新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、私たちの在宅時間は大幅に増加しました。それにともない、暮らしや住まいに対する考え方も形を変え始めています。外出自粛を機に在宅勤務体制を採用する企業が増えた現在、職場も兼ねることになった住まいの在り方は、どのように変化したのでしょうか。
ステイホーム期間中、74%の人が住まいについて考える時間が増加
株式会社リビタが「暮らしと住まいのアンケート調査」を実施。ステイホーム期間中に考える時間が増えた項目について調査したところ、「住まいのこと」と答えた人が全体の74%を占めました。次いで「働くこと」が70%という結果に。また、この上位2項目をあわせて考える人も多くいることがわかり、テレワークの増加により、住まいと働くが以前より切り離せない関係となってきたことが読み取れます。
ステイホームを経て、住まいに求める条件や暮らし方が変化
間取りの変更や快適な空間を求める
現状の住環境に不満を感じ、間取りの変更や快適さの向上を考える人が多い傾向がわかりました。仕事のためのスペースや子どもの学習スペースの確保といった間取りや広さを求める声だけでなく、防音性や適切な室内温度といった機能性の改善を求める声もありました。また、外で遊べないため家の中で遊べるスペースの確保も求められています。
都心に住む必要性に疑問を感じる声も
テレワーク推奨により通勤が減り、また今後もテレワークが増えることを想定して、都心に住む必要性について再考する人もいました。これまでは仕事をする場として家を選んでいなかったため、今後テレワークが当たり前になる場合、このまま住み続けるべきかどうか疑問を感じているようです。環境の良さを求めて、自然豊かな地域へ住み替えを検討している人もいました。
メリハリのある住空間・一人になれる空間を求める
これまでは「くつろぎ」や「安心」という視点で考える人が多かった住まいですが、「集中できる空間」「遊ぶこともできる空間」としてのニーズが高まり、メリハリのある住空間が求められています。また、家族全員が家にいることで少なからずストレスを感じることもあり、「時には一人になれる空間がほしい」と感じる声もありました。多様な場面に対応できる家作りが求められそうです。
7割以上の人が「今の住まいに手を加えたり住み替えたりしたい」
今の住まいに手を加えたり住み替えたりしたいと思うかという問いに対し、39%が「住み替えたい」、33%が「リノベーションしたい・改善したい」と回答。約7割の人が現状を改善したいと考えており、中には実際に購入済み住戸のリノベーションを考え出した人や、家の片付けやDIYを実行した人もいました。
住み替えるなら、リラックスできる家にしたい。仕事ができる環境も重視
今後家に手を加えたり、住み替えたりする場合、重視したいことを調査したところ、75.7%の人が「リラックスできること」と回答しました。次いで「家でも仕事できる環境」が54.7%、「家族と一緒に過ごせること」「自然を感じられること」がいずれも38.2%でした。
まとめ
これまで、仕事もプライベートも忙しく充実していた人のなかには「家は寝に帰る場所」と考えていた人もいるでしょう。しかし、会社員でも家で仕事をすることが珍しくなくなった現在、住まいに求めることが大きく変わってきています。自身の今後を見据えたうえで、これからの住まいについて考えてみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
「在宅時間の増加による、暮らしや住まいに対する考え方の変化の実態調査」
調査対象:リノベーション住宅購入検討者・賃貸住宅入居者・オフィスや商業施設利用者267名
調査方法: webアンケート方式
実施期間:2020年5月末~6月上旬
実施機関:株式会社リビタ