新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの日常生活は大きく変わり、取り巻く状況は未だ不透明です。収束まで時間がかかりそうななか、仕事をしながら保育園や幼稚園に通う子どもを育てる保護者たちは、どのような悩みを持ち、withコロナ時代の子育てに対応しているのでしょうか。
新型コロナの影響で、保育園のイベントが7割以上中止や縮小に
株式会社明日香が、「コロナ禍の子育て実態調査」を目的にアンケート調査を実施。新型コロナウイルスによる影響が今後も続くことが予想されるなか、子どもが通う保育園や幼稚園で9月以降の園内行事・イベントの予定がどのようになっているか問うと「すべて中止」が17.7%、「一部中止」が24.8%、「縮小して実施」が35.6%という回答となりました。
保育園の再開を受け、多くの家庭で感染症対策に取り組み
新型コロナウイルス感染の第一波が終わり、多くの保育園が再開していることを受け、家庭で感染症対策に取り組んでいるか質問したところ、「取り組んでいる」が75.3%、「検討中」が16.8%でした。
感染症対策に取り組んでいる人に、具体的な取り組みの内容を聞くと「手洗い・うがい」「人ごみを避ける」「マスクをする」「手指のアルコール消毒」「毎日の消毒と除菌」といった回答があり、なかには「保育園から帰ってきたらすぐお風呂に入って全身を洗う」という声もありました。
家庭での感染時、対応に意見さまざま
家庭内でパートナーや子どもが新型コロナウイルスに感染した際の対応について、話し合いの機会を設けているか質問したところ、「話し合っている」が48.5%、「検討中」が22.8%という回答でした。
話し合いをしている人に、家庭で検討している感染時の対応を問うと、「別室隔離にする」「洗濯物を全部別洗いにする」「除菌対策を徹底する」「検温する」という回答がある一方、「隔離するほど部屋数がないので何もできない」「隔離中の買い物が困る」「金銭面も心配」など、感染時にどこまで対応できるのか不安視する声も挙がりました。
コロナ禍の子育ては、子どもの安全面やストレスの解消がカギ
今後も新型コロナウイルスの影響は続くと予想されます。他の感染症も増えてくる本格的な秋・冬に向け、育児に関する悩みがあるか質問したところ、76.2%の人が「悩みがある」と回答。「悩みがない」人はわずか22.8%でした。
悩みがあると回答した人にその内容を問うと、「どこで遊べばいいか」「子どものストレスを発散する方法」など子どもが安全にストレスなく過ごす方法に悩む回答や、「先生や親同士の会話ができないことがストレス」など親としての苦労を滲ませた回答が相次ぎました。
テレワーク勤務でも、ほとんどの保護者が「子どもの預け先は必要」
今回の調査は保育園・幼稚園に通う子どもを持ち、会社勤めの保護者に対しておこなっていますが、勤務先でテレワークが実施されているか問うと、約半数にあたる50.5%の保護者が「実施している」と回答。「一部実施している」の20.8%も含めると、7割以上の保護者がテレワークを行いながら子育てをしていることがわかりました。
「実施している」「一部で実施している」と回答した保護者に、子どもの預け先施設の必要性をどう感じているか聞くと、「必要性を強く感じる」が50%、「必要性を感じる」が47.2%で、ほとんどの人が必要性を感じているという結果になりました。
「必要性を強く感じる」「必要性を感じる」と回答した人の思いをフリー回答で求めると「家で仕事するにも子どもが小さいと目を離せないので、預かってほしい」「テレワークだからと言って、仕事中は子どもに一切構えないので、保育園がないと無理」といった切実な声が挙がりました。
まとめ
今回の調査により、家庭で新型コロナウイルスに感染した際の対応について約半数の保護者が話し合いを行っているものの、いざ感染してしまっても「隔離する部屋がない」「自宅待機や隔離中の買い物が困る」など課題を抱えていることが浮き彫りになりました。また、終わりが見えないコロナ禍の育児や、テレワーク中の子どもの預け先といった問題も抱えています。「保育園に預けたくても預けることができない」と悩んでいる保護者も多いと思いますが、ベビーシッターや一時預かり施設などを活用しながら、大切な子どもを見守っていきたいものですね。
【調査概要】
「コロナ禍の子育て実態調査」
調査対象:保育園・幼稚園に通う子どもを持ち、会社勤めの保護者101名
調査方法:インターネット調査
実施期間:2020年9月8日〜2020年9月10日
実施機関:株式会社明日香