新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、緊急事態宣言が発令されていた4~5月は外出を自粛し、今まで以上に自炊をして過ごした人が多いことでしょう。しかし、緊急事態宣が解除されてからはや2ヶ月。予断を許さない状況は続きますが「久しぶりにお茶を楽しみたい」「お店のごはんを食べたい」と飲食店まで足を運んだ人も少なくないのではないでしょうか。
緊急事態宣言で利用が落ち込んだ「飲食店」が6月には8割台まで回復
CCCマーケティング株式会社が、新しい生活様式の中で「緊急事態宣言前後での飲食店における利用状況」がどのように変化したのか調査を実施。2020年の2月3日週~6月29日週までの「スーパーマーケット」「コンビニエンスストア」「ドラッグストア」「飲食店」の利用状況について各業種別に調査しました。その結果、コロナ禍における打撃により、4月には60%以下まで利用が落ち込んだ「飲食店」の利用者が6月から増加し、6月29日週では81%まで回復していました。
他の業界と比較しても大打撃を受けた「飲食店」ですが、6月の緊急事態宣言解除による外出自粛の緩和の影響か、利用者が徐々に回復していることが伺えます。街中の人出が増え、経済活動も徐々に活性化しているのかもしれません。
専業主婦は「喫茶店」「ラーメン屋」、内勤の会社員は「居酒屋」へ
次に、緊急事態宣言の解除前(4月13日~5月17日)と解除後(5月18日~6月21日)における、飲食店の登録レシートの構成比をジャンル別で比較したところ「カフェ・喫茶店」が8%→13%、「ラーメン屋・つけ麺屋」が4%→5%、「居酒屋・ダイニング」が1%→2%と、いずれも利用者が増加していることがわかりました。
また「カフェ・喫茶店」「ラーメン屋・つけ麺屋」では「専業主婦」の利用構成比がもっとも増加したのに対し、「居酒屋・ダイニング」は「会社員(内勤)」の利用構成比がもっとも増加している結果となりました。
緊急事態宣言解除後は、朝昼晩のごはん以外でも余暇として、会話などをしながらゆったりとした時間を提供してくれる「カフェ・喫茶店」の需要が、専業主婦の人々の間で高まったと考えられます。「ラーメン屋・つけ麺屋」は、緊急事態宣言下において、専門店ならではの本格的な味を楽しみたくなったのかもしれません。
一方「会社員(内勤)」にとっては「居酒屋・ダイニング」での対面による「飲みにケーション」の需要が徐々に戻りつつあるようです。生活者のライフスタイルが強く反映された結果となりました。
「テイクアウト」の比率が依然高く、新しい飲食店の楽しみ方のひとつに
最後に、2020年1月~6月の飲食店各ジャンル別の「テイクアウト」の利用状況について調査しました。
全ジャンルで、3月から5月にかけて「テイクアウト」の利用が急増しています。なかでも、「ファミリーレストラン」「居酒屋・ダイニング」「寿司」は1月時点で10%以下だったのに対し、5月時点で30%を超えるほど増加しています。
一方で、6月に入ると全業態においてテイクアウト利用率は減少傾向に転じますが、「ファミリーレストラン」が24.8%(1月時点:4.9%)、「カフェ」が33%(1月時点:25.5%)を維持しています。幅広いジャンルにおいて、新しい生活様式での飲食店の楽しみ方として「テイクアウト」が定着していくのかもしれません。
まとめ
緊急事態宣言をきっかけとして、積極的に利用されるようになったテイクアウトですが、緊急事態宣言が解除されてからもニーズは衰えず、自粛生活を経てテイクアウトが定着しつつあるようです。
実名制グルメサービスRettyを運営するRetty株式会社の梅田亮さんによると、コロナ感染のリスクが解消されていない現在においても、今後の外食意向については「外食したい」という声が94%というデータが出ているとのこと。加えて「一回の外食を今まで以上に大事にしたい」「せっかくの外食だから特別な体験がしたい」との声もあり、外食機会が限られていく中、1度の外食を大切にする傾向が強まっているようです。
【調査概要】
「家計簿アプリ『レシーカ』による全国5万人の消費行動分析」
調査対象:家計簿アプリ「レシーカ」利用者の全国5万人
調査方法:「レシーカ」に登録されたレシートを調査
実施機関: CCCマーケティング株式会社
ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:CCCマーケティング株式会社