共働き夫婦が家事やお金で「トラブル」になるパターン、不公平感をなくすコツは?

家事や生活費を分担している共働き夫婦は、負担のバランスをしっかり話し合うことが大切です。どちらかが不公平感や不満を抱えていると円満な関係を築くことができません。この記事で紹介するトラブルになりがちなパターンを参考に、お互いが気持ちよく生活するためのルールを話し合ってみましょう。さらに、不公平感をなくすコツも紹介します。ぜひご参考ください。

共働きの夫婦が家事やお金のことでトラブルになるパターンとは?

「うちの夫婦はうまくいっている」と思っていても、じつは相手は笑顔のうらでぐっと我慢しているのかもしれません。いずれストレスから体調を崩したり、離婚に発展したりする可能性はゼロではないでしょう。ここでは、共働き夫婦にありがちな役割分担にまつわるトラブルを紹介します。

家計管理が平等でない

お互いに収入がある共働き夫婦では、家賃や生活費をどちらが負担するかでトラブルになることが少なくありません。それぞれが自分の収入を管理している場合やどちらか一方が家計を管理している場合には、負担割合が平等かどうかわかりにくく、ふとしたことで不満を感じがちです。子育てやマイホーム購入など、将来に向けた夫婦の貯金ができているのかいないのかも気になるところでしょう。

共働きでも妻が多くの家事を負担している

共働きでも、基本的には妻が家事を担っているという夫婦は少なくありません。夫が身のまわりのことを母親に任せきりだったり、「男は仕事、女は家庭」という固定観念を持っていたりする場合にみられがちなパターンです。また、夫の帰宅が遅く、家事に時間が割けないというケースもあります。この場合、「仕事がラクなほうが家事をやるべき」といった考え方ではケンカになってしまうでしょう。このほか、「夫が自発的に家事をしない」「やってもいい加減」などの不満を持つ妻も多いようです。

経済力が家事の負担にも影響する

収入に差がある共働き夫婦では、収入に応じて生活費の負担割合を決めることがあります。そこで問題になるのが、経済力が家事の負担にも影響するということです。収入の高いほうが自分の意見や要望を強く主張する傾向があり、相手に家事を押しつけがちです。収入の差があったとしても、外で働き、疲れて帰ってくるのは同じです。収入が少ないことを理由に家事負担を増やされるのでは、どうしても不満がたまってしまうでしょう。

妻の妊娠や出産で収入が減る

妊娠・出産で妻が休職する際、家で過ごす妻にすべての家事を期待する夫は多いようです。しかし、身重のからだには負担が大きく、妻はストレスを感じがちです。育児中は子どもに手がかかるため、家事がおろそかになってしまうのは仕方がありません。そこへ夫が不満をもらすとトラブルにもなりますし、「夫の思いやりのなさにショックを受けた」という妻の声も聞かれます。

また、妻が産前産後休暇や育児休暇を取得しているあいだは、そのぶん減収となり、家計に影響を与えます。お金の使いみちなどで言い争いになることもめずらしくありません。

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共働き夫婦は家事とお金をどのように分担している?

共働き夫婦の家事とお金の分担ルールは、その家庭ごとに異なります。ここでは、よくあるパターンとそれぞれの問題点や注意点について解説します。

家事も生活費も平等に分ける

収入差が少なく、まだ子どものいない共働き夫婦に多いのが、家事も生活費も平等に折半するというパターンです。夫も妻も一通りの家事ができればスムーズに実現できますが、そうでなければどちらかの負担が大きくなってしまいます。その場合には「できること・できないこと」で分担するなど工夫するとよいでしょう。

子どもが生まれたときにどのように家事・育児を分担するかも話し合っておく必要があります。それまでに夫が家事を覚えたり、苦手な家事を克服したりすることで、妻の負担が軽減できるでしょう。

収入に応じて生活費を分け、家事も分担する

子どもがいなくて収入差がある共働き夫婦の場合には、収入に応じて生活費を負担し、家事もそれぞれの仕事の都合で分担するパターンが多いようです。この場合、収入に対する負担割合を同じにする、家事は当番制にするなど、お互いがなるべく不満を持たない工夫が必要です。早く帰宅するほうが家事の負担が大きくなることや、子どもが生まれたらどう分担するかなどを話し合い、夫婦で納得できるルールを作っていきましょう。

主要な生活費は夫が払い、妻が基本的に家事をする

夫が生活費を稼ぎ、妻が家事を担うパターンは、昔ながらの日本の夫婦像ともいえるでしょう。ただし、妻が働いている場合は、家事や育児の負担が妻に大きくのしかかります。政府は2020年に13%、2025年には30%を目標に男性の育児休業取得を推奨していますが、まだまだ周囲の理解が少ないのが現状です。また、夫が「家事や育児は妻の役目」という考えを持っていることもあります。この場合には、夫の意識改革から始める必要があるでしょう。

参考:なぜ今、男性の育児休業なのか?|厚生労働省

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家事をお金に換算するといくらになる?

家事の大変さは、お金に換算するとイメージしやすいかもしれません。家事の代わりに外へ出て働くケースと、家事を専門業者に依頼したケースとで考えてみましょう。

家事をする代わりに外で仕事をした場合

2019年3月に厚生労働省から発表された「賃金構造基本統計調査」によると、外で働いた場合の平均賃金は男女あわせて3,062,000円(年齢42.9歳・勤続年数12.4年)となっています。家事スキルを生かせる産業でみてみると、次のようなデータが発表されています。

引用:平成 30 年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省

家事をする代わりに外へ出て働いたと仮定すると、年間でこれだけの収入を得られるということです。

家事を専門の業者へ依頼した場合

家事代行サービスの料金相場は1時間あたり2,000~3,000円ほどです。1日7時間分の家事に換算すると、1日で14,000~21,000円、1ヶ月(30日間)では約42~63万円もの費用がかかることになります。基本的なサービス内容は、部屋の片付けや掃除機かけ、食器洗い、トイレやお風呂の掃除など、日常的に行われることです。こうしてお金に換算すると、家事が価値のある労働と感じられるのではないでしょうか。

家事やお金の不公平感をなくすコツ

共働き夫婦が家事や生活費に関する不公平感をなくすには、どのような点に気をつけたらよいでしょうか。毎日を円満に過ごすために注意したいポイントについて解説します。

家事を分担する

職業や勤務形態などが違っても、外へ出て働いているという点では変わりません。家事はできるだけ二人で分担することが夫婦円満のコツです。負担が偏らないように、ある程度のルールを決めておくとよいでしょう。しかし、いかなるときもルール厳守というわけにはいきません。急な残業や体調がすぐれないときなどは、お互いに相手を思いやり、柔軟に対応することが大切です。

それぞれの収入や支出を明確にする

家事や生活費の分担を決める前に、それぞれの収入と支出を明確にしておきましょう。自分が負担する生活費以外をすべて自由に使っていたら、いつまでたっても夫婦の貯金はできません。子育てやマイホーム購入など将来のための貯金は必要ですし、病気やケガでどちらかが働けなくなれば一人分の収入で家計をやりくりしなくてはなりません。

また、相手の収入がわからなければ、「もしかしたら、自分のほうが負担が大きいのでは」といった不公平感も芽生えがちです。家事や生活費の分担をフェアに行うために、いざというときに困らないために、毎月の収支を把握してふたりで共有するようにしましょう。

お互いに感謝の気持ちを伝える

夫婦とはいえ元は他人です。一緒に生活してはじめて価値観の違いに驚くこともあるでしょう。家事一つとっても、自分とは違うやり方に不満やストレスを感じがちですが、そのたびにダメ出しをしていてはケンカが絶えない家庭になってしまいます。

また、「養ってやっている」「家事をしてやっている」といった上から目線の考えもNGです。結婚は二人で決めて始めた共同生活です。「家計を支えてくれてありがとう」「家事をしてくれてありがとう」など、お互いに感謝の気持ちを言葉にして伝えあいましょう。夫婦で協力していることが実感でき、不公平感が少なくなります。

まとめ

家事や生活費の分担についての考え方は家庭によって違います。どちらかに負担が偏っていても、本人が不満を感じていなければ問題はありません。しかし、我慢が続くとストレスになり、やがては大きなトラブルに発展することもあります。

そうならないためには、夫婦で家事や生活費についてしっかりと話し合い、お互いが納得できるルールを作っていくことが大切です。そして、おりにふれて感謝の気持ちを伝えていくことが円満な家庭を築く秘訣といえるでしょう。

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