共働き世帯の増加にともない、子どもがいる女性の多くが仕事と家事を両立しています。そうしたなか、新型コロナウイルスの感染防止のため自宅で過ごす時間が増えるなど、私たちの生活スタイルが大きく変わりました。コロナ禍を経て、自由に過ごせる時間はどのように変化したのでしょうか。
子どもがいる女性の自由になる時間帯1位は「22時~深夜0時」
人材サービス「しゅふJOB」の調査機関しゅふJOB総研が、「自由時間」をテーマとして働く主婦層にアンケート調査を実施。1日のなかで自由になる時間を、コロナ禍の前と後それぞれで聞きました。
コロナ禍の前は、「22時~深夜0時」が最も多く46.6%、次いで「20時~22時」が31.5%、以下「12時~14時」が21.6%、「10時~12時」が21%、「14時~16時」が18.8%という結果でした。
コロナ禍の後も、最も多かった時間帯は「22時~深夜0時」で42.7%、次いで「20時~22時」が34.3%、以下「10時~12時」が24.9%、「14時~16時」が22.5%、「12時~14時」が22.4%で、コロナ禍の前と同様の時間帯が上位に挙がりました。
30代女性の約2割が、コロナ禍の後「自由時間がない」と回答
続いて、1日のなかで自由になる時間を年代別にチェックしてみましょう。子どもがいる30代以下の女性を見ると「自由な時間がない」と回答している人が多く、コロナ禍の前は14%でしたが、コロナ禍の後は20.4%に増加しています。
30代以下の場合、他年代よりも子どもの年齢が低いケースが多く、子育てに手間がかかることが要因の一つとなっている可能性が考えられます。
40代女性は、仕事や子育てを優先して時間を使う傾向
子どもがいる40代女性の自由になる時間は他世代と同様「22時~深夜0時」が最多ですが、コロナ禍の後に減少し、「10時~12時」「20時~22時」といった時間帯を自由時間とする人がやや増加しています。「自由な時間がない」と回答している人はコロナ禍の前が11.4%だったところから、コロナ禍の後には16.4%まで増加しています。その理由としては
・母子家庭なので自分の時間は持てなくても良い。医療機関勤務の仕事で疲れて、余裕がないので、今後子どもたちとの時間を増やしたい。自分の体も労われる職場に転職したい(40代:正社員)
・普段からなかなか思うように時間が作れない。仕事と子育てのため(40代:パート/アルバイト)
・元々育児をしながら働いていたので、夫が育児を代わってくれる週1回の夜しか自由な時間がありませんでした。今は育休中なので、基本的に自由な時間は全くありません。本当は趣味のスポーツや、試験の勉強に時間を取りたいと思っていますがコロナ禍では諦めています(40代:正社員)
など、仕事や子育てに奔走する女性の声が相次ぎました。
50代女性は自由な時間を確保している人が多く、時間帯が分散
50代になると「自由な時間がない」という回答者はコロナ禍の前が3.7%、コロナ禍の後でも8.8%にとどまり少数派です。各時間帯ともに、コロナ禍の前よりも後の方が自由な時間をとれている人の割合が多く、時間帯は他の世代と比べて分散傾向にあります。
自由な時間がない人に理由を問うと
・自分の為だけに自由に使える時間が激減してストレスが溜まっています。夫が退職したら再び同じ状況になるので、お互いにストレスを感じずにそれぞれの時間の持ち方を考える必要があります。良い解決策を見つけたいと思います(パート/アルバイト)
・仕事を掛け持ちしているが、家事の量は減らない。減らないどころか増えている。配偶者は私を捕まえては数時間怒鳴る。睡眠時間は3時間。安全に眠りたい(50代:契約社員)
といった声が寄せられました。新型コロナウイルスの感染拡大により働き方が変わり、在宅ワークが増えたり、家族の帰宅時間が早まったりする家庭が少なくありません。その結果、家族が顔を合わせる時間を持て余したり、家事の負担が増えたりといった弊害が起きている様子が伺えます。
まとめ
今回の調査結果により、「自由な時間がない」と回答した人の比率がコロナ禍後に上昇していることがわかりました。その一方、自由時間として選択している人が各時間帯で増えている傾向もうかがえ、自由時間の二極化が進んでいるといえそうです。皆さんもこれを機に、家で過ごす時間について考えてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
「自由時間に関する調査」
調査対象: ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト「しゅふJOBパート」登録の子どもがいる女性670名
調査方法:インターネットリサーチ(無記名式)
実施期間: 2020年7月15日~2020年7月22日
実施機関:しゅふJOB総研