九州市)のうち、チョコレートの購入金額が多い都市をチェックしてみましょう。
1位にランクインしたのは北陸の中心都市、金沢市。金沢市の人たちがチョコレートを好む理由については、後ほど解説します。
2位の札幌といえば、チョコレート菓子のお土産が有名。「白い恋人」などを販売する石屋製菓や生チョコレートで知られるロイズコンフェクトなど、全国的に有名なチョコレートメーカーの拠点があります。新千歳空港内のロイズチョコレートワールドは、ショップ、チョコレートの製造過程やチョコレートの歴史を伝えるミュージアムなどがあり、チョコ好きにはたまらないスポットです。
チョコをあまり食べない? チョコレートの購入金額が少ない10都市
次はチョコレートの購入金額が少ない都市ランキングを紹介します。
チョコレート購入金額が少ない都市は、西日本に集中していますね。
総務省統計局の調べによると、月別のチョコレートの支出金額はバレンタインデーがある2月がずば抜けていて1,376円。これは想像していたとおり、といったところでしょうか。1ヶ月の平均購入金額は488円なので、バレンタインデー周辺には通常月の3倍近くも購入されていることになります。またチョコレートへの支出金額は気温の低下とともに増加して、3月を過ぎると減少する傾向にあります。
チョコレートメーカーは冬にチョコレートの新製品を発売することが多いため、チョコレートへの支出金額が増えやすいのですが、これには気温も関係しているのではないでしょうか。
そこで先ほどのチョコレートの購入金額が少ない都市ランキングに、年間平均気温のデータを加えてみました。
チョコレート購入金額が少ない都市の多くは、西日本の温暖な地域のようです。
また、チョコレートの購入金額が少ない都市の多くは、総じてお菓子の購入金額が少ない都市でもあると言えそうです。菓子類の購入金額が少ない都市ランキングを確認してみましょう。
菓子類の購入金額が少ないランキングの上位と、チョコレートの購入金額が少ないランキングの上位が似た顔ぶれになっていることがわかります。チョコレートの購入金額が少ない都市は、菓子類をあまり購入しない都市と言えそうですね。
菓子類の購入金額が全国で2番目に少ない和歌山市、6番目に少ない長崎市はミカンの購入量の上位に位置しています。チョコレートやお菓子よりも、地元特産のミカンのほうが好まれているのでしょうか。
菓子類の購入金額が最も少ない那覇市は、果物全体の購入金額も熊本市に次いで少なく、お菓子や果物などの嗜好品への出費は少ない傾向です。意外とアルコールや飲料の購入も少ないのですが、実は弁当の購入金額が全国1位となっています。
余談ですが、全国で2番目にチョコレートの購入金額が少ない長崎市ですが、日本チョコレート・ココア協会によると、チョコレートを日本で初めて食べたのは、長崎の遊女であったといわれています。オランダ人から「しょくらあと」をもらい受けたと、当時の記録に記載されているのです。
金沢市民が甘い洋菓子を大好きな理由とは
チョコレートの購入金額が多い都市の1位は金沢市。実は、金沢市は菓子類の購入金額も年間10万3,653円で1位となっています。しかも、ケーキ、和生菓子、洋生菓子、アイスクリームそれぞれの部門で金沢市が1位。なぜ金沢市民はこれほど甘い物が好きなのでしょうか。
実はこの件について、日本アイスクリーム協会が2019年に「金沢アイスクリーム調査報告書」というレポートを作成しています。同レポートは金沢市民がアイスクリームを消費する理由についての見解を述べているものですが、一部チョコレートにも共通する点もあるので紹介しておきましょう。
レポートによると、金沢市民がチョコレート、アイスクリームだけでなく、さまざまなお菓子を購入している理由は、加賀藩初代藩主 前田利家の茶の湯好きに関係があるのだとか。
前田利家は、千利休や織田有楽斎らから茶の湯を学んでいました。茶の湯文化は加賀藩の武家社会だけでなく、武家に出入りする商人に広がっていったと考えられています。お茶の席では必ず和菓子も出されるので、和菓子文化も発達したのです。
これを裏付けるように、金沢は江戸時代末期には日本有数の砂糖の消費地でした。和菓子文化は武家社会から商人の社会、そして庶民に広がっていきます。
また金沢市の世帯収入は全国平均を上回っており、嗜好品や娯楽への支出が多いことから、チョコレートも嗜好品の一つとして多く購入されているとも考えられています。
日本人よりチョコ好き!? 世界の一人あたりのチョコレート購入量
チョコレートの購入金額について、世界へと目を向けてみましょう。以下は世界主要国のチョコレート消費量をランキング化したものです。
チョコレートといえばベルギーを想像しがちですが、実はドイツが最大のチョコ大国。日本は21位で、一人当たりの国内消費量は2.2キログラムです。ドイツは日本の約5倍もチョコレートを消費しています。
ちなみに、チョコレートの本場ドイツのチョコレートは日本でも購入可能。「ミルカ」や「リッタースポーツ」といったドイツチョコは、国内各地に出店しているほか、インターネット通販サイトで入手できます。日本のチョコレートもおいしいけれど、チョコ大国ドイツのチョコレートも試してみたいですね。
まとめ
今回は、チョコレートの購入金額ランキングから、金沢のお菓子文化、世界のチョコレート消費量まで、チョコレートに関するさまざまな豆知識や統計をお届けしました。あなたが住んでいる都市はランクインしていましたか?
冬に本番を迎えるチョコレートシーズン。日本だけでなく世界各国のチョコレートを選択肢に加えると、よりチョコレートライフを楽しめそうですね。