新型コロナウイルス(以下「新型コロナ」)の感染拡大が続いている2020年秋。毎年心配になる秋から冬のお部屋の乾燥対策、加湿方法に加え、新型コロナの感染防止に重要な換気について解説していきます。具体的にはエアコンで暖房する場合のポイント、加湿器の選び方と使い方、エコ加湿の方法を、ご紹介していきます。
お部屋の乾燥を防いで健康で安全な生活!
新型コロナの感染防止には、室内の換気が重要です。お部屋の換気をすることで室温が下がり、乾燥対策にもなるのです。
新型コロナの感染防止には、常に室内の空気をきれいにする換気が必須。インフルエンザをはじめとする感染症ウイルスは、低温と乾燥した環境を好む傾向があります。お部屋が乾燥すると、のどの粘膜も乾きやすくなり、体の防御機能を充分発揮できなくなります。また、肌荒れ、肌のかゆみなどが秋冬に出るのも、やはり空気の乾燥が原因です。部屋の乾燥対策をしておけば、万一火事になったときでも火の回りが遅くなるというメリットがあります。
【お部屋の換気と加湿対策のメリット】
・新型コロナの感染防止対策になる
・インフルエンザなど感染症の予防ができる
・のどの痛みなどを防げる
・肌荒れ、肌のかゆみを防げる
・火事にあったとき火の回りを遅くできる
部屋の暖め過ぎに注意、換気で室温調整することが乾燥対策に
感染防止対策として有効な「こまめな換気」。
この「こまめな換気」が、実は室内の乾燥防止につながります。外の乾いた空気が入って乾燥するのでは? と思うのが普通ですが、このメカニズムをご説明します。
日常でいう「湿度」は、「相対湿度」のことです。相対湿度とは「空気が含むことができる最大の水蒸気量『飽和水蒸気量』に対して、実際の水蒸気量がどれだけあるかの割合」のことです。
閉め切ったお部屋では、基本的に水蒸気量は変わりません。
仮に、空気1立方メートル中に4.7グラムの水蒸気があったとします。
室温10度のときの空気が含むことができる最大の水蒸気量「飽和水蒸気量」は9.4グラム。
この場合、相対湿度は9.4÷4.7=50%となります。
室温20度となると飽和水蒸気量は17.3グラムです。
この場合、相対湿度は17.3÷4.7=27%に下がってしまいます。
つまり、室温が上がると相対湿度は下がりがちになりますから、暖め過ぎがお部屋の乾燥につながってしまうのです。
エアコンと加湿器で上手に乾燥対策
エアコンで暖房する場合、加湿器を合わせて使いましょう 。選ぶポイントには加湿方式やかかる電気代などがありますが、加湿能力を重要視することをおすすめいたします。
製品それぞれに、適用床面積が表示されています。適用床面積はあくまで目安。天井の高さ、壁や床などの材質、部屋の構造などで加湿される状況が変わってきます。
加湿能力が足りないと、当然、必要な湿度にはなりませんので、加湿機能に少し余裕のある機種を選ぶようにしてください。
置き場所も大事です。加湿器の置き場所は、「部屋中に満べんなく水蒸気が行き渡る」「壁や窓などが結露しない」などの点に注意して置きましょう。
置き場所と置き方、置いてはいけない場所を以下にまとめました。
【加湿器を置く場所と置き方 】
リビングの中央
…加湿効果が充分になるよう水蒸気の吹き出し口が床から70~100cmの高さに置く
エアコンの吸込口近く
…エアコンの送風機能を使ってお部屋全体に水蒸気を含んだ空気を送る
【加湿器を置いてはいけない場所】
床から70cm未満の高さ
…加湿器の水蒸気吹き出し口の高さが低いと加湿効果が下がる
出入り口の近くや換気扇の真下
…空気の出入りが激しく加湿効果が下がる
壁際
…壁のカビ発生の原因になる
窓の近く
…結露防止のため
エアコンで暖房する場合、湿度計はお部屋の乾燥対策、加湿には欠かせません。お部屋の湿度は必ずチェックしましょう。
エコ加湿! 加湿器に頼らずとも乾燥は防げる!
加湿器が用意できないという状況でも、お部屋の湿度を上げることができます。「いつもの家事・生活」「インテリア」「あったか」の3つのテーマでエコな加湿方法をご紹介しましょう。必要なのはちょっとした工夫だけ。すぐに始めることができます。
(1)いつもの家事・生活をしながら加湿!
日常生活のなかで加湿に役立つ代表は、次の4つです。
【いつもの家事・生活で加湿する4つの方法】
洗濯物の部屋干し
エアコン暖房と併用していれば洗濯物も早く乾くので、一石二鳥です。
フローリングの水拭き
水拭きしても大丈夫な素材のフローリングの場合です。素材が水に弱い場合は、ガラス窓などを水拭きしましょう。
入浴後にバスルームのドアを開けておく
入浴後の水蒸気を活かせるように、換気扇は回しません。
電気ポットではなくヤカンでお湯を沸かす
ヤカンのお湯から出る水蒸気を活かします。煮炊きも同様の効果があります。
(2)おしゃれにインテリアで加湿!
お部屋をおしゃれにしながら、湿度を上げることのできるのがインテリア加湿です。楽しみながら、上手に加湿してください。
【おしゃれで楽しめるインテリア加湿法】
アクアリウムを置く
水槽にヒーターを入れて水温を高めにしておくと、加湿能力が上がります。
観葉植物や生花をお部屋に
葉から水蒸気を放出するだけではなく、空気もきれいにしてくれます。
グラスディスプレー
ワイングラスやガラスコップに水を入れておしゃれに並べてみましょう。
室内すだれとミスト
室内にエスニックなすだれなどを掛けて湿らせます。直接、空中への霧吹きするのも即効性があっておすすめです。
(3)おしぼりや耐熱食器を使ってあったか加湿!
ホテルに泊まったときに、部屋の乾燥対策として、「バスタオルをぬらして干した」「バスタブにお湯を張ったままにした」という人はいらっしゃいませんか? 自宅なら、もっと楽しんで加湿できます。
【あったか加湿法を楽しむ】
おしぼりディスプレー
おしゃれなお皿に加熱したおしぼりを並べます。お皿やおしぼりのデザインによっては、素敵なディスプレーにもなるでしょう。
耐熱食器プラスお湯張りディスプレー
耐熱食器にお湯を入れて並べます。食器の材質やデザイン、食器の置き方次第で見た目にも楽しくなりますよ。
まとめ
2020年の秋冬に重要な、換気と加湿による乾燥対策の具体的な注意点と方法をご説明しました。
2020年9月24日に記者発表された東京都の新型コロナ感染状況などを分析・評価する「モニタリング会議」の分析結果では、家庭内感染が40%(※)という状況です。
上手な換気と加湿で、withコロナ時代初の秋冬を乗り切りましょう。