新型コロナウイルスが依然として猛威を振るうなか、感染予防策の一環としてテレワークが推進されるなど、自宅で過ごす時間が長くなり「より快適な住まいで過ごしたい」を考える人が増えています。また、気象庁の発表によると、2020年の冬はラニーニャ現象の影響で寒冬の傾向となることが予測されています。
近年、住設系メーカーなどで、断熱に注目した製品の開発や実証実験などが多く行われるようになりましたが、マイホームで暮らす人々は住まいの断熱に対し、どのような意識を持っているのでしょうか。
6割以上の人が「断熱」に関心あり
リノべる株式会社が、住まいの断熱および窓に対する意識や対策状況について調査を実施。断熱に対する関心の有無を問うと、61.6%の人が「関心がある」と回答しました。断熱は寒さを防ぐだけでなく、夏の暑い外気も防ぐ効果があります。昨今の異常気象により、今年の夏も熱中症による死亡者が増加し、この冬も大変厳しい寒さが予想されています。今後も断熱に関する関心は益々高まりそうです。
「断熱」でイメージする家のパーツは1位「壁」、2位「窓」
「断熱」と聞いて、住まいの中のどのパーツをイメージするか聞くと、「壁」が最多で41.8%、「窓」が33.8%、「床」が9.6%、「天井」が5.8%という結果に。外部と接する面積が大きいパーツが、断熱のイメージと結びつく結果となりました。ちなみに、YKKAP株式会社のシミュレーションによると、冬に壁が流出させる熱の量は19%、床は9%で、住まいの熱を大きく逃がしているパーツとは言えません。実際には、「窓」が最も熱を流出しているパーツです。壁の断熱材は住宅の建築現場などで見る機会が多いため、視覚的にもわかりやすいことからイメージされやすいのかもしれません。
冬は室内の熱の52%が「窓」から流出。夏は74%の熱が流入
人々は、住まいから逃げるすべての熱の量に対し、窓から逃げる熱の量はどの程度だと思っているのでしょうか。調査の結果、「すべて逃げない」と考えている人から窓から逃げる熱量を4割以下と予測している人まで、合わせて42%の人が「実際に逃げる熱の量よりも少ない」と予想しています。
実際のところ、冬に室内の熱の52%が窓から流出し、夏は74%もの熱が流入しているというシミュレーション結果が出ています。夏に窓際にいると暑いのは、直接日差しが当たるなど、大量の熱が入っているからです。しかし、調査で「わからない」と回答した方が 16.4% もいるように、窓から熱が流出・流入しているというイメージが、多くの人にとってないようです。
断熱対策をする人としない人の違いは?
窓の断熱対策に興味があると回答した人に、窓の断熱対策を行っているか質問をしたところ、45.4%の人が「行った」と回答。半数以上の人が、興味はあっても断熱対策をしていないことがわかりました。
窓の断熱対策をしていない人に理由を聞くと、「方法がわからなかった」人が31.9%、「効果がわからなかった」人が19.5%と、合わせて51.4%の人が「わからない」ことを理由に実施しなかったことが判明しました。また、費用や効果などを知った上で「実施しない」と判断した人は、21.6%に留まりました。
一方で、窓の断熱対策を実施した人に理由を問うと「効果が明確だったから」が56.5%で最多となり、効果が明確であることが行動につながる結果となりました。
まとめ
今回の調査では、断熱に興味はあるものの、実際に対策を行っている人は少ないことや、熱が窓から流出しやすいことを知らない人の多さが浮き彫りになりました。「冬は家の中が冷え込む」と感じている人は、窓の断熱対策を実施してみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
「住まいの断熱に対する意識調査」
調査対象:20代~50代の東京、神奈川、埼玉、千葉にお住まいの住宅所有者550名
調査方法:webアンケート方式
実施期間:2020年11月25日~2020年11月26日
実施機関:リノベる株式会社