2019年、金融庁が公表した報告書から端を発した「老後資金2,000万円問題」が世間を騒がせました。老後にどれだけの老後資金を確保すべきなのか、それは年金生活に入ったときの状況や家族構成などにより異なりますが、どれだけの人が老後資金を確保できているのでしょうか。
老後資金を確保できている人は、わずか2割
JSKパートナーズ株式会社が、全国の30代~50代の男女を対象に、「老後資金」に関する調査を実施。老後資金の確保ができているか質問したところ「全くできていない」が41.4%、「あまりできていない」が37.7%で、合わせて8割近くの人が老後資金を確保できていないと感じていることがわかりました。老後資金の確保について「まだまだ先のこと」と、思っている人も多いのかもしれません。
では、将来老後資金としていくらくらい、確保できる目途が立っているのでしょうか。老後資金はいくら確保できそうかと質問したところ、「300万円未満」が39.3%と最も多く、次いで「500万円以上1,000万円未満」が15.6%、「1,000万円以上2,000万円未満」が14%、「300万円以上500万円未満」が11.7%と続きました。人によって確保できる金額は様々ですが、「老後2,000万円問題」で必要と想定されるような金額を準備できる人は少ないようです。
30代~50代の約4割が、貯蓄額は100万円未満!
それでは、30代~50代の人はどのくらい貯蓄額があるのでしょうか。現在の貯蓄額を調査したところ、「100万円未満」が41.6%と最も多く、次いで「1,000万円以上」が18.3%、「100万円以上300万円未満」が15.1%と続きました。
約4割の人の貯蓄額が100万円未満という結果や、前問で老後資金を確保している人が少なかったことから推測できる通り、将来を見通して計画的に貯蓄をしている人は少ないのかもしれません。
年金受給額に期待はしていないものの、ある程度は当てにしている!?
自身が年金を受給する際、現在と比較してどのように変化していると思うか聞くと、78.6%の人が「減っていると思う」と回答しました。約8割の人が、自身が年金を受給する頃には受給額が減っていると考えているようですが、将来支給される予定の年金を、どの程度生活費として当てにしているのでしょうか。質問したところ、「当てにするつもりはない」が29.1%と最も多い結果に。その一方で、半数以上の方が「3割程度当てにできると思う」が26.9%、「5割程度当てにできると思う」が28.6%と、半数以上の人がある程度は年金を当てにしていることがわかりました。年金を当てにしている人は少ないものの「生活費の足しになれば」と考えている人は多いようです。
年金に頼らない生活を将来求められるかもしれないことから、年金以外にも老後資金を自分で確保する必要がありそうですね。
約8割の人が「年金制度には期待していない」
前問により、年金を生活費として当てにしている方が少ないことが分かりました。それでは、今後の年金制度に期待している人はどのくらいいるのか調べたところ、77.9%の人が「期待していない」と回答。少子高齢化が進んでいることから「年金の受給額が減ってしまうのでは?」と考えている人が多いこと、新型コロナウイルスの感染拡大により感染対策や経済対策に多くの財源を使った今、より一層年金を受給するのが難しくなると考えている人も多いことから、年金には期待していない人が大半を占めました。
まとめ
今回の調査結果により、8割近い人が年金制度には期待していないものの、まだ老後資金を確保ができていないことが判明しました。回答者の約4割は貯蓄額が100万円未満という事実も明らかになり、老後資金の準備が必要な事実が浮き彫りになりました。老後に向けた資金を早めに蓄え、間際になって慌てることのないようにしたいものですね。
【調査概要】
「『老後資金』に関する調査」
調査対象: 全国の30代~50代の男女1,081名
調査方法: インターネット調査
実施期間:2020年10月22日
実施機関:JSKパートナーズ株式会社
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:JSKパートナーズ株式会社