新型コロナウイルスの感染拡大により生活が一変し、今後の生活に不安を感じている人が多いでしょう。なかでも、収入減などお金の問題は深刻です。お金の悩みを解決することを生業とするファイナンシャルプランナー(以下FP)は、現在の状況をどのように考えているのでしょうか。
コロナ禍で、ローン返済や教育費などの悩みをFPに相談する人が増加
株式会社LENDEXがFPを対象に「コロナ禍とお金」に関する調査を実施しました。FPは日々、収入減少によるローンや教育費の悩み、資産運用など、コロナ禍によるお金の悩みについて相談を受けています。実際のところ、相談者数が増えているか問うと、71.7%のFPが「増えている」と回答しました。
コロナ禍によってどんな相談が来ているのか聞くと
・家計費、住宅ローン、教育費(30代/女性/東京都)
・収入が激減してローンが払えないという相談が多い(40代/男性/北海道)
・資産運用の相談が増えている(40代/男性/東京都)
・保険の見直しや資産運用(50代/女性/埼玉都)
などの回答が寄せられました。収入減少によるローンや教育費の悩み、資産運用といった相談が挙がっています。
普段からお金の悩みがある人は多いですが、コロナ禍によって一気に加速したのかもしれません。まだ先の見通せないコロナ禍において、お金の悩みは早急に解決したいところです。そうした状況下、今後の平均貯蓄額はどのように変化していくのでしょうか。
コロナ禍を経て貯蓄は増える? 減る?
そこで、コロナ禍をきっかけに、今後平均貯蓄額はどのようになっていくと思うか質問したところ、「大きく減る」が13.1%、「減る」が37.5%なのに対し「大きく増える」が14.7%、「増える」が34.7%と、大きな差はなかったものの、平均貯蓄額は「減る」と回答した人が上回る結果となりました。
コロナ禍による収入減少にともない、貯蓄を切り崩さなければいけないなどの理由で貯蓄額が減ると考えられる一方で、特別定額給付金の支給や外出自粛による娯楽支出の減少といった貯蓄額が増える側面もあります。FPでも、今の状況を読むことが難しいと予測できます。今後の平均貯蓄額は、新型コロナウイルスの感染状況によって変化が生じるかもしれません。
コロナ禍で消費が落ち込んだ「交遊費」「旅行などの外出」「外食代」
貯蓄を切り崩さなければならない人が多い反面、特別定額給付金の支給や外出自粛による娯楽支出の減少といったお金が貯まりやすい状況も生まれていますが、コロナ禍により、消費支出はどのように変化しているのでしょうか。
コロナ禍により消費が落ち込んでいると思うか質問したところ、87.4%のFPが「落ち込んでいると思う」と回答。お金のプロから見ても、コロナ禍で消費が落ち込んでいることは間違いないようです。
では、落ち込みが顕著にあらわれているのは、どのような項目なのでしょうか。複数回答で質問をしたところ「交遊費」が62.5%と最も多く、次いで「旅行などの外出費」が54.1%、「外食代」が50.7%、「食費」が36.2%、「酒・タバコなどの嗜好品」が19%と続きました。
FPが消費の落ち込みについて注意していることとは?
コロナ禍により交遊費や旅行などの外出、外食代といった個人消費が落ち込んでいることに対し、FPはどういった点に注意しているのでしょう。詳しく聞いてみると
・生活に必須な物以外の支出は減らし、安易に債務を増やす事はしない(30代/男性/東京都)
と日頃の心がけにより支出をできるだけ減らすことを提案する回答や
・消費の落ち込みが少ない、あるいはむしろ増加している業種を把握する(50代/男性/神奈川県)
と仕事の業種を変えることで収入の安定を図るFP、
・収入が減った人は現在加入の貯蓄商品を解約するか減額すると思うので個々にあったアドバイスをしていきたい(40代/女性/富山県)
・分散投資の継続とハイリスクハイリターン商品の見直しをする(50代/男性/東京都)
など保険や投資の有効な活用方法をアドバイスしたいと考えるFPの声もありました。
まとめ
コロナ禍の影響で「残業ができない」「手当が付かなくなった」「ボーナスの支給額が減ってしまった」など、収入減の憂き目に遭った人は多いでしょう。収入が減少しているのに今まで通りの生活を続けていては、家計が火の車となるのは時間の問題です。心当たりがある人はFPに相談のうえ、家計の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
「コロナ禍とお金に関する調査」
調査対象:ファイナンシャルプランナー1,122名
調査方法:インターネット調査
実施期間:2020年12月9日~12月10日
実施機関:株式会社LENDEX
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:株式会社LENDEX